スタ辞苑〜全国スタジアム観戦記〜

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墨田区総合体育館(Vリーグver.)~23区内のFC東京~

注:本記事は新型コロナウイルス感染拡大の情報を元にしています

【概要】

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墨田区総合体育館は、2010年竣工、東京都墨田区にあるアリーナ。

 

元々この場所には1967年にできた墨田区体育館という体育館があったが、老朽化のため建て替え、2010年に墨田区総合体育館ができた。

開場を記念したプレイベントとして、当時JBLだったトヨタ自動車アルバルク(現アルバルク東京)とアイシンシーホース(現シーホース三河)の試合が組まれたこともある。

 

現在ではBリーグのサンロッカーズ渋谷主催試合の一部やFリーグのフウガドールすみだのホームアリーナとしても使われるなど、幅広く使われているアリーナである。

 

特に同じ墨田区にある両国国技館で東京オリンピックのボクシング競技が行われたことから、新たに「ボクシングの聖地」として墨田区を売り出すことになり、全日本ボクシング選手権をこのアリーナで毎年行うことが決まっている。

 

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こんな感じであしたのジョーとのコラボ企画なんかも区を上げてやっている。

野球の「甲子園」やラグビーの「花園」のように、墨田区総合体育館が新たな墨田区のシンボルとして発展していくことを期待したい。

 

今回はそんな墨田区総合体育館で行われたVリーグFC東京vsJTサンダーズ広島の試合の模様をお届けする。

「FC東京ってサッカーじゃないの?」と思われるかもしれないが、FC東京はれっきとしたバレーボールチームである。

 

こちらもサッカーと同じく東京ガスバレーボール部を母体としており、1948年からある非常に歴史のあるクラブ。

明確なホームアリーナは決まっていないが、東京都墨田区をホームタウンとしており墨田区総合体育館が実質的なホームアリーナとなっている。 

本家FC東京は東京都調布市をホームにしているので、FC東京と名がつく中で唯一23区をホームにしているのがFC東京バレーボールチームである。

 

…のだが、2021年12月衝撃的なニュースが舞い込んできた。このFC東京バレーボールチームが2022年をもって廃部することが決定したというのだ。

時代の煽りか、財政的な問題か…。スポーツファンとしてはただただ悲しく、寂しいニュースである。

【アクセス】

最寄まで★★★★★

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最寄はJRと東京メトロの錦糸町駅。総武線快速と各駅停車の合流駅であり、墨田区を代表する大ターミナル駅の一つだ。

利便性ではそんじょそこらのアリーナを凌駕する。

 

最寄から★★★★★

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錦糸町駅からは大通りをほんのちょっと歩くだけ。目と鼻の先といってもいいレベルだ。


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途中錦糸公園を抜けていく。関東大震災の復興のために作られ、戦時中は遺体が仮埋葬されるなどなかなかに負の歴史があるが、現在は野球場や商業施設などが入り区民の憩いの場として機能している。


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途中東京スカイツリーも見える。

 

【観戦環境】★★★★☆

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新しいアリーナであるし、角度や席の幅など全く問題なく観戦できる。

ただ問題があるとすれば、写真のように赤やら青やらのラインがコートに残っており、一体どれがバレーで使っているラインなのかよく分からないことである(ちなみに白いラインである)。

景観としても邪魔になるから、白線以外は目立たないようにできないもんですかねえ…。Bリーグを観戦している時は特に気にならないのに。


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またBリーグでよく使われる大きなビジョンはなく、得点表示はこのLEDのボードだけ。なんとも寂しい…。


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墨田区総合体育館は5階建ての建物でアリーナ自体は3階より上にある(宙に浮いているイメージ)ので、2階席に行くためには4階まで登る必要があるのだが、これが微妙にしんどい。階段も狭いし。

またコンコースも狭いことから、グッズなどの物販スペースが限られているのもつらいところだ。

本格的に物販をするのであれば外の公園で売る方がよいかもしれないですね。

 

ちなみに2階に何があるのかというと、墨田区出身のスーパースター王貞治のミュージアムである。

4travel.jp

 

【雰囲気】★★★☆☆

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前回大田区総合体育館でサントリーサンバーズの試合を観戦したときには選手入場の演出がかなりかっこよく仕上がっていたのだが、今回はイメージ通りのDJがアナウンスして選手がハイタッチしながら入ってくる、という非常にシンプルな演出。

 

やっぱりVリーグの中でも気合の入り方がチームによって全然違うようだ。Bリーグのように強制的に全チームプロ化して、ホームアリーナを定めて、といった形でケツをたたいてやらにゃいかん気がするなあ。

もちろんいろんな事情があってこういうことになっているのだろうけど…。

 

ただ正直に言えば、これで3500円のチケット代は高いな、と思いましたよ、私は。それなりのお金を取るんだったらそれなりの気合を入れてほしいですね。ていうかFC東京はJリーグでノウハウがあると思うけどなあ… 

 

ただ、客層にはイケメン目当ての女性バレーボール玄人っぽいオジサンが混じっていて、その辺は現象としては面白いなあと思った。Bリーグにはいっぱいいる子連れが本当に一人も見なかった気がする。

 

【グルメ】

コロナの影響もあってか、食べ物の販売は無し。コロナがなくても食べ物にそんなに気合が入っているとは思えないが…。ましてやFC東京だし

 

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その代わり、ここら一帯は日本でもトップクラスのラーメン激戦区なので、試合前後に食べに行くとよいだろう。 

 

【満足度】★★★☆☆

試合自体はそれなりに楽しめた(といってもセットカウント3‐0の一方的な試合だったが…)けど、やっぱり演出周りなどVリーグ全体の課題が露呈しているなあ、というのをつくづく感じてしまった。

 

試合自体の面白さはどうしたって試合内容に影響されてしまうし、面白い試合、つまらない試合ができてしまうのは仕方のないところだ(なるべく面白い試合を増やすのが強化部の仕事)。

 

だからこそ、「負けても楽しい」という体験を作り出すことがプロの興行としての一番の仕事なんだと思う。そこができない限りは、Vリーグが興行として発展していくのは難しいだろうなあ…なんて考えてしまうのだった。

こうやって興行としてうまくいかなかったのが廃部の一因になってしまったのかなあ…。

 

やっぱりBリーグみたいにどこかで外圧がかからないといけないのかなあ…。それがなくても自浄作用でVリーグが頑張ってくれるといいのだけど。

 

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