注:本記事は新型コロナウイルス感染拡大後の情報を元にしています
【概要】
舞洲アリーナ(おおきにアリーナ舞洲)は、1993年竣工、大阪府大阪市にある大阪エヴェッサのホームアリーナ。
このアリーナにおいて特徴的なのは、日本で唯一Bリーグチームが専有しているという点である。
他のアリーナは自治体などが所有していて試合のたびに使用料を払って借りるというパターンが多いため、Bリーグのチームが好き勝手に使えるアリーナは極めて珍しい(ただこのアリーナも所有権自体は大阪市にあるらしいが)。
とはいえ、元から大阪エヴェッサのために作られたというわけではない。というか完成した当時はそもそもチームがなかった。
元々、舞洲一帯は夏季オリンピック誘致のために整備が進んでいて、このアリーナもその一環で作られたようだ。
しかし2008年にオリンピック誘致に失敗し計画は頓挫、舞洲にはオリックスバファローズの二軍本拠地球場とこのアリーナが取り残された。
そんなアリーナに目を付けた大阪エヴェッサが2015年にミズノグループから管理権限を買い取り、今に至っている。
実際このアリーナの存在が大阪エヴェッサのB1リーグ参入の大きな後押しになったとのことなので、両者にとってwin-winの関係になったといえる。
そんな大阪エヴェッサは、bjリーグ初年度となる2005年に参入したBリーグの中では比較的歴史のあるチーム。エヴェッサという名前は商売繁盛の神様えびすさま→えべっさんから来ている。
そしてbjリーグの初代王者でもあり、そこから3年連続でリーグ優勝を果たした歴史を持っている。
その後は目立った成績を上げることはできていないが、Bリーグになってからまた少しずつ成績を上げてきている。
かつてはホームタウンを「関西文化圏」全域に指定したり(現在は規定で大阪市のみ)、吉本興業と提携を結んでいたりと、大阪のみならず関西の代表としての活動が目立っているエヴェッサ。
今回はそんな大阪エヴェッサのホームゲームを観戦した。
【アクセス】
最寄まで★★★★☆
最寄はJRゆめ咲線の終点、桜島駅。明治時代からあるかなり歴史のある駅だ。
本数はそれほど多くはないものの、大阪の中心大阪駅から一本で来ることができる。
ちなみにこの一つ手前の駅はユニバーサルシティ駅、あのUSJの最寄り駅だ。
最寄から★★☆☆☆
桜島駅からは写真の通りを渡って反対側に止まっているバスに乗って15分ほど。
近づいてみると、大阪エヴェッサのマスコットまいどくんをはじめとしたキャラクターのラッピングがされていることに気付いた。
ここら一帯では大阪エヴェッサが大阪でも唯一目立つことができる場所なのだろう。
一つマイナスポイントをあげるとすれば、大阪エヴェッサの試合情報のサイトからこの路線バスの時刻表、運賃などの情報を知ることができない点だ。
私もまあ都会だし適当に行けばいいだろうと思っていたのだが、なんと運賃の支払いにICカードが使えずちょっと手間取ってしまった。
今や全国各地のバスでICカードは使えるはずだが、意外と大阪ってICカードの普及が遅れてるんだなあ。
もし行く場合は下のサイトの情報を参考にしてください。
なお、帰りだけ無料のシャトルバスを運行してくれる。
大阪エヴェッサのサイトの書き方が分かりづらく行きも帰りもあるのかと思っていたが、運行されるのは帰りだけのようだ。
なんにしろこれについてはとてもありがたいことだ。ちゃんと書いておいては欲しいのだけど…。
【観戦環境】★★★★☆
アリーナ自体は見やすく、非常に快適に観戦することができる。
ただ一つ問題だったのは、今回自由席にしたのだがなんと開始2時間前の時点で1席も空いていなかったという点である。
立ち見になってしまったこと自体はしょうがないとしても、自由席の半分以上がスクール生、あるいはスポンサーのためのエリアとして確保されており、そもそも座ることすらできないようになっていた。
自由席のチケットも1000円かそこらだしあまり文句も言えないが、せめてチケットの購入時に「このエリアは座ることはできません、当日は多くの来場が予想されるのでお気を付けください」と一言書いておいてほしかった。
