注:本記事は新型コロナウイルス感染拡大前の情報を元にしています
【概要】
札幌ドームは、2001年開場、北海道札幌市にある北海道日本ハムファイターズ、および北海道コンサドーレ札幌の本拠地。
今回はファイターズの本拠地として取り上げる。
コンサドーレバージョンを観戦した記録はこちら。
日本で唯一プロ野球とプロサッカークラブが本拠地を共にするスタジアム。当たり前か…。
Wikipediaには「天然芝サッカー場移動方式「ホヴァリングシステム」を世界で初めて採用した」と書いてある。まあ要はサッカーのフィールド出し入れできますよーって事だろう(雑)。
野球開催時は外にあるサッカー場。
なんでこんな野球もサッカーも出来る特殊なドームになったかというと、経緯は以下の通り。
①以前から「ホワイトドーム」という球場の計画があったが、汚職事件により立ち消えに。
②2002年ワールドカップの時、以前からあったホワイトドーム構想とリンクさせたサッカースタジアムを作り立候補する案が浮上。
③サッカーだけでなく野球も出来るドームスタジアムに。サッカーだけだと赤字必至だったかららしい。
つまり、このようなドームになったのはかなりの偶然の産物である。
2001年の開場時にコンサドーレ札幌、3年後の2004年に日本ハムファイターズの誘致に成功、今に至る(その後については後述)。
【アクセス】
最寄まで★★★★☆
最寄は札幌市営地下鉄東豊線、福住駅。札幌駅から一本ではあるが、少々時間がかかる。
関係ないけど札幌の地下鉄は車輪でなくタイヤなのでちょっと気にしてみると面白い。
電車が近付くと「チュンチュンチュンチュン」という独特な音がする。これを聞くと札幌に来た事を実感する。
ファイターズとコンサドーレの二本立て。
また新千歳空港から行く場合は鉄道で行くのはかなり面倒なため、直結のバスで行くのがオススメだが、1時間くらいかかる。そのため渋滞も含めてちょっと時間が読みにくい。
最寄から★★★☆☆
福住駅からは徒歩10分ほど。道中はそれなりにお店は多いものの、そんなに見るようなものもない。
駅を出たところにはヨーカドーがあり、ドーム行く人ホイホイ状態。ドームのご飯がアレなので、ここで食糧を仕入れていく人も多いんだとか。
途中にファイターズグッズショップがある。もちろんドームにもある。
【観戦環境】★★★★☆
ネット上では階段がキツすぎだのファールゾーン広すぎだの散々言われてるが、個人的には言うほどでもないかなーと思っている。
確かに階段はキツいが横浜スタジアムやメットライフドームに慣れてれば言うほどでもないし、ファールゾーンは広いけどフェンスは低めなので結構選手は近く感じる。まあ、思ったより、というレベルだけど…。
角度がきついおかげでどこからでも見やすいし、サッカーと兼用のおかげで外野席もゆったりしたいい席だ。
なにより、当たり前だが天気に左右されないというのは遠征する上で非常に大きい。
テレビで見るイメージよりは見やすい、と私は思う。
なお、サッカー場を引き入れる関係でバックスクリーンは無く、代わりにライトとレフトにそれぞれビジョンが設置されている。そのおかげでスコアと応援歌の歌詞を同時に表示できるという利点も。
ただ、歌詞がファイターズのホーム側であるレフト後方に映し出されるだめ、外野席からはちょっと見づらい。ライトとレフト逆でもいいかな?
コンコースはちょっとシックな雰囲気でかなり好き。
天井に伸びる謎のエスカレーターがある。展望台があるらしいが行き方がよく分からん。
【雰囲気】★★★★★
札幌ドームは小高い丘の上にたっており、外はいかにも北海道らしい景色が広がっている。
日差しがあっても涼しく、風が心地よい。
建物自体もまあまあ年数は経っているが、結構きれい。
全体的に落ち着いた色合いでなかなかオシャレなドームだと思う。
だが特徴的なのはその客層だ。他の球場に比べて女性客が圧倒的に多い。
ポリ袋いっぱいにグッズを詰め、バズーカみたいなカメラで敵味方関係なく選手の写真を撮ってるお姉さん。普通なら男性客が多いはずの外野席で、息子のお弁当の話でもしながら声援を送ってるおばさま達。
ファイターズの選手をアイドルのように推していく戦略が実っているように思う。でももちろん男でも楽しめるよ。
そして北海道道民の気質なのか、球場全体がほんわかした空気に包まれている。いいですなあ。
【グルメ】★★★★☆
札幌ドームのグルメは割と散々叩かれている。
まあ、日本ハム×北海道なんだから、そりゃ期待値も上がっちゃうよね。
ただ、札幌ドーム名物「頑固オヤジのカレー」だけは食べる価値のあるグルメだ。まあ頑固オヤジでなくお姉さんがよそってるんだけど…。
写真ではお手拭きの下に隠れてしまっているが(すみません)、コロッケの他にゴロンとジャガイモが丸ごと一個入っているのだ。まさに北海道を感じられる一品である。
ただ、これ以外に食べるべきものがあるかというと、ちょっと分からない…。
【街との一体感】★★★★★
北海道ではファイターズのニュースがテレビで朝も夕も流れている(ファンにおばさまが多いのは夕方のニュース見てるからか?)。もちろん試合中継もやっている。
ちなみにこの日は北海道のチームが全部勝った。いとめでたし。
もちろん札幌駅前には大きいグッズショップもあるし、
東急ハンズでも水曜どうでしょうと並んでグッズがある(にょういずみさんの目が怖い…)。
新千歳空港にもファイターズ、コンサドーレ、レバンガグッズが並んで売っている。
そんなわけで、かつて巨人ファン一色だった北海道は、球団の涙ぐましい努力によりファイターズ一色の街になりましたとさ。めでたしめでたし。
【満足度】★★★★★
全国のドーム球場が老朽化しているのに対し、比較的新しい札幌ドームはきれいだし、なにより雰囲気が落ち着いていてとても好きだ。
が、皆さんご存知の通り、ファイターズは2023年、北広島に新球場「エスコンフィールドHOKKAIDO」を作り、移転することが決まっている。
新千歳空港でも大々的に宣伝されている(中央参照)。
詳しい経緯は省略するが、端的に言えば「どんなに使用料が高くてもファイターズは払わざるを得ないだろう」と札幌市がタカを括っていた結果だ。
しかし地域密着を進め、地道にファンを増やしてきたファイターズにとっては、もはや使用料がべらぼうに高い札幌ドームにしがみつく必要はなかった。そこに北広島市がアタックをかけてきたというわけだ。
純粋にスポーツファンとしては、またボールパークがひとつ増えるのは楽しみでしかない。きっとグルメも日本ハムが腕をまくっていることだろう。
が、心配なのは札幌ドームである。せっかくお金を稼げるよう野球が出来る設計にしたのに、ファイターズに逃げられてしまっては意味がない。
とはいえ、ここまで話が進んでしまったら今更どうしようもないね…。札幌市にとっては悔やんでも悔やみきれない世紀の大失策になってしまった。
札幌ドームを訪れた時の北海道旅行記を書きました。
索引を作りました!
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