注:本記事は新型コロナウイルス感染拡大後の情報を元にしています
【概要】
ナゴヤドーム(バンテリンドームナゴヤ)は、1997年開場、愛知県名古屋市にある中日ドラゴンズの本拠地。
以前訪れた時の記事はこちら。
落合監督の退任以降、低迷が続く中日ドラゴンズ。
高木監督初年度の2012年に2位になった後はBクラスが続き、Aクラスは2020年に3位に入っただけ。
しかもこの年はコロナの影響でクライマックスシリーズが行われないという不運であった。
それでは観客も減ってしまったのかというと、話はそう簡単でもないらしい。
2023年にはすっかりコロナ前の水準に戻り、プロ野球全体でも未だ5番目の観客動員数を誇っている。
一般的には成績が低迷すると観客は減るというのが定説だが、ドラゴンズに関してはそれはあてはまらないようだ。
果たしてこの現象は喜ばしいこととしてとらえていいのだろうか…?
【アクセス】
最寄まで★★★☆☆
最寄は名古屋市営地下鉄名城線のナゴヤドーム前矢田駅。
名古屋駅からは乗り換え必須で30分かかるため、それほどアクセスはよくない。
また奥に見えるモノレールの駅は、なんとバス専用道路その名もゆとりーとライン。
隣の大曾根まではこれでも行けるが、利用価値は「面白い」以外にはあんまりない。
またJRや名鉄の大曽根駅も20分以上かかるが歩いて行ける。
こちらは名古屋まで乗り換えなしなので十分選択肢に入る。
最寄から★★★★☆
ドームへは一番端っこの1番出口。
そのまま案内に沿って地下通路を進んでいく。
ドラゴンズロードと名付けられたこの通路は、右も左もドラゴンズだらけである。
地上に出るエスカレーターの横にあるのはドラゴンズの大きな看板。
少し道からはそれるが、ドラゴンズ一色のファミリーマートもある。
地上に出ても屋根がついているので安心。吹き込んでくるような雨は避けられないが…。
やがて左側にドームが見えてくるとテンションも上がってくる。
よほどの雨でなければ濡れずに済むのは好ポイント。でも少し距離があるからナゴヤドーム前という駅名は若干ウソ。
【観戦環境】★★★★☆
今回は一番上の5階席にしてみた。めちゃくちゃ高い…。
角度的には東京ドームの上層席と似ている。
よく見ると5階席の下にVIPルーム的なスペースがあったり、スタンドの構造もなんとなく東京ドームっぽい。
VIPスペースがどんな感じになっているのかは気になる。
改修により超巨大になったビジョンは、106メートルあることから106ビジョンと名付けられ、日本でも最大級。
これくらい大きいのは他には東京ドーム、福岡ドームくらいか。野外球場よりドーム球場の方が大きいようだ。
そんなビッグビジョンのスタジアムはこちら。
大きくなったビジョンにはポジション、詳細な成績やプロフィール、そして応援歌の歌詞まで映し出される。
東京ドームや福岡ドームでは端っこの方は普段広告だから、ものすごい贅沢な使い方をしているように思う。
チャンス時にはチャンステーマの歌詞が出て盛り上がる。
でも角度的に外野からは見えにくそうではある。
球場全体像。本当に大きな球場だ。
屋根のデザインも特徴的で面白い。
バックネット裏にも小さなビジョンが設置されている。
5階席ともなると階段も急だし、フェンスも無いので高くて怖い。
高所恐怖症の人にはオススメできない。
一つ下のスタンドのコンコースは一周歩けるようにはなっているが、該当する席のチケットが無いと柵を超えられないようになっている。
でもグラウンドがチラ見えして楽しい。
球場の入り口を入ったところのコンコース。グッズやグルメが販売されている。
コンコースの雰囲気がちょっとレトロな感じで、改修前の福岡ドームっぽい。
またモニターがいろんなところに設置されているので試合中も見逃す心配がなく安心。
球場としては珍しくエスカレーターが設置されている。スタジアムという意味では他に埼玉スタジアムくらいでしか見たことない。
ナゴヤドームはまさに巨大な建造物だということを実感できる。
3階にはドラゴンズワールドという、大人も子供もいろいろ楽しめる場所がある。
強かったあの頃…。
ミスタードラゴンズ立浪和義のユニフォームも。
監督としては…。
星野仙一が割った湯飲みまで展示されている。
もはやドラゴンズ歴史館と言ってよい。
こちらの自販機、私が見たところ場内にこれしかないようだ。
で、何が問題かというと、場内にはビン、カンの他、ペットボトルまで持ち込み禁止なのである。
ペットボトルの飲み物は入り口で捨てるしかないようになっている。
