スタ辞苑〜全国スタジアム観戦記〜

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なぜ人はスポーツを見るのか?【コラムその38】

スポーツ観戦って不思議ですよね。

なんせ、選手たちは自分に縁もゆかりもない赤の他人です。そんな人がホームランを打とうが、ゴールを奪おうが、自分の人生には何も関係ありません

 

でも、チームの応援に人生をささげているような人もいます。あるいは、まったくスポーツに関心がなく、「野球って何人でやるスポーツだっけ?」っていう人もいます。

 

それでも、以下のデータを見てください。テレビの歴代視聴率ランキングです。

www.videor.co.jp

なんと、トップ10のうち実に7つがスポーツなのです。トップ50に広げても、20個がスポーツ関連のコンテンツです。どんなに「スポーツに興味がない」と思っていても、日本人はスポーツを見ます

 

ただ、これは昔のデータも含まれておりますので、2019年のデータ(コロナウイルスまん延前)も見てみましょう。

www.videor.co.jp

1位2位はやはりスポーツですし、それ以降は10月12日の台風19号関連のニュースで、その下にはやはりスポーツが並びます

 

日本で一番人が見るコンテンツはスポーツであることは揺るぎのない事実なのです。

なぜスポーツはこんなにも人を惹きつけるのでしょうか?考えてみました。

1.人は共感する生き物

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長年、私の中で「なんで人は面白いと思うんだろう」という疑問がありました。そして答えが分からないままでした。

しかし、佐久間宣行さんというテレビプロデューサーがラジオの中で、「人間は共感する時面白いと感じる」みたいな話をしていて(曖昧)、自分の中でしっくりきました。

 

ドラマや映画では、登場人物に共感したとき、笑ったり泣いたりします。あるいは、見事な伏線回収を見た時に「よくできてるな、脚本家さんすごいな」と感心します。作り手の熱量に共感していると言えます。

 

漫才でも、ボケた時ではなくツッコんだ時に笑いが起きますよね。あれはツッコんだ時に「そりゃそうだ」と観客が共感しているからです。

昔、あるあるネタが何でウケるのか自分の中で理解できなかったのですが、それこそ「共感」してるからみんな笑うんだと最近理解できました。

 

YouTubeなんかでも、最近は有名人が自分で企画を考え自分で撮影し、自分で編集し、自分で投稿するスタイルが流行りつつあります。

もちろんプロが作った動画の方が見やすいはずですが、それでもこのスタイルを取る人がいるのは自分で作っている動画の方がダイレクトに熱量が伝わりやすいためでしょう。

 

基本的に、作者側の感情が見え透いた時に人は共感し、面白いと感じます。

人間の感情において、「共感」は大事な大事なキーワードと言えそうです。

 

2.スポーツ以上に共感できるものはない

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ドラマや映画ではほぼ間違いなくドラマチックな展開が待っていますし、観客もそれを期待して見ています。

 

しかしスポーツでは、たとえ大敗しようが誰も助けてはくれません負けは負けです。

そういう意味では、スポーツはあまりにリアルです。リアルすぎて残酷にすら思えるほどです。

選手たちはみな(プロスポーツ選手は特に)人生をかけてプレーしています。だからこそ、試合中の出来事は選手の人生までもありありと映し出しています。

 

これ以上に共感できるコンテンツがあるでしょうか?勝者、敗者、それぞれの人生がそこでくっきり分かれるのです。

 

そしてここでいう共感とは、ファン同士の共感も指します。先ほどの視聴率ランキングを見ても分かるように、上位に入るのは「日本vs外国」という構図のものばかりです。

 

これは日本の勝利のために頑張っている選手たちに共感し、日本全体で応援しよう!という空気感になることで、ファン同士が自然と共鳴していくのだと思います。

選手に対する共感、ファン同士の共感によって、スポーツは無限の力を持ちます。

 

下記の動画で、なぜ日本人が日本を応援するのかちょっとだけ触れられています。サピエンスの話の流れなのでだいぶ壮大ですが^^;


【サピエンス全史②】〜貨幣も国家も宗教もこの世界は全てフィクションである〜

 

3.「地域密着」が共感を生み出す

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人にはいろいろな経歴があります。年齢、性別、学歴、年収…。

場合によっては、それによってコンプレックスを持ったり、苦しんだりすることがあるかもしれません。

 

しかし、誰しもに公平、平等なものがあります。それは故郷です。

故郷にだってコンプレックスを持つことはあると思うかもしれません。しかし幸運なことに、周りに住んでいる人はみんな同じ思いを持っているのです(笑)

時には、そうしたコンプレックスが爆発的な力を生むこともあります(松本山雅FCとか)。

sportskansen.hatenablog.jp

 

ともかく、チームがその地域の人々と共に過ごし共に歩むことで、スポーツに興味があろうとなかろうと巻き込んでいくことができます。

日本チームを日本人がみんな応援するのと同じ構図です。

 

プロ野球はかつて地域密着からは程遠いやり方でしたが、Jリーグに押される形で地域密着を進め根付いていきました。

もちろんJリーグ、そしてBリーグも地域密着はリーグの核となっています。

 

地域密着は人をファンにさせるきっかけでもあり、応援するモチベーションにもなります。

 

 Jリーグの地域密着への奮闘の歴史はこちらにもまとめています。

sportskansen.hatenablog.jp

 

4.まとめ

人がスポーツを見る理由は、根本は選手に対する共感、あるいはチームに対する共感だと思います。

選手のストーリーチームのストーリーを知っているからこそ、感情移入できるのです。

 

それらを知らない人は、「スポーツに興味ない人」になっていきます。しかしそこに「地域のストーリー」が加わることで、誰しもがチームに興味を持つ可能性が生まれます。

でなければ、あれほどまでに視聴率をたたき出すコンテンツがスポーツから生まれるはずがありません。スポーツは日本を元気にする起爆剤になりうるのです。

 

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sportskansen.hatenablog.jp