そしたらこっちもがんばってもっと早く着いていたのに…。混むなら混むでいいけど、その情報はちゃんと書いておかなくちゃ。
初めて見に来た人がこの状況に直面したら、「あ、このエリアは座れないようになっているのにチケット買った時は書いてなかったぞ、もう見に行くのをやめよう」となってしまう可能性は十分ある。
大阪は商売の街だが、あんまり雑な商売やってたら見切られてしまいますよ。
とはいえ、立ち見でも試合観戦自体にはそれほど困ることはなくどこからでも見やすいのは素晴らしい。4時間立ちっぱなしだったので足が痛くなったが…。
またコート上空には四面ビジョンがあるほか、リボンビジョンもあってアリーナの非日常感の醸成に一役買っている。
入り口からはこちらの階段を上る。エヴェッサのロゴがでかでかと描かれている。
コンコース内。グッズショップなど様々なコーナーが設けられており、エヴェッサが自由に使えている。さすが専有アリーナだ。
また、アリーナの一角には子供が遊べるコーナーが設けられている。近頃のスポーツ観戦にはこういった子供に対する配慮が必須レベルになっている。
【雰囲気】★★★★★
大阪エヴェッサの試合演出は昔から凄いというのは聞いていたのだが、なるほど光と音を巧みに使って試合を盛り上げていく。
もちろん試合演出面でも他では味わえないほどの素晴らしいものがあるのだが、個人的にこのアリーナで一番抜けていると感じたのは…
アリーナMCの煽りである。
さすがお笑いの街大阪と感じたのはこの部分で、とにかく言葉巧みにお客さんを巻き込んで一体感を煽っていく。
お客さんの方もさすが大阪人、とてもノリが良くMCの煽りに乗っかってどんどんハリセンの音が大きくなっていく。
楽しもう、楽しませようという大阪人の心意気を強く感じられ、まさしく「大阪のノリ」を存分に楽しむことができた。
普通に大阪を観光していたらなかなか感じることができない部分であり、こういった人間の素が出るスポーツ観戦という場面でこそ味わえるのだ。
これに関しては本当にこのアリーナに来てよかったと思う部分である。
えべっさんをモチーフにしたチームらしく、ちゃんと神社も設けられている。ただ、この試合は願いもむなしく負けてしまった…。
【グルメ】★★★★☆
グルメはアリーナ外に屋台があり、そこで購入することができる。
もちろん大阪名物のたこ焼きも楽しむことができるのだが、ここに来る直前で食べてしまったので今回は焼きそばを頂くことにした。
太麺でソースがよく絡みとてもおいしかった。大阪は屋台の食べ物がおいしいなあ。
そんな大阪グルメを堪能した大阪旅の記録はこちら。
【街との一体感】★★☆☆☆
舞洲アリーナは大阪エヴェッサが管理しているということもあり、外にはエヴェッサのロゴがずらっと並んでいたり、
大阪エヴェッサ仕様の自販機を見ることが出来たり。
しかし東京同様、大都会特有の悩みとして「ほかのエンタメが多すぎる」という問題を大阪エヴェッサも抱えているように感じた。
すなわち、ほかの娯楽にどうしても押し出されてしまうのである。
とはいえ人口も非常に多いので、大阪市民の1%でもファンがいればすぐアリーナを満員にすることができる。
このあたり、エヴェッサはどのように集客しているのだろうか。
今回の旅ではその辺りまで把握することはできなかったが、自由席のチケット代を非常に安くしているのはその工夫の一環かもしれない。
【満足度】★★★★★
公式サイトにいろいろ情報が足りていないという改良すべき点はあったが、しかしアリーナMCとお客のノリの良さはまさしく大阪といった感じで非常に楽しい体験となった。
そして良くも悪くも、これが大阪らしさなのかなあ、と思ったりもした。
お客さんを楽しませよう、楽しもうというところは全力だけど、サイトの情報不足もノリでなんとかのりきっちゃう、みたいな。
とはいえ、これだけ大阪を感じられるスポットは大阪の中にもなかなかないだろう。
大阪を訪れるときはぜひこのアリーナにも訪れ、大阪という街に存分に身をゆだねてみてほしい。
ただし公式サイトは信用しすぎないように。
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