注:本記事は新型コロナウイルス感染拡大後の情報を元にしています
【概要】

北九州市民球場は、1958年開場、福岡県北九州市にある野球場。
現在は福岡ソフトバンクホークスの実質的な準本拠地として使われている。
北九州市内には1950年代小倉豊楽園球場があり、西鉄ライオンズなどの試合が年に10試合ほど行われていた。
しかし小倉駅の移転に伴う用地収用のため豊楽園は解体、その代わりに1958年完成したのが小倉市営球場である。
1963年には北九州市の誕生に伴い、北九州市営小倉野球場に改称された。
ちなみに小倉豊楽園球場の跡地は、現在TKP小倉駅前カンファレンスセンターやリーガロイヤルホテル小倉となっている。
場所を調べてみれば、当時の球場の立地の良さがお分かりいただけるだろう。
その後はしばらくライオンズの準本拠地として使用され、多い時には福岡の平和台球場とシーズンの半々ずつ試合を行ったこともあるほど。
当時の北九州の勢いを感じるエピソードである。
ライオンズは1978年に埼玉に移転するが、その10年後にはホークスが福岡へ移転。
これを受けて北九州市は小倉球場を大規模改修、名前も現在の北九州市民球場に改められた。
その甲斐もあってホークス戦を年間5試合程度行うことになった。
スタンドの収容人数が少ないこともあり、ホークスがダイエーからソフトバンクに移り変わるころには年間1試合にまで減っていたが、球場の運営会社が誘致を積極的に行ったことにより年間2~3試合程度にまでは回復した。
それでもまだまだ少ないようには感じてしまうが…。
その歴史の長さ故エピソードにも事欠かないのだが、公式の動画でも使われているようにその中でも一番のエピソードは秋山幸二の2000本安打達成であろう。
ちなみにこの試合は出場2000試合目でもあり、秋山にとってあまりにメモリアルな1日となった。
また2022年に九州アジアリーグに加盟した北九州下関フェニックスは年間9試合程度行っており、本拠地の一つとなっている。
ちなみにオーナーのホリエモンは福岡県出身である。故郷に錦を飾る…といったところか。
【アクセス】
最寄まで★★★★☆

最寄は北九州モノレール香春口三萩野駅。小倉駅からたったの4分という好立地。
バスも充実しており、北九州空港からの高速バスなど数多くの路線が三萩野バス停に停車する。
最寄から★★★★☆

香春口三萩野駅からは徒歩10分ちょっと。
案内に沿って南に歩いて行く。

行き方は二通りあり、一つは案内に沿ってここで左に折れるパターン。
もう一つはそれを無視してまっすぐ行くパターン。みんながまっすぐ行くので自分もまっすぐ行くことに。

ここで左折します。

いい感じのラーメン屋さんもあり、ちょっとレトロな雰囲気も残っている。

球場のバス停もあるのでそちらで来ることもできるようだ。
おそらく小倉駅から来たであろう臨時のシャトルバスも走っていた。
【観戦環境】★★☆☆☆

試合自体の見やすさは十分。ファールゾーンがちょっと広いかな?という程度。
外野フェンスは高いもののグラウンド自体はかなり狭いため、ホームランの出やすさは福岡ドームと同等くらいか。
ただ防球ネットが低いため、割とファールボールが外に出ていく。
試合中球場の周りを歩く時はご注意を…。
かつてはスタンドにヤの人もいっぱいいて、観客がグラウンドになだれ込む光景はお約束だったというが…。

改めて本当に街中のスタジアムだ。周りはマンションだらけで、部屋からはおそらく試合も見える。
昨今街中スタジアムの重要性が叫ばれてるけど、本当の意味での街中スタジアムはこれくらいの時代から土地を確保していないとなかなか難しいだろう。

バックネット裏はこんな感じ。上の方に放送室などがあるようだ。

そして座席には背もたれや十分なスペースが確保されており、快適性を求めるならバックネット裏一択。
少々高くてもお金を出す価値は十分あるように思う。

三塁側後方には山並みが見える。
北九州と言えば工業の港町というイメージだが、見渡してみると意外と山も多い。

バックネット裏から見た景色。
プロ野球の球場だとバックネット裏の通路にすらなかなか入れないので、ある意味貴重な光景かもしれない。


ブルペンは一塁側、三塁側それぞれにあり試合中にアップを行う。
これぞ地方球場の楽しみ方。

スコアボードは最低限の情報に限られており、ピッチャーの球数やバッターの打率といった基本的な情報すら表示されない。
地方球場と考えれば標準的ではあるが、北九州という都市規模を考えるとちょっと物足りなさもある。
年数回のプロ野球開催くらいでは、大胆な改修には踏み切れないということか…(福岡ドームのデカすぎるビジョンを少し分けてくれ)。

