注:本記事は新型コロナウイルス感染拡大後の情報を元にしています
【概要】

明治神宮野球場は、1926年開場、東京都新宿区にある東京ヤクルトスワローズの本拠地。
もちろん本ブログでも何度も取り上げている。
2025年2月、つば九郎はお空へ飛び立った。
くるりんぱすら成功しなかったのに、虹の向こうへ行っちゃうなんて…。
ここで改めて、つば九郎の軌跡をたどっていきたい。
つば九郎は1994年ヤクルトスワローズに入団。
当初はスリムな体形をしており、現在の中年太りずんぐりむっくりな体形と違って若々しさがあった。
その特徴はなんといっても自由奔放な性格。
お得意のフリップ芸では芸人顔負けのブラックジョークをかまし、ライバルで同期のドアラとはしゃべりもしないのに舌戦を繰り広げた。
趣味は競馬で、時折万馬券を当てるなどギャンブラーとしても活躍。
お酒も大好きで、スワローズの黄金期を支えたOBたちともよく「るーびー」を飲みに行っていたらしい。
ただ年俸はいくらヤクルト1000飲み放題付きとはいえ、たったの6万円しかなかった。きっと馬券や飲み代にすべて消えていたのだろう。
そういったあまりに厳しい評価のためしばしばFA宣言をすることもあったが、なんやかんやで宣言残留し生涯スワローズを貫いた。
その活動は新潟県燕市から燕市PR隊鳥を任命されたり、ドラマの主演を務めたり、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いであった。飛べないくせに。
2022年には通算2000試合出場、2024年には入団から30年を数え、ますます働き盛りを迎える…はずだった。
その矢先、つば九郎は天へと飛び立ってしまった。
いくら気まぐれなつば九郎と言えど、あまりにいきなりすぎてそりゃないぜ…と言いたくなるほど突然の出来事だった。
最後までスワローズを愛し、スワローズに愛されたマスコット、つば九郎。
そんなつば九郎を弔うため、神宮球場へと向かった。
【アクセス】
最寄まで★★★★★

最寄は東京メトロ銀座線外苑前駅。
他にJR信濃町駅や千駄ヶ谷駅、都営大江戸線国立競技場駅など。お好きな駅をどうぞ。
外苑前駅は非常に混むので、特に帰りは渋谷まで歩くのも一つの手。
運動になるし交通費はケチれるし、何より夜の表参道や青山を歩くのが気持ちいいのだ。
最寄から★★★★★

外苑前駅からはすぐ。都会のビル群をずんずんと。

右側にスワローズショップがあり、その奥には高津監督と村上が腕を組んで立っている。

ラグビーの聖地秩父宮ラグビー場があり、その奥に神宮球場がある。
計画ではそれぞれ位置を入れ替えて建て替えることになっている。

こちらはバックスクリーンのあたり。
奥には国立競技場がそびえる。この一帯は東京におけるスポーツの聖地だ。

ただの地面が柵で囲われていて何かと思ったら、現存する国内最古の道路舗装アスファルトなのだそうだ。
1926年だからちょうど100歳になったところ。
【観戦環境】★★★☆☆

何度も通い慣れた神宮球場、今回は外野席から。
のっぺりとしたスタンドでなかなか遠くて見にくい。それもまた神宮。
ただ球場自体はともかく、チケットの値段がバカ高い…。
自前球場でなく借り物球場である弊害がここに来ているか。ファイターズもそれが一因になって球場作ったんだしなあ…。

昼と夜とで全く雰囲気が変わるのも神宮の魅力。
昼はのんびりピクニック気分で、夜はビアガーデンへと早変わりだ。

外野後方は背もたれのないシート。
前方には背もたれやドリンクホルダーがついた席があり、値段によって差別化されている。
座席はものすごく簡易的だが、形状がお尻にフィットして思ったより座り心地は悪くないし、隣の席とセパレートしているのもポイント。
見た目よりは結構機能的なシートなのだ。
ところどころ新しい青い席に置き換わっているところがあるが、これは席が割れたりして使えなくなった部分を改修しているのだろうか?
神宮球場は「生ける野球遺産」である。

階段や通路なんかも段の大きさがバラバラだったりガタガタだったり、手作り感が満載。
最新の技術で作った施設とはまた違う、温もりの塊のようなスタンドである。

一方、バックスクリーンを下から見上げるとなかなかにすごい光景が広がっている。
両側にはグルメ店がひしめき合っていて中央はスタンド内のコンコースとつながり、その上にスーパーカラービジョンが設置されている。
バックスクリーンはどうしてもデッドスペースになりがちだが、神宮球場ほど活用できているスタジアムもそうはない。
例えば甲子園だったら甲子園歴史館のルートの一部になっていたり、エスコンフィールドだったらビールの醸造所だったりするが。