つまり場内で飲み物を飲むには水筒を持ち込むか、場内の売店、自販機で買うしかない。
売店も混んでいて買うのに時間がかかるし、いくらドームとはいえ水分が気軽に補給できないのはなかなかつらい…。
しかも再入場は禁止なのでうっかり入場するわけにもいかない。
名古屋の人はこれでも文句言わないのかなあ…。我慢強い人が多いのかな。
球場内には硬式ボールが置いてあって触ることができる。
今となっては記憶のかなたになってしまった、東京オリンピック金メダル記念のゴールドポストも近くにある。
【雰囲気】★★★★☆
ドデカビジョンを使った演出は迫力満点。
ドデカ立浪監督。
グラウンド整備中にはダンスコンテストが行われる。
以前来た時よりは演出やイベントが現代向けに少しブラッシュアップされているような印象。
劇的に何かが変わっているわけではないが、令和の時代にアジャストしようという雰囲気は伝わる。
もちろんラッキーセブンには燃えよドラゴンズ。
2番の歌詞とか改めて聞くとちょっと物騒なんだよなあ。時代を感じるね。
コンコースには昔懐かしい記念メダル製造機が置いてある。
今どきの新しい球場には絶対ないシロモノだ。今やスマホがあれば十分記念は残せるからね…。
でも親子で買ってる人も見られた。逆にいい記念になるのはある。
コンコースそのものやそこに書かれた文字のフォントも、なんとなく平成を想起させるような雰囲気がある。
地元ドラフトを進めた結果若いファンが増えた印象のあるドラゴンズだが、ドームにはまだまだ平成のレトロ感が漂っている。
個人的には良い感じに新旧のバランスが取れてて結構好き。
【グルメ】★★★★☆
3階に大幸横丁というフードコートがあり、鉄板ナポリタンや回転寿司などなかなかスタジアムでは食べられないグルメがそろっている。
作り置きが多いドーム球場でアツアツのグルメや生ものが食べられるのはなかなか画期的。
難点はフードコートのため食べてるときは試合が見れないこと。
だから試合前に行く必要があるのだが、もちろんみんな同じことを考えるので大変混雑する。
開場直後ダッシュで空いてるうちに来るか、諦めて試合中に食べるかしかない…。
鉄道は駅弁、飛行機は空弁なら、野球は球弁。
ということでナゴヤドームではお弁当が充実している。今回はテレビ番組サンデードラゴンズと味噌カツ矢場とんのコラボ弁当。
味噌カツにエビフライ、肉団子や肉みそなどかなり豪華な内容になっている。
企画弁当なので期間限定だが、矢場とんがついているだけあってかなりクオリティは高い。
ただシャバシャバの味噌をドバっとかけるので、球場の席で食べるのはちょっと難易度が高いかも。
他にもどて煮や手羽先で有名な世界の山ちゃんなどもあり、クセの強い名古屋メシをいろいろ食すことができる。
以前に比べたらだいぶまともにはなってきたんじゃないかと思う。東京ドームよりは好き。
他にも名古屋めしを楽しんだ旅の記録はこちら。
【街との一体感】★★★★★
街中にあるのは大きなドラゴンズのボード。
名古屋の繁華街栄の地下にはドラゴンズの選手だらけ。
グッズショップは栄に一つ、
名古屋駅にもう一つ。
名鉄百貨店にはドラゴンズコーナーが当たり前のように設けられている。
そしてドームに隣接するイオンモールはドラゴンズだらけ。
チケットブースも。
ドアラ神社とかもある。
インフォメーションまで野球仕様に。
名古屋のハチ公こと金時計はドアラが占拠していた。もはやドアラがハチ公なのかもしれない。
この他テレビでは先述のサンドラ、そしてドラHOTプラスと地上波で二つもドラゴンズ番組が放送されている。
なんだかんだ言ってもテレビの影響力はまだまだ絶大、テレビをつければいつでもドラゴンズの試合中継をやっているのは大きいだろう。
一方監督を中心にドラゴンズそのものがネットミーム化してしまったこと、さらにドラフトで地元選手を集めたことで、若い世代の人気もSNSを中心に拡大。
その結果負けども負けどもファンが増えるという珍現象が起きている。
球団はウハウハかもしれないが、強竜落合時代からのファンは複雑な気持ちかもしれないねえ…。
↓ネットミームの一例。
【満足度】★★★★☆
この10年ほどですっかり牙が抜かれてしまった中日ドラゴンズだが、一方で球場は満員御礼。
地元への根付き具合では阪神、広島、福岡あたりと肩を並べるほどだろう。
こうなってしまったらもうこっちのもんである。
名古屋文化の一角を担う存在として、これからも名古屋にあり続けるのだ。たとえ弱くても。
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