注:本記事は新型コロナウイルス感染拡大後の情報を元にしています
【概要】
日本武道館は、1964年開館、東京都千代田区にある武道館。
元々は、1964東京オリンピックの柔道競技会場として建設された。東京オリンピックが日本のスタジアムやアリーナ事情に及ぼした功績は実に大きい。
2020東京オリンピックでも柔道、空手の競技会場となり、それに合わせた改修も行われた。
独特の八角形の形状は法隆寺の夢殿、稜線は富士山を参考に作られていて、日本の名所を一度で楽しめるようになっている。
また某歌手が歌っている「大きな玉ねぎ」は、屋根の上にある擬宝珠を指している。
また、ビートルズが来日の際にコンサートを行った会場としても広く知られている。
武道館が作られた当初は「日本武道の聖地」としての意義が今以上に大きく反対の声も大きかったようだが、ビートルズがコンサートを行ってからは「音楽の聖地」としても広く認識されるようになった。
今では武道館での公演を成功させることがミュージシャンにとって大きなステータスとなるほどだ。
日本武道館のもつもう一つの大きな役割が、格闘技、特にプロレス会場としての側面である。
初めてプロレス興行が行われたのはビートルズ公演と同年、日本プロレスのジャイアント馬場VSフリッツ・フォン・エリックの試合であった。
それ以降新日本プロレス、全日本プロレスに別れてからも数々のビッグイベントが行われたほか、ジャイアント馬場の葬儀でも使われたほどである。
現在では、新日本プロレスが行う最大級のイベント「G1 CLIMAX」の会場として両国国技館と並んで使われている。
今回はそんなプロレスの真夏の祭典、G1 CLIMAXを観戦した。
プロレスの楽しみ方について考察をした記事はこちら。
【アクセス】
最寄まで★★★★★
最寄は九段下駅。東西線、半蔵門線、新宿線が乗り入れており、アクセスの良さは日本武道館の大きな利点。
また東西線ホームではメロディとして「大きな玉ねぎの下で」が流れる。サンプラザ中野くんさんが直々に申し出たらしい。
駅のエスカレーターの前には日本武道館などの名所があしらわれている壁がある。
日本武道館の周辺には皇居、科学技術館、東京国立近代美術館、靖国神社など見どころが多く、一日中見学して回れる。
最寄から★★★★★
九段下の駅を降りて坂道を
人の流れ追い越してゆけば
黄昏時 雲は赤く焼け落ちて
屋根の上に光る玉ねぎ~
【観戦環境】★★★★☆
建物は法隆寺の夢殿を参考にした独特の八角形をしており、どの席に座っても中央を向くようになっている。
施設全体がコンパクトにまとまっていて、大きすぎず小さすぎずちょうどいいサイズ感。
とはいえ歴史ある建物ゆえ、館内の老朽化も進んでいる。座席は狭く、背もたれも小さく椅子も硬いためずっと座っているとお尻が痛くなる。
この不便さもある意味武道館の味と言えるのかもしれない…。
天井には放送室?のような施設も見える。場内の音楽や照明はここでコントロールしているのだろうか。
秘密基地みたいで楽しそう。
場内も狭く、帰り際は結構混雑する。
ただ、改修もされていてトイレも含めてキレイになっている。オリンピック効果か?
【雰囲気】★★★★☆
開演からメインイベントまでは、タッグマッチなどの形式で大勢の選手が入り乱れての20分一本勝負の試合が行われる。
1対1の試合は20分くらいかかるのに、なんで人数が多くてより体の負担が少なそうなタッグマッチは10分前後で決まるの?とか、そういうことは考えてはいけない。
タッグマッチの方が攻撃が強いからとか、理由はいくらでも付けられるんだよ、うん。
でも個人的には、選手が多いと誰と誰がチームなのかちょっと分かりにくかったりしてちょっとだれた。
全選手の見せ場を作るにはこういう形式にするしかないんだろうけどね…。「プロ」レスなので。
やっぱり分かりやすいのは1対1の男の勝負。
「レインメーカー」オカダカズチカや「制御不能なカリスマ」内藤哲也などスター選手のプロレスは見ごたえがある。
プロレスはもしかしたら、勝敗自体は試合前からある程度決まっているのかもしれない。
でも、目の前で行われる派手な技の応酬、そして場内に響き渡る体の音はリアルだし、そのパフォーマンスには圧倒的な説得力がある。
そうやって客を納得させられる選手じゃないと勝てないようになってるんだろうな、と思った。そういう意味では、立派なスポーツなのかも。
【グルメ】★★★★☆
場内には売店があり、焼きそばやカレーパンなどが売られている。
普通においしい。ちと高いけどね。
日本武道館のすぐ脇には、その名もレストラン武道がある。
こちらが武道館オムライス。上には小さな玉ねぎが乗っており、まさしく「屋根の上に光る玉ねぎ」。遊び心が嬉しい。
デミグラスソースの味もちゃんとしている。ほっと一息できるレストランだ。
【満足度】★★★★☆
初めてのプロレス観戦で、その魅力を十分に堪能することができた。派手な技の応酬は、私のような初心者でも十分に楽しめる。
何より、武道の聖地日本武道館で観戦できたのがいい経験になった。
帰り際、「大きな玉ねぎの下で」の歌が頭の中でリフレインして少し切ない気分になった。
これまでの長い歴史で、演者、観客関わらず日本武道館でいろんな人間ドラマが生まれたんだろうなあ。オリンピックも2回やったわけだし。
また武道館の空気を吸いに行きたいな。
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