注:本記事は新型コロナウイルス感染拡大後の情報を元にしています
【概要】
千葉市蘇我球技場(フクダ電子アリーナ)は、2005年開場、千葉県千葉市にあるジェフユナイテッド市原・千葉のホームスタジアム。
元々ジェフは市原にあるスタジアム(市原緑地運動公園臨海競技場)をホームスタジアムにしており、2002FIFAワールドカップに合わせて市原に作るスタジアムに移転する予定であった。
しかし落選してしまったことで計画がとん挫、このフクアリと市原のスタジアムを併用していくことに。
2005年にはフクアリが開場し、2006年には市原のスタジアムを改修するためフクアリで全試合を行った。
が、今度は市原のスタジアムをJリーグ向けに改修する必要が生じ、その条件があまりに市原市の負担が大きかったことから断念、結果的にこのフクアリでホームゲームを一括して開催することになった。
つまり、
①ワールドカップでのスタジアム計画がとん挫
②市原のスタジアムの改修計画がとん挫
したためにこちらのフクアリが使われている。フクアリは何も悪くないのに、なんだかネガティブな理由が積み重なってしまったわけである…。
一方、ジェフの成績はこの2006年ごろには全盛期を迎え、Jリーグカップ戦2連覇を達成。連覇となるとヴェルディ川崎、鹿島アントラーズとこの時のジェフユナイテッド市原・千葉しか達成していない偉業である。
が、この2006年のシーズン途中、イビチャ・オシムが日本代表監督として引き抜かれる。
すると、リーグ戦の順位も3位~4位で安定していたのが一気に二けた順位まで転がり落ちる。
それでも数年間は踏みとどまっていたが、2009年にとうとう18位でJ2へ降格。以降、J2の沼をさまよい続けている。
オリジナル10と呼ばれるJリーグ創設時の10クラブのうちJ2へ降格経験があるのは鹿島アントラーズ、横浜F・マリノスを除いた8クラブだが、そのうち7クラブは降格した後J1へ復帰している。
つまり、J1へ復帰した経験がないのはジェフだけである(ヴェルディは一応一回は復帰したので)。
前身の古川電工サッカー部はJSL時代27シーズン連続で2部への降格をしたことがなかったが、このフクアリへの移転前後から少しずつ歯車が狂い始めてしまった感がある。
フクアリをいい思い出の地へ変えることはできるだろうか…。
【アクセス】
最寄まで★★★★☆
最寄はJR蘇我駅。
千葉駅からも、東京駅からも一本で行ける。時間はかかるが。
それぞれ違う路線のため帰りの電車も自然に分散され、あんまり混まない。そういう意味ではかなり快適に来られるスタジアムだと思う。
まあ、ジェフ自体JR東日本が持ってるクラブだからね(古川電工と折半している)。ちなみにジェフというクラブ名は、JR East Furukawaの略である。
最寄から★★★☆☆
蘇我駅からは徒歩15分ほど。
この道ずっと行けばフクアリに続いてる。気がする。J1へ帰りたい帰れない
近くにはチーバくん大量発生中。
ちなみにスタジアムの反対側にはJFEの工場がある。
というか、工場が埋立地に移転したためにできたスペースにフクアリ(+いろいろ)を作ったのである。
そんなわけで、スタジアムからも工場の建物が見える。なんか入っちゃいけない場所に入っている気分で、なんとなくウキウキする。
知らない工場の敷地入るのってなんか楽しくなりませんか?私だけ?
【観戦環境】★★★★★
台風接近の影響であいにくの天気だったが、2階席であれば屋根がついていて極楽浄土。
1階席は雨に濡れて大変そうだが…。
やっぱり、サッカー専用スタジアムは見やすくて素晴らしい。
強いて言えばたまごみたいな形をしているので1階席の最前列でも若干ピッチから遠いのが残念だが、それ以外は本当に素晴らしい。
とても仕方なく使っているスタジアムとは思えない。
若干スクリーンは小さい気がしないでもない。あまり気にならないけど。
コンコースはこんな感じ。多少は雨に濡れる。
なんとなく味の素スタジアムに似ている気がする。
【雰囲気】★★★☆☆
スタジアムの周り自体には何もないが、いざ中に入るとサッカーに集中できる環境で、スタジアムに来たなっ、という高揚感が一気に高まる。
もちろんチャントは歌えないが、選手入場時にはアメイジンググレイスが流れ、みんなでタオマフを掲げて一体感をあおっていく。
しかし試合内容がこれでは…(見にくいかもしれないが、1-5である)。
試合が進むにつれ、気持ちが切れていく選手たち。拍手が小さくなり、背中が丸まっていくサポーター。
ただでさえ大雨でテンションが下がるのに、これではジェフサポーターも楽しいわけがない。
もちろん、見に行った試合が悪いのは百も承知である。勝ち試合であればもっと盛り上がっていただろう。
しかしこれだけの大敗を見せられると、悲しいかな低空飛行している現状に妙に納得してしまったのであった。
ポップで楽しげなチームフラッグが、かえって哀しさを助長させる。
きっと昔は、もっと楽しかったんだろうな…。
涙雨に濡れるスタジアムが、夕暮れに寂しく光っていた。
【グルメ】★★★★★
本当は屋台村が出ていていろいろなお店があるのだろうが、コロナ禍なので外には屋台の出店はなし。一応フクアリ名物のウィンナー用にタッパーを持って行ったが意味なかった。
それでも、スタジアム内のグルメがかなり充実している。
こちらはスタジアムの常設店サマナラのチキンカレー&ナン。元々は市原にあるお店。市原を離れたジェフの数少ない市原要素である。
ナンが非常にボリュームがあり、これだけでもおなかいっぱいになる一品。もちろん味もGOOD。
こちらはもつ煮込み。
500円ながら非常に具沢山。もちろん味もGOOD。
車内での夕飯用に買ったしらす丼とメロンパン。
おいしかったが、漬物があまり得意でない私にはちょっとしんどかった…。でもちゃんと食べました。
もちろんメロンパンもGOOD。
【街との一体感】★★★★☆
JR東日本のクラブだけあって、蘇我駅はジェフユナイテッド一色。
いくらなんでも、ここまでJリーグクラブを激押ししている駅はここ以外ないと思う。もちろん発車時のメロディーもジェフの応援歌だ。
スタジアムと道路を挟んで反対側にはクラブの建物があり、グッズも売ってる。
また千葉駅周辺でも、わずかながらジェフのロゴを確認することができた(2枚目は左下の陰になっている部分)。
千葉ロッテマリーンズや千葉ジェッツと共闘して、千葉のスポーツ界をどんどん盛り上げていってほしい。
【満足度】★★★★☆
スタジアムは文句なしに素晴らしい。J1の中に入ってもトップクラスにいいスタジアムだろう。
が、いかんせん成績が振るわない。
一番哀しかったのが、どんどん失点していくチームを見て、選手も、サポーターも、気概を見せるどころかどんどん元気を無くしていった点だ。
全体的にどこか諦観、達観してしまっているように見えた。天候も相まってか、試合が進むにつれてスタジアムがどんよりしていき、暗さに包み込まれていった。
伝統のオリジナル10がこれでいいのか?と思わざるを得ない。同じくオリジナル10でJ2の沼にはまっているヴェルディは、なんとか前を向いてJ1を目指している。
ジェフもここで歯を食いしばって、J1を目指して牙を向いて欲しい。こんなところでぬくぬくしていて欲しくない。
一スポーツファンとしての切なる願いだ。
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