注:本記事は新型コロナウイルス感染拡大後の情報を元にしています
【概要】
西武ドーム(ベルーナドーム)は、1979年開場、埼玉県所沢市にある埼玉西武ライオンズの本拠地。
球場やライオンズの歴史については以前の記事に掲載しています。
埼玉西武ライオンズでは2017年から2021年にかけて、関係施設の大規模な改修工事を行った。
その中にはトレーニングセンターや選手寮などファンが入る機会の少ない施設も含まれているが、西武ドーム自体やその周辺施設など一般客が利用する施設も大きく変わった。
2022年にはネーミングライツ変更によりベルーナドームへ名称を変更するなど大きな変革の中にある西武ドーム。
今回はそういった改修も含めた球場の変化、そして西武ドームの魅力を改めて見に行くことにした。
【アクセス】
最寄まで★★☆☆☆
最寄は西武狭山線、西武球場前駅。
狭山線自体は非常にローカルな路線だが、西武ドーム対応のためこの西武球場前だけは6番線まであるやたら立派なつくりになっている。
試合日には試合開始のおよそ2時間前に到着するように横浜方面から直通する臨時列車が走っており、横浜在住の筆者はよくそれを利用している。
もちろん1時間半ほど寝ていれば着くのだが、それにしてもやっぱり遠い…。
ちなみに試合後はもちろん非常に混みあうのだが、追加料金を払えば池袋まで特急にゆったり座って帰ることができる。
そのまま横浜まで行ってくれれば利用したいが、中途半端に特急列車に乗るとかえって疲れそうなので乗ったことはない。
最寄から★★★★★
西武球場前を降りると目の前に球場がある。
〇ゴヤドーム前矢田駅のように名前のわりに球場からやたら歩かされる駅もあるが、ここは駅から日本一近い球場と言っていいほどだ。
さすが西武グループ。
【観戦環境】★★★☆☆
席の角度などは適切で、どの席から見ても非常に見やすい。構造自体はよくできた球場だ。
しかし、風がなかなか通らないのでやっぱり暑い…。真夏などは特に注意が必要だ。
座席はクッション性が高く、座り心地はなかなかにいい。前からこういう席だったかは失念してしまったが、ドーム球場である利点を生かせている。
一塁側、三塁側のそれぞれの一角に座席のないスペースがあるが、ここには飲食店があり西武ドーム名物グルメが目白押しだ。
この球場の大きな特徴としてオルガンが設置されており、試合状況に合わせてお姉さんが生で演奏してくれる。
かつてはいろんな球場にあったオルガンだが、現在ではここ西武ドームだけだ。
タイミングもばっちりで試合の進行を妨げない熟練の技を感じる。西武ドーム独特の雰囲気はこのオルガンが醸し出していると言ってもいいだろう。
また一応空気を循環するための大きなファンも設置されているが、効果があるかどうかは不明だ。
まだ日本でも数少ない、ブルペンを間近で見られる球場でもある。プロの投球を近くで見られるのは貴重だ。
ビジョンは改修され、前よりも一回り大きくなった。
照明、音響も改善され、劇的な変化とまではいかないが演出も少し派手になったようだ。
今回の改修で個人的に一番のトピックがこれ。外野席が芝生から座席に変更されたのである。
西武ドーム最大の特徴だと思っていたので残念ではあるが、やはり芝生では座りにくいし時代の流れなのかな、という気もする。
座席の方が管理しやすいだろうしね。
以前からあったか忘れたが、外野後方には西日を防ぐため?の黒幕も設置されている。
もういっそのこと屋根で覆ってしまった方が
今回の改修で、座席もニーズに合わせて多種多様に。西武球場の時代から考えると、確実にボールパーク化が進んでいるイメージだ。
野球は観る時代から、楽しむ時代へ。
以前に比べて、チケットゲートが前面に出てきてゲートの数もより多くなった。
混雑も緩和され非常に便利になった。
そのおかげで、ドームの前の広場もより広くなり有効活用されている。気分はもう〇ィズニーランドだ。
以前はドームの奥にあったグッズショップも、ドームの手前に移転してより便利に。
