スタ辞苑〜全国スタジアム観戦記〜

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鹿児島県立鴨池野球場(平和リース球場)~桜島と野球を楽しむ~

注:本記事は新型コロナウイルス感染拡大の情報を元にしています

【概要】

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鹿児島県立鴨池野球場(平和リース球場)は、1970年開場、鹿児島県鹿児島市にある野球場。

 

すぐ近くには1928年に作られた鴨池市民球場があるが、国体開催に際して球場を拡張するための十分な敷地がなく、新しく立て直す必要があった。

 

そこで1970年、鴨池市民球場から500m離れた場所に作られたのがこの球場である。

基本的に鹿児島で行われるプロ野球公式戦はこちらの球場が使われ、一方の鴨池市民球場は主にアマチュア野球で使用されている。

 

1972年から2007年までは千葉ロッテマリーンズがこの球場で春季キャンプを行っていたが、鹿児島は沖縄に比べ気温が低い、施設自体が使いにくいといった問題もあった。

そこで2008年からはキャンプ地を沖縄県の石垣島に変更。この誘致には石垣市出身の大嶺祐太がロッテに入団したことも大きく影響したと言われている。

 

一方鹿児島では韓国のロッテジャイアンツやネクセンヒーローズなどがキャンプを張るようになり、韓国プロ野球の拠点として使われるようになった。

 

またこの球場には、

・桜島の噴火による火山灰の影響で試合が中止になった

・この球場で初ライブを行ったのは鹿児島出身の長渕剛である

といった、いかにも鹿児島らしいエピソードがある。いいねぇ、鹿児島だねぇ…。

 

今回はそんな鴨池野球場で鹿児島を存分に感じながら、ホークスの試合を観戦することになった。

【アクセス】

最寄まで★★★☆☆

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最寄は鹿児島市電の鴨池停留所。

鹿児島には1番と2番の市電が走っているが、鴨池には1番しか止まらず、鹿児島のターミナルである鹿児島中央駅には2番しか止まらない。

 

よって鹿児島中央から行き来するには、鴨池ではなく隣の郡元停留所まで歩いて2番に乗った方がよい。

 

また隣の騎射場停留所を利用する人も多い(地元の人にはそちらの方が主流らしい)が、このような大規模イベント開催時には大変混雑してしまう。

というかあまりに人で溢れすぎて一度で乗り切っていなかった。

 

そのため、帰りに天文館方面に向かう人はその一つ手前である鴨池から乗ることをオススメする。

オススメというか、絶対に鴨池を使ってください。後悔しますから。

 

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そんな鴨池停留所の欠点は、ホームが細すぎて非常にスリリングであること。

あまりに利用者が増えたらこちらもパンクしてしまうこと間違いなし。

 

最寄から★★★★☆

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鴨池停留所からは徒歩10分ちょっと。

大通りを横断するため騎射場停留所よりは時間がかかるかもしれないが、距離的にはそれほど歩くわけでもないので鴨池で問題ない。

途中にはこの鴨池野球場を作るきっかけとなった鴨池市民球場がある。

 

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このルートのハイライトは、歩道橋から見る球場と桜島だ。

この景色を見るだけでもこの球場に来る価値がある。

 

ちなみに手前側の大通りは、旧鹿児島空港の滑走路の跡地である。ここに空港があったら便利なのに。

 

そんな桜島も楽しんだ南九州旅行の記録はこちら。

sportskansen.hatenablog.jp

 

【観戦環境】★★★☆☆

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試合自体の見やすさはちゃんと確保されている。

傾斜もあり前の人の頭も気にならない。古い球場だがその辺りは配慮が行き届いている。

 

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ただし、ベンチシートでスペースも狭いので1試合をじっと座って見るのは結構大変。

屋根もないので日差しや雨対策も必須だ。

 

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外野席は芝生席でスペースも狭く、応援するのも一苦労。

地方球場で外野スタンドを使うなんて限られた機会しかないだろうから、設備の足りなさはしょうがないところもあるが…。

 

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ビジョンは全面LEDでかなり現代的。

鹿児島市は福岡市、北九州市、熊本市に次ぐ九州第4の都市でもあり、こういうところに多少の経済的な余裕を感じられる。

ビジョンを見ればその土地の経済が分かる…かもしれない。

 

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潮風を受けてか、照明塔はかなり錆びてしまっている。

私は勝手に「たけのこ照明塔」と名付けることにした。

 

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そしてやっぱり地方球場の楽しみと言えば選手との近さ。柳田選手の体がひときわ大きく見える。

 

こうやって改めて見ると、野球選手はガタイの大きい選手から小柄な選手まで様々で面白い。

柳田と並ぶと周東が子供に見えた。…それは言い過ぎかもしれないが。

 

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ただしこの球場の最大の問題は、コンコースがないこと。

チケットをもぎるとすぐさまこの階段を登ることになる。

 

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スタンドの下は完全にデッドスペースになってしまっている。

これにより、球場の回遊性が悪い、トイレまでめちゃくちゃ遠い、といったいろいろな問題が起こってしまう。

昔の球場だからしょうがないんだけどね…。

 

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その代わりに球場周りには広々としたスペースが確保されている。

後方には桜島も見える絶好のロケーションで、イベントの賑わいとのコントラストを楽しむのもまた乙なものだ。

たけのこ照明塔もにょきにょき。

 

【雰囲気】★★★★☆

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この日は満員御礼も出るほどの大盛況。ユニフォームが配られたとあってスタンドはほぼ緑一色に染まった。

方々から鹿児島弁が聞こえてくるのもまた地方ならではの趣があって良い。

 

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三塁側後方には桜島も見え、煙がもくもく上がっている様子もじっくり楽しむことができる。

この球場で試合を見るなら一塁側が断然おすすめだ。

 

ただし声の音量はビジターのライオンズ側の方が大きかった。

こんなとこまでくるファンは大抵筋金入りなので、割とこういうことが起きる。

 

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昨日訪れた宮崎と合わせてユニフォームを2着ゲット。部屋着としても使えそうだ。

 

ついでに鹿児島バージョンの「ちぇすとー!」タオルも購入。

これは江戸時代に薩摩で流行った言葉らしいが、鹿児島出身の川崎宗則がよく使っていたので広く認知されるようになった。

 

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翌日のNHKでも試合の模様が放送された。

地方にプロ野球が来るというのはそれだけ大きなイベントなのである。

 

【グルメ】★★★★☆

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グルメに関しては非常に店舗が多く充実していた。

とはいえどこも混みあっていたので、いろんな店舗を回るのはなかなか難しい。

 

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そんな中やっぱり鹿児島と言えば、という黒豚の焼きそばを購入。

…でも黒豚はどこ…?追加で付けたホルモンの方が目立っているし、おいしかった。

 

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博多でよく食べられているらしい、鳥皮を使った餃子。ジューシーでなかなかおいしかった。

しかし時間が足りず行ってみたいお店を回り切れなかったのが悔しい…。

 

【満足度】★★★★☆

設備的にはいろいろと足りないところもあるが、鹿児島でプロ野球をやるというだけで価値があるし、なにより桜島の絶景とプロ野球を同時に楽しめるのは日本でこの球場だけだ。

 

近くに座っていたおばちゃんたちは年に1回の開催だけでは不満があるようだったので、年に2~3回開催にしてはどうだろうか?

というムチャぶり。

 

索引を作りました!

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