バックスクリーン側から見るとこんな感じ。表から見ると広告がある部分である。
なんとこっちにもモニターがついていて、グッズやグルメの購買意欲をそそる映像が流れている。

横から見るとこういう構造になっている。
中継では分かりにくいが、意外と手前のフジテレビマークの部分が飛び出している。

スタンドには階段を上っていくが、その上にある防球ネットの代わりにオープンハウスの広告とつば九郎がいる。
ここにホームランを当てると、特典として東京の家一軒をもらうことができる。

その通路に村上選手の56本目のホームランが刺さった跡がある。
村上選手の場合特例で56本目に限り、オープンハウスの広告以外にホームランを飛ばすと家一軒をもらうことができた。
つまり東京のどこかに村上選手の家がもう一軒あるはずである。

ライトスタンドには相手チームのグッズを身に付けて入ることはできない。
以前間違って入った客が凶暴なヤクルトファンに野次られていたのを見たことがあるので、その対策だろう。
実際このメッセージが書かれたプラカードをもってしょっちゅうスタッフが歩いていたので、相当クレームが入っているらしい。
それでも、昔に比べたらだいぶ治安は良くなったと思うけどねえ…。

こちらは外野のコンコース。
グッズショップがあり、つば九郎が販促している。

そして2021年の日本一を記念した手形がある。
神宮球場は内野と外野を行き来できない構造になっているので、この手形が見られるのは外野のチケットを買った人のみだ。

続いて外へ。
この日は東京六大学野球のリーグ戦が行われており、その間は外につば九郎が置かれていなかった。
なお開場予定は16時半となっていたが、実際には16時過ぎに開場された。
神宮球場は学生野球優先のスケジュールとなっているため、試合終了や撤収具合によって開場時間が変わるのだろう。

外にも仮設ではあるがグッズショップがある。
仮設と言っても店のプレートもあるし、ほぼ常設店らしい。

そういやあだち充さんってスワローズファンらしい。
タッチやH2など作品の舞台もなんとなく神宮球場っぽいような気がする。

いつの間にか東京六大学野球発祥の地の碑が設置されていた。
発祥も何もここでしかやってない気がするけど…。
【雰囲気】★★★★☆




どのスタジアムでも夕方から夜にかけての雰囲気は最高だが、こと神宮球場においては本当に格別の雰囲気を味わえる。
まさに都会のオアシス。
神宮球場でしか得られない栄養素は間違いなく存在する。

なぜか外国人客だけを映し、クイーンのWe Will Rock Youを流すコーナーがあった。
どうやらインバウンドの影響か神宮球場が「隠れ観光地」になっているらしく、ものすごい多くの外国人客がいた。
確かにアクセスもいいし雰囲気もいいし、手軽に日本文化を楽しむのにはちょうどいいのだろう。
しかしイチローの引退試合を行い日本を代表する球場である東京ドームでなく、あえて神宮球場を選ぶとはなかなか日本通だ。
それならぜひ甲子園にも行ってみて欲しい。あとはエスコンフィールドとか。


そんな外国人客にこの傘の花が咲き乱れる光景はどう映っているのだろうか。
珍妙に見えるのか、それとも美しい日本の光景と捉えるのか。
それにしても、当たり前のようにあったつば九郎がいた光景はもうここにはなかった。
と思っていたが、うねうね躍るつば九郎人形につばみと巨人のマスコットが輪投げをする謎のイベントがあったり、あるいはフリップ芸は巨人のマスコットがやってたり、なんかなんだかんだでつば九郎の存在感は消えていないようだった。
みんなで少しずつ穴埋めをしていると思うと涙も出てくるが、なんか当たり前のように球場内のいろんなところにつば九郎がいるし、あんまり悲しまれるのも本人、いや本鳥の遺志とは違うだろう。
まだまだつば九郎はヤクルトのマスコットであり続ける。

なんか神宮のビジョンって今となっては小さいし情報量少ないんだけど、なんかこれはこれでいいって思っちゃうんだよね。
歴史があるってずるい。

つば九郎、達者でな。
【グルメ】★★★★★


神宮球場グルメはいつも球場内で完結してしまうが、今回は見聞を広めるため球場外のキッチンカーを多めに利用してみることに。
大学野球の影響で開場が遅い神宮球場においては、開場前から空いている球場外グルメがとても使いやすい。

そんな中で目についた「きっちんくるりんぱ」。
店名からしてアイツの店に違いない。
そういえば、くるりんぱってネタ元の人も鬼籍に入っちゃったんだよな…。
なんだか寂しいなあ。

鳥のくせに焼き鳥を売っていた。共食いというやつか。
この焼き鳥スタグルとしてはかなりおいしく、神宮球場グルメのレベルの高さを感じられた。るーびーにもよく合いそうだ。

併せてつばくろうのどらやきも購入。
岡崎に店を構える老舗の和菓子屋「ますだ家」が作る、見た目も味もガチな逸品。東京は美味しいものが集まってくる街だ。

裏にはおみくじつき。
「えみふる さきみだれ はなまる🌸 だいきち」
甘いはずのどら焼きがなんだかしょっぱく感じるぜ。

球場の敷地の入り口には、いつも元気なケバブ屋さんの隣に築地場外市場のお店ができた。
豊洲じゃなくて築地で合ってますね?

