スタ辞苑〜全国スタジアム観戦記〜

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神戸総合運動公園野球場(ほっともっとフィールド神戸)~イチローの愛した球場~

注:本記事は新型コロナウイルス感染拡大前の情報を元にしています

【概要】

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神戸総合運動公園野球場(ほっともっとフィールド神戸)は、1988年開場、兵庫県神戸市にあるオリックスバファローズの準本拠地。

山を切り開いて作っているため、なかなかに自然が豊かだ。この点ではちょっと西武ドームに似ている。

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プロ野球としては開場年の1988年に阪神と阪急でオープン戦を行なったのが始まり。

この年限りで阪急はオリックスへと身売りし、オリックスブレーブスと名前を変え1989年から神戸を準本拠地とする。1991年にはオリックスブルーウェーブとなり、神戸を正式にホームスタジアムとする。

 

ブルーウェーブが日本球界の主役に躍り出るのは、それから3年後の1994年のこと。土井に代わり、近鉄で長年監督を務めていた仰木彬を監督に迎えた。

この年、突如「イチロー」とかいう高卒3年目のドラ4の選手がライトのレギュラーとなる。

誰もが「誰じゃこいつ?」と思ったのも束の間、日本プロ野球初の200安打を遥かに超える210安打、パリーグ記録となる.385を叩き出し、一大センセーショナルを巻き起こす。

 

翌1995年1月17日、神戸の街を大地震が襲う。

神戸での試合開催も危ぶまれる中、神戸市出身の宮内オーナーが「こんなとき神戸を逃げ出して何が市民球団だ。一人も来なくてもいいから、スケジュール通り絶対、神戸でやれ」と主張、「がんばろうKOBE」の元にチーム、そして神戸の街はひとつになった

 

イチロー、田口の鉄壁の外野陣、星野や長谷川、平井などの投手陣を武器に6月から抜け出し首位を独走。そして迎えた9月19日、対西武戦で勝利しパリーグを制覇、神戸の街は歓喜の渦に包まれた。

翌年には2位日ハムとの直接対決でDJが9回2アウトからの同点ホームラン、そしてイチローのサヨナラ打という劇的な形で2連覇、そして日本一を成し遂げた。


⚾【平成8年】オリックス vs 日本ハム【パ・リーグ優勝決定】

 

その後2004年、大阪ドームの項で述べた通り合併の憂き目にあう。

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その際に生まれた東北楽天ゴールデンイーグルスは2013年に優勝、日本一となる。私にはこの時のブルーウェーブと重なって見える。

イチローと田中将大というスター、仰木と星野という名将、そして震災に見舞われた街に勇気と元気を与える優勝…。プロスポーツとは何かという問いに対する、1つの答えなのかもしれない。

【アクセス】

最寄まで★★★☆☆

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最寄は神戸市営地下鉄西神・山手線の総合運動公園駅。

神戸の中心地、三宮駅からは20分くらい。wikiには「中心市街地から離れている」とあり、確かに近いとも言えないが、他にも中心市街からは離れてる球場は珍しくないしこれくらいはよくある。

 

最寄から★★★★★

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駅を出るとすぐ球場が見えるのは西武ドームと似ている。周りに何もない球場の方がかえって駅からのアクセスがいいような気がする。

 

【観戦環境】★★★★★

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「イチローが愛した球場」というだけあり、芝生が本当にキレイ。また角度も絶妙に見やすくとても素晴らしい。

 

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イチローが愛した証拠。◯阪ドームと違ってすごい説得力がある。というか引退後わざわざここで草野球しとるしな。

 

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2階席にもお邪魔してみた。全く問題なく全体がよく見える。とてもよく設計されてる。


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ビジョンも想像してたよりはとても良かった。この辺は適宜改修してるのかな?

 

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コンコースはちょっと狭い。また老朽化が隠せていない部分もある。神戸市とオリックスもっとお金出してくれー!

 

【雰囲気】★★★★★

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この日はあいにくの天気だったが、試合終了直前には少し夕陽も見え非常にキレイだった。

また自然も豊かで空気もおいしい。神戸の港街のイメージ、そしてブルーウェーブという球団名とはかけ離れてはいるが…。

 

なんだかあまりにスタジアムの雰囲気が違うので大阪ドームで見るオリックスとは別のチームに見える。やっぱり合併は強引すぎたんじゃないかなあ…。

 

 

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ブルとベルもおるでよ〜。

 

【グルメ】

この時は雨だったのでグルメは食べそびれてしまった。ぜひ今度晴れてる時に食べてみたい。

sportskansen.hatenablog.jp

大阪ドームグルメとも重複しているので、こちらも参考にしてください。

 

【街との一体感】★★★★☆

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球団は実質神戸から離れてしまったが、三宮駅のすぐ近くという好立地にオリックスのグッズショップがある。

儲かっているのか、赤字でも無理やりオリックスが残しているのか、あるいは神戸市民が懇願しているのかは分からない。

ただ私には、このお店がオリックスブルーウェーブというチームがこの地にあった事を今なお訴えかえているように見える。考えすぎかな。

 

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また、神戸市内には今なお震災の遺構が残されている。神戸という街を知る上で決して忘れてはならない場所だ。

 

この時の神戸観光記はこちら。

sportskansen.hatenablog.jp

 

【満足度】★★★★★

雰囲気は最高だし、試合は見やすいし、野球好きならわざわざ神戸まで訪れるに値するスタジアムだ。

ただやはりところどころ老朽化が目立つ。また近年オリックスの神戸開催ゲームがどんどん減っており、2020年はとうとう一桁になってしまった(コロナの影響で結果的に0になってしまったが)。

合併した事実は取り消せないが、せめて大阪と神戸で半々ずつ試合を行い、またこの球場にもお金を出して欲しいなあ、と勝手に思ってしまうのである。

そしてどんな事情があるにせよ、球団が無くなる事は文化が無くなる事である事を決して忘れてはならない。

 

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