注:本記事は新型コロナウイルス感染拡大後の情報を元にしています
【概要】
ヤマハスタジアムは、1978年開場、静岡県磐田市にあるジュビロ磐田の本拠地。
コロナ前に訪れた時の記事はこちら。
前回訪れてから、J2への降格を経験してしまったジュビロ磐田。
しかし2021年にはJ2優勝を果たしJ1昇格。リーグ優勝3回を誇るジュビロ、いよいよ復権か…そう思われた。
ところが3年ぶりとなるJ1での戦いに大苦戦。屈辱の3度目となる降格を経験してしまった。
一時代を築いたジュビロがこのまま昇降を繰り返すエレベータークラブに終わるわけにはいかない。
王者復権を目指すべくもがき苦しむジュビロの現在を、ヤマハスタジアムまで観戦に行きました。
【アクセス】
最寄まで★★★☆☆
最寄はJR御厨(みくりや)駅。2020年に開業した新しい駅で、ヤマハ発動機関連の施設が密集しておりほぼそれ専用の駅となっている。
新幹線で来る場合は掛川か浜松で乗り換えだが、ほぼ真ん中にあるのでどちらにせよ少し時間がかかる。
最寄から★★★☆☆
御厨駅からは徒歩20分ほど。御厨駅開業までは磐田駅からバスで行くしかなかったので、それに比べれば手間は一つ減った。
その代わりバスの運行がなくなったので、20分歩くのがきつい人にはかえって条件が悪くなったと言えるかもしれない。
途中には写真のように工場が並んでいて、面白いと言えば面白いし見飽きると言えば見飽きる。
ヤマハの建物と選手ののぼりが見えてきたらヤマハスタジアムはもうすぐだ。
ここにはヤマハ発動機コミュニケーションプラザという施設があり、無料でヤマハのバイクや会社の歴史などの展示を見ることができる。
試合前の時間つぶしにどうぞ。
ここの3階からはヤマハスタジアム全景を眺めることができる。
スタジアム周辺はヤマハ発動機の本社をはじめヤマハの施設が密集している。
スタジアムもヤマハ発動機の持ち物で、つまり会社の敷地内にスタジアムがある、という構図になる。
試合のないときに勝手に入ったら通報されかねないな(どこもそうか)。
そんな磐田の旅行記はこちら。さわやかうまい。
【観戦環境】★★★★★
球技専用スタジアムだけあって見やすさはバツグン。選手の動きが手に取るように把握できる。
近くにボールが来るとより一層臨場感が増す。ピッチの近くから、上から俯瞰で、好みに応じていろいろな楽しみ方ができる。
一番上の席から。ピッチはおろか磐田の街並みまでよく見える。
さすがにちょっと遠い感じもあるが、風が吹き抜けなかなか気持ちいい。
ホームジュビロ側のスタンド。一応屋根はあるが小さいのであってないようなものだ。
座席がピッチに対して斜めにも配置されていて、座席の角度にも細かな配慮がなされている。
ゴールの裏にはネットが設置されている。強力なシュートをもろに食らったら危ないからね。
野球に比べたらまだ大丈夫そうではあるけど…。
またスタンド上部にはスピーカーが設置されている。ヤマハと言えば音を扱う企業でもあるので、その辺りはお手の物だろう。
アウェイ側のスタンド。2層式になっていて、2階部分にアウェイサポーターが集まる。
ホーム側よりスタンドが小さいのがホームアドバンテージといったところ。以前はホームとアウェイの位置が逆だったらしいが、改修を機に今の形となった。
この後ろに大型ビジョンが設置されている。こっち側の席に座っている人からは限りなく見にくいだろう。
これもホームアドバンテージってやつか。
そしてここがメインスタンド。独特の形状をした屋根、ボックス席やVIPルームもあるなど様々な設備を備える。
メイン、バック、そして両サイドスタンドがそれぞれ形状が異なるのがヤマハスタジアムの大きな特徴。見ごたえあり。
メインからバックスタンドを見上げる。バックスタンドは斜面に沿うように作られており、迫力は満点だ。
座席にJubiloの文字があるが、地名でなくチーム名が描かれているのはJリーグでもかなり珍しい。
バックスタンドの裏側。ちょっとした広場になっており、グルメの屋台などがある。
ジュビロ側のスタンド入り口。ここがメインのイベント広場になっているほか、ジュビロの事務所などもここにある。
