ヨーロッパのサッカーでは、たびたびファンのマナーの悪さが問題になることがあります。
もちろん、どんな世界にもいろんな人がいるし、悪目立ちすることもあります。
それにしても、ヨーロッパにおけるサッカーファンは「フーリガン」などと特別な名前が付けられるほど、マナーの悪いファンが目立ちます。
今回はそんなヨーロッパサッカーファンのマナー問題について、歴史的な背景から探ってみたいと思います。
1.サッカーは労働者階級のスポーツだった
まず、YouTubeで東ロンドン出身の方にサッカーが労働者階級のスポーツであることについてインタビューしている動画があったのですが(現在は削除)、今でもその傾向はあるという答えでした。
お金がかかる私立の学校ではラグビー、そうでなければサッカーという何となくの枠組みが残っており、英語の訛りからもサッカー選手(ルーニー、ランパード、ベッカムなど)は労働者階級出身だと読み取れるのだそうです。
そもそもヨーロッパにおけるサッカーの歴史を紐解いてみますと、近世ごろまではサッカーには決まったルールはなく、殺人以外のあらゆる手段を使って行われるスポーツでした。
いや、スポーツともいえないものだったのかもしれません。
もちろん私自身それを生で見たことはありませんが(見てみたいような見てみたくないような)、ネット上から読み取る情報によれば、ゴールは街の片隅にあり、路地裏を通ったりルールはめちゃくちゃ。
武器を使った殴り合いも日常茶飯事だったようです。
おそらく感覚としては子供の缶蹴りのより暴力的なバージョンで、日ごろたまったうっ憤を晴らす場として使われていたのでしょう。
実際、18世紀の産業革命の頃に農村が解体されるとその当時のサッカーは自然消滅していったようです。
やがてサッカーは近代スポーツ化が進み、今に至るというわけです。
2.今もなお残る当時の名残
しかし近代スポーツ化が進んだと言えど、サッカーは労働者階級のうっ憤を晴らす場である、という雰囲気はまだ残っているようです(だいぶ薄れてはいると思うのですが)。
「フーリガン」という言葉がありますが、これは乱暴者のサッカーファンのことを指す言葉です。
wikipediaによるフーリガンの特徴を見てみますと、
・アルコールを飲用し酩酊状態にある
・10代から20代の男性により構成される
・いくつかの小集団が示し合わせたかのように集団行動を採り暴徒化する
・試合日時の如何、試合内容の如何を問わない
・スタジアム、近隣都市、交通機関など場所を問わない
・石、煉瓦、ガラス瓶、木材、ナイフなどを武器として携帯し乱闘や破壊活動を行う
・外国人排斥を掲げ、宗教差別的態度を採り仲間同士で団結する
とのことです。いやあ、とてもではありませんが関わりたくありませんね…。
これらの行動、いや暴動の根っこにあるのは労働者階級の不満だったり、あるいは地域同士の歴史的な因縁だったり様々ではあるようですが、理由はどうあれ根底には彼らの感じている被差別意識があるのではないでしょうか。
世間的には差別をなくそう!なんて言って人種や社会的立場への差別に配慮する、いわゆるポリコレなんて言葉が流行っています。
しかし私が思うに、差別をなくそうなんて言っている時点で差別なんてなくならないと確信しています。
こういうのは自然消滅して忘れ去られたとき、本当に差別がなくなるんですよね、きっと。
そしてそれは、おそらく私が生きているうちにはこないでしょう。
3.Jリーグはマネしなくていい
とまあいろいろヨーロッパにおけるサッカーの社会的な立場についていろいろ書いてきましたが、日本人にはなかなか理解しがたいですよね。
私も調べて書いてはいますが、正直理解できないので合っているのかどうなのか分かりません。
本場の人からしたらもしかすると全然違うことを書いているのかもしれません。
だから、Jリーグはマネする必要は全くないと思います。
日本でマナーが悪いと言われる浦和レッズのサポーターですら、ヨーロッパのフーリガンに比べるとかわいい、かわいすぎるくらいです。
Jリーグのサポーターはなんだかんだでみんな仲良しです。互いに尊重し合い、時にはケンカもするけれどいざとなれば助け合い、こんなに素晴らしいサポーターは世界中にもいないでしょう。
本場ヨーロッパにJリーグのサポーターのマナーの良さを見せつけてやりましょうぜ。
そんな日本におけるライバル関係をまとめた記事はこちら。
敵チーム同士の交流をまとめた記事はこちら。
4.まとめ
以上、ヨーロッパのサッカーファンの成り立ち、そして日本のサポーターについて考えてみました。
ぶっちゃけ、調べては見たもののヨーロッパのことはきっと実際に生まれ育ってみないと分からない感覚だと思うのです。
残念ながら私も日本人なので、ヨーロッパの環境をどこまで正確に理解できているかは分かりません…。
であれば、日本人は日本人らしくファンをやっていればいいと思うんです。
もしかしたら熱量はヨーロッパのファンには勝てないかもしれないけど、いざというときの一体感はきっと日本のサポーターも負けていないと思ってます。
日本人は日本人らしく生きていこうぜ!
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