今回座った座席はこちら。ぼろい、狭い、硬いの三重苦。
その中でも狭さは突出しており、荷物を置くスペースすらなかなかなく真ん中からはとんでもなくトイレに立ちにくい。
球場ができた当時はとりあえず座れりゃいいって感じで作られたんだろうなあ…。
まるで国立競技場みたいだあ…歴史は繰り返すってやつか。

コンコースにも残る昭和の香り。
今どきこんな球場があるなんて、ちょっと感動すら覚える。

内野席の入り口はこちら。土手の階段やんけ…。

階段を上った先に広がるのは、この球場随一の錆びたフェンス。昭和をもっとも味わえるスポット。
トイレも併設されているが、ここはさすがに多少キレイになっている。

上から振り返った光景はこちら。
もう一つの三萩野球場、北九州メディアドーム、そして山が見える。

照明塔は構造こそ鉄骨むき出しなものの、色はキレイに白く塗られている。
これ自体が最近取り換えられたのかどうかは不明。

球場周りをぐるりと散歩。こちらは内野自由席入口(アルプススタンドあたり)。
やはり公園のような簡素さ。

こちらのゲートは立派なものの使用されていない。
そしてなにより非常にノスタルジックである。入場券売り場はもはや文化財級。

球場周りも住宅に囲まれきゅうきゅうだが、かろうじて休めるとしたらこのあたりの石が転がってるあたりだけか。

バックスクリーンの裏側が外野自由席の入り口。ここはここでまた違った楽しみ方が出来そうだ。
しかし試合後このゲートで両チームのファンがまじりあうわけだから、トラブルも多かったことだろう。

こちらは一塁側の内野自由席入口。先ほどとほぼ同様。

球場のすぐ横に謎の建物が…?
年長者いこいの家って書いてあるが、どちらかというと独房にしか見えないのだが…。
謎は深まるばかりだ。

グッズ売り場はこちら。手狭な関係でかなりコンパクトな品揃えだ。
ここで買うくらいなら福岡に買いに行った方がよさそう。

なお先述の通り通路は非常に狭く少ないので、試合終了後はしばらく身動きが取れないことを覚悟いただきますよう。
しかも一番高額なバックネット裏が一番出口から遠く、下手すると30分くらい出られないこともある。
古い球場だから観客の導線に関しては全く考慮されていないのだろう…。
【雰囲気】★★★★☆

ジェット風船も復活し、コロナ禍もいよいよ終息してきたことを実感。
この4年間、長かったねえ…。
球場の雰囲気は福岡ドームとほぼおんなじ。かつてのやーさんが牛耳っていたころの北九州市民球場の面影はもう残っていない。
近くのおばちゃんはホークスの牧原は知っているが、最多勝投手のベイスターズの東は知らないようだった。
野球を観戦しにきてるというより、近所のあんちゃんを応援しにきている感覚なんだよな、もはや。

オープン戦というのに10000人を超える客入りで、もうほぼ満員と言っていい状態。
福岡の人は本当にホークスが好きなんだな。
ちなみにJリーグのギラヴァンツ北九州もほぼ同時刻に試合が行われたが、こっちの4分の1くらいの客入りだった。ホークス強し…。

オープン戦のため特にイベントも無い中、一人、いや一匹気を吐いていたのがマスコットのハリーホークであった。
5回終了時にはバズーカを打ち込んでファンサービス。

もちろん外野も盛り上げる。
パントマイムだけで何かを伝えるってものすごく難しいと思うんだけど、何を言いたいか動きだけで全部伝わってきてマジモンのプロフェッショナルだった…。
ペンギンとかコアラとかたぬきとか怪獣とか変なマスコットが多い日本プロ野球界において、数少ない超正統派のマスコットである。
【グルメ】★★★☆☆

非常にスペースは狭いものの、とりあえず屋台が2つ出ていた。
この狭さではグルメを出すのも一苦労だ。

牛ステーキ串。おいしいけど、タレがちょっと甘すぎな感じ。

値段が安い若鶏の方がジューシーでおいしかったな。
ちなみに焼き鳥は塩派。

今回は場内では買わなかったが、ラインナップはこんな感じ。ここにしか売店が無いので結構並ぶ。
北九州に来てわざわざこの売店に並ぶなら、街中でおいしい店を探す方が賢明かな…。
せっかく街中にあるスタジアムなので。
例えばこのように。
【満足度】★★★★☆
まさに昭和の野球遺産といった感じで、古き良き日本プロ野球を味わうには最高の球場だ。
ある意味随時改修されている甲子園や神宮球場より、ほとんどそのまま使われている北九州市民球場の方がよっぽど歴史を感じられる球場である。
ただ、それゆえ生半可な準備では試合を見に行くことも難しい。
現代の球場では考えられないくらい過酷な環境となるので、それ相応の覚悟はしておいた方が良いだろう。
そうでなければ多少お金を出してでも快適な環境を勝ち取るのが良い。
いろんな意味で、非常に玄人向けの球場である。
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