この写真の奥にあるのがバックスタンドで、どれだけの斜面になっているかがわかる。
このスタンドの一角にジュビロのグッズショップがある。とても便利。
【雰囲気】★★★★☆
雨が降ったり止んだりの微妙な天気ではあったが、多くのジュビロサポーターが集まった。
コロナのため声こそ出せないものの、ヤマハ得意のスピーカーから応援歌が聞こえてきてスタジアムを盛り上げる。
ゴールとスタンドが近いのもスタジアムの一体感の醸成に一役買っている。サックスブルー一色に染まったスタンドは見事の一言。
そしてやはりゴールが決まるとどっと盛り上がる。これぞ生観戦のだいご味。
試合前には、磐田市に住んでいる小学生の「がんばれジュビロ!」という応援映像が次々に流れる。こんな映像を流されたら選手も力が入るだろう。
磐田の小学生はこうやって教育されていくんだなあ…。
(思想信条の自由は守られていると思いたい)
試合の方はというと、一時3-1とリードしていたジュビロであったが、試合終了間際にゴールを決められ引き分けに持ち込まれてしまった。
その時スタジアムには「クソー悔しい!」というのではなく、「ああ、やっぱりか…」という空気が流れた。
この空気どこかで味わったと思ったら、ジェフ千葉の試合を見に行った時と同じだった。
かつての名門、そして長い時をかけて底なし沼にハマってしまったという点で悲しいかな共通するものがあるのかもしれないな。
こうなると、なかなか抜け出すのは大変だぞ…。
【グルメ】★★★★☆
こちらはマグロ串。ジューシーで非常においしい。
磐田の名物と言えばメロン、ということで生メロンジュース。
クリーミーでおいしい。
訪れたのが秋だったためスタジアム全体でサツマイモ特集中であった。ということで専門店の大学芋を購入。
大学芋って久々に食べたけど、皮がついてるのは初めて見たな。
静岡名物のひとつしらすを使ったポテト。塩分が体にしみるぜ…。
大ボリュームで満足。
そしてメロンパン、リンゴパイ、焼津産の鰹節を使った焼きそば。
どれも非常においしかった。鰹節って本気出せばこれくらいの存在感を出せるんだなあ。
更にどこも浜松、静岡の食材を使っていて地産地消もしっかりなされているのも好印象。全体的に質の高いグルメがそろっている。
【街との一体感】★★★★☆
スタジアム最寄の御厨駅にはジュビロのモニュメントやジュビロくん像がある。
マンホールにもジュビロくん。
街中にはジュビロののぼりが立っている飲食店や、
カーディーラー店にもジュビロくん。文言が若干押しつけがましい
更にヤマハスタジアムの旧最寄り駅、磐田駅前にはジュビロロードがあり、選手の足型が並んでいる。
駅前の複合施設には大きなジュビロの看板が掲げられている。
ここにもジュビロくん像。目線の先にはジュビィちゃんがいる。
ジュビロ自販機。ジュビロのロゴの字体っていつまでも古くならないなあ。
駅の階段にもジュビロ。
また、磐田は2002ワールドカップ日本代表のキャンプ地。それを記念し日本代表選手の足跡をかたどったモニュメントが設置されている。
また磐田市のお隣、政令指定都市である浜松市の中心浜松駅前のアーケード街には、ジュビロの幕が並んでいる。
駅前の商業施設にはユニフォームも飾ってあった。
浜松市はジュビロのホームタウンではなかったが、2023年5月ついに念願のホームタウン化が実現した。
これで清水とは名実ともに静岡の東西ダービーとなった。
【満足度】★★★★★
かつて栄華を誇ったジュビロ磐田だが、時間をかけてしっかりと街に根差し、スタジアム自体も正当進化している様子を今回改めて発見することができた。
浜松もしっかりとホームタウン化を果たし、政令指定都市をも巻き込んで拡大を狙っている。
あとは、やはりサッカーの結果を残したいなあ…。
J1とJ2を行き来できるのは相対的に考えれば強い方ではあるのだが、かつての王者ジュビロを知っている人には物足りないだろう。
サッカー王国静岡復権のためには、その片翼を担うジュビロの復活が必須だ。
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