前より少し狭くなった気もするが、その分二階建てになったので売り場面積はおそらくそれほど変わっていないはず。
入場時には横で配っている整理券をもらっておく必要がある。混雑を回避するためかな。
ドーム前には立派なライオン像の他、子供が遊べる遊具がある。
この日はドラクエコラボでスライムも置いてあった。ライオンが食べちゃいそうだな。
三塁側にある建物にも子供が遊べるスペースが用意されている。
子連れできても十分遊べるようになっていて、昨今のニーズにも対応している。
しかし、西武ドーム名物の坂道コンコースだけはどうにもならない。屋根も覆っていないので濡れてしまう。
ドームなのに傘がいると揶揄されてしまうのはこのためだ。
【雰囲気】★★★★★
すっかりライオンズの名物となったフラッグは今もなお健在。コロナでも影響されない非常にいい文化である。
しかし私のバッグにはフラッグが大きくて入りきらないのがちとネック。
一塁側にはなぜか西武線が置いてある。この時は中には入れなかったが、自分が子供だったら中で一日中遊んでいられると思う。
とにかく、球場周辺も含めて遊び心が格段に増加した。
球場外には2000本安打を達成した栗山巧マンホールが設置されている。今のライオンズでミスターレオはだれかと言ったら、真っ先に名前が挙がる選手だろう。
松井稼頭央とかに比べると派手さはないけどね。
先述の通り、この日はドラクエデー。ライオンズに限らず、プロ野球全体でいろんなものとコラボして新規客を取り入れようとしている。
こういった柔軟な姿勢は他のスポーツでもどんどん取り入れてほしいなぁ。
「かんとくが あらわれた!」とか言ってめちゃくちゃふざけ倒していた。
この後、とんでもないことが起こるとも知らずに…。
この日の対戦相手、オリックスの先発は日本球界のエース、山本由伸。
山賊打線とも呼ばれた強力西武打線をバッタバッタとなぎ倒していき…
なんとノーヒットノーランを達成してしまった。
オリックスサイドは優勝したかのような大騒ぎ。
一方のライオンズ側からも拍手が送られ、スポーツマンシップにあふれた非常にいい試合となった。
【グルメ】★★★★★
こちらは栗山巧の埼玉野菜中華丼。少々値は張るが具だくさんで、かなりおいしかった。
特にうずらの卵がうまい。
こちらは若獅子カレー。選手寮で出されているカレーを味わうことができ、所沢市内では給食としても出されたのだとか。
スパイスが効いていてなかなかうまい。
スイーツが食べたくなったのでチョコバナナクレープを購入。普通においしい。
さらに西武ドーム名物のライオンズ焼き(オリックス戦限定のミルクあん)、
そしてペットボトルの狭山茶を購入。西武ドーム最強の組み合わせだ。
西武ドームはとにかくグルメが豊富で、球場前のキッチンカー、球場内のコンコース合わせて1000以上ものメニューがあるのだとか。これだけあると1日に1食も出ないメニューとかもあるのかなぁ。とにかくグルメの豊富さは日本一だ。
【街との一体感】★★★★☆
西武ドームから3駅、地元所沢駅はライオンズの装飾で染まっている。
駅前の繁華街はライオンズ通りとなっていて、選手のフラッグなどがある。
埼玉とはいいつつ大宮や浦和といった埼玉最大の都市からはアクセスが悪いうえ、埼玉はサッカーの存在感が大きい印象だが、西武線沿線は池袋も含めてライオンズファンを取り込めている。
今では数少なくなった鉄道会社のプロ野球チームとして、昔ながらの経営スタイルを貫いているのだ。
【満足度】★★★★★
相変わらず気温や山の勾配には悩まされる球場だが、全体的にボールパーク化がより進んで楽しさがぐっとアップした。
こうやって時代に合わせてどんどんアップグレードされていく球場を見ると、プロ野球もまだまだ伸びしろがあるのだなと改めて感じさせる。
まだまだ何度でも訪れたい球場だ。
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