こちらのお店では、2025年に登場したばかりの新商品「じんコロ」を販売している。
神宮球場としては新名物として売り出したいらしく、球場内の至るお店で販売されている。

野球ボールのようなコロッケにはホクホクのジャガイモに築地のマグロが入っており、衣もサクサクでなかなかうまい。
値段(800円)の割に十分なボリュームもあるし、じんカラと並んで定着する可能性はありそう。
頑張れ築地。

なお、神宮球場では節操のない数の選手グルメが設定されている。
村上選手だけでこの数だよ。絶対全部食べてないよね?
でもこのパワプロ風の装飾はなかなかカワイイ。
最近パワプロとのコラボに熱を入れているらしく、グッズもなかなか良かった。

とりあえず村上選手の出身地、熊本名産のデコポンサワーを購入。
このカップだけでも買う価値がある。

やっぱり球場内も物色する。
個人的には内野より外野の方がなんかそそるんだよなあ。

神宮球場名物ウィンナー盛り、そういえばメガ盛りってどんな量なのかと思い好奇心で購入。
メガ盛りというから山盛りかと思ったら、意外と常識的な量だった。
とはいえさすがに全部食べたら飽きた。3人くらいでつまむのがちょうどいいかな。

神保町のやきそばの名店、みかさ威風が一番レフト側に出店していた。
こんなお店あったっけなあ?いつもスワローズ側しか見ないから気付かなかったのかな。

西川選手とコラボしたこだわり肉野菜炒めを購入。
焼きそばではなく春雨を使っているのがポイントらしい。カードももらえてオトク。
これかなりウマイ!多分だけどこの店自体のクオリティがとても高いんだと思う。
神宮球場には数々の鉄板料理のお店があるが、その中でも上位と言って間違いない。
以前の神宮球場グルメは球場の雰囲気で味を高めていた面もあったが、今の神宮球場グルメは普通に質もトップレベルのところまで来ているように思う。
おかげで神宮球場名物だったウィンナー盛りは、絶対食べなきゃいけないという地位からは落ち着いたイメージ。
まだまだ神宮球場グルメは掘り足りない。
建て替えする前にどんどん楽しんでいかなければ。
【街との一体感】★★★☆☆

青山から表参道を抜けてくると、突然スワローズのフラッグが並んだ通りが出現する。
このカオスな感じが世界一の大都会東京を感じられて面白いのだ。

よく見たらスワローズの応援メッセージが書いてあるビルを発見。
どうやら100年以上の歴史がある(建物自体はもっと新しい)日本青年館の建物である。
こんな由緒正しい施設になんでメッセージが書いてあるんだろ?
調べたら文化・スポーツの発展にも寄与する団体らしいので、その一環なのかもしれない。
神宮球場周辺の高層ビルはスワローズのことほったらかしかと思ったが、意外な味方がいたもんだ。

謎にユニフォームが並んでいる。
こんな都会の一等地のショーケースなんて広告効果高そうなのに贅沢だ。

こちらのお店は試合を見ながらお酒を飲めるようだ。
球場に行けばいいような気もするが、チケットも高いし雰囲気を味わうだけならいいか。

外苑前にそびえたつのは、高津監督とつば九郎。

きっちんくるりんぱは通りにもお店がある。
シーズンオフにも神宮球場グルメが楽しめるというわけだ。

神宮球場の裏手には…

グッズショップつば九郎店がある。2896がつば九郎の証。

店内には店長がいる。なんか元気そうでよかったよ。

その反対側には2000試合出場記念でオープンハウスが作ったつば九郎ハウ巣がある。
家主はいつ帰ってくるだろうか…

自販機には兄妹仲良くプリントされている。

そして信濃町にはつば九郎神社が健在。
つば九郎の息吹は、まだまだそこかしこに残っている。
【満足度】★★★★★
寂しくないと言えば、ウソになる。
やっぱり寂しい。とっても寂しい。
それでも、スワローズのマスコットはつば九郎だ。
たとえ姿はそこになくとも、みんなの記憶に残っているから。
将来神宮球場が姿を変えても、つば九郎はずっと神宮の空を飛び回っていることだろう。
翼もないくせに。
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