注:本記事は新型コロナウイルス感染拡大後の情報を元にしています
今回は大阪エヴェッサの試合観戦のためにおおきにアリーナ舞洲および住之江競艇場を訪れた時の遠征記を紹介します。
試合観戦の模様はこちらをどうぞ!
粉もんの本場大阪のたこ焼き、お好み焼きを堪能しながら、大阪独特の文化にも触れ「ただの大都市ではない」大阪の世界観の一端を垣間見ることができました。
大変興味深い旅となりました。
簡単な旅程は下記のとおりです。
それではごゆっくりどうぞ!
1日目・大阪で試合観戦+大阪グルメ
東海道新幹線でGO WEST。
この日は前日に降った記録的な大雪の影響で新幹線の運行も心配されましたが大丈夫でした。しかし岐阜から滋賀にかけてものすごい積もっていました。
そして西日本の玄関口、新大阪。
新大阪から淀川を越え、大阪駅へ。
とはいえ、なんとやることを何にも決めていませんでした。
とりあえずお腹が減ったので、新梅田食堂街の入り口で行列ができていたたこ焼き屋さんへ。
この新梅田食堂街はJRのガード下にあるのですが、1950年の国鉄退職者の救済措置として作られた歴史があります。
ここにあるマクドナルドは3年連続売上日本一を記録するなど、古さはありながらもまだまだ活気のある食堂街です。
梅田界隈でサクッと大阪の味を楽しみたいなら、ここに来れば問題ありません。
そしてもちろん、たこ焼きはめちゃ美味かったです。ここの「はなだこ」というお店はネットでの評価もすごい高かったですし、適当に行った割にいい店を見つけられたようです。
ついでに、なぜ大阪でたこ焼きなどの粉もんが有名なのかについて。
諸説はあるようですが、一説には第二次大戦後日本に米が不足し小麦粉が代替品として使われる中で、大阪では小麦粉を使って安価に洋食を作ろう、という風潮が広まったのがきっかけだそうです。
その中でお好み焼きが生まれ、進化し、いろいろな料理ができて今に至っているのです。
すなわち、この粉もんと言われる文化は比較的新しいもので、言葉自体も1980年代に生まれたのだそうです。
とはいえ、今では大阪グルメと言えばいの一番に上がってくるのが粉もんでしょう。30年余りのうちに大阪を代表する食べ物になりました。
目の前にあるのにたどり着けない、でおなじみのヨドバシカメラ梅田店。大都市はこれだから困る。
橋がかかってだいぶマシになったみたいです。
てくてく歩いて、梅田スカイビルの地下街に来ました。しかし時間があるので、ビルを少し登ってみることにします。
こちらが梅田スカイビル。見るからにめちゃくちゃなデザインしてます…。
梅田スカイビルは1993年にできたビルで、京都駅ビルや札幌ドームなどを設計した原広司さんの作品らしい。個人的には3つともかなり好きな建物ですね。
その奇抜な見た目が海外でもウケていて、イギリスの雑誌ではパルテノン神殿、コロッセオなどと並んで紹介されたこともあります。
その特徴と言えば、やっぱり二棟の建物にまたがる展望台でしょう。このように、空中にエスカレーターが渡されているのです。
私は特に高所恐怖症の自覚はありませんが、このエスカレーターに乗るときはさすがに足が震えました。
実際、展望台自体も二棟のビルからワイヤーで引き上げてここまで持ってきたのだそうです。
高所恐怖症の自覚がある人は、ここに来るエレベーターすら乗らない方がよいでしょう。なんせガラス張りで外が丸見えなのです。
展望台はこのエスカレーターからさらに上にあるのですが、なんとその手前までは無料で来ることができます。
タダでちょっとした恐怖体験ができてしまうのです。
とはいえ、景色の良さは間違いありません。こちらは再開発中の梅田周辺。
以前にも記事で書いたと思いますが、JR大阪駅と私鉄の梅田駅というのはほとんど同じ場所を指します。
梅田の地名の由来は「埋立地」から来ているという説がありますが、なるほどこうしてみると埋立地感があります。
こちらは本日向かう舞洲方面。大阪オリンピックが実現していたら舞洲が会場の一つとなるところでした。
時間になったので、先ほどの梅田スカイビルの地下にあるお好み屋さんで一枚頂きました。
ここにいる店主のおっちゃんがお客を回すのがまあうまいことうまいこと。店内は狭いとはいえ、ほとんど全員のお客さんと最低一言ずつは会話を交わしているようでした。
カウンター席で食べている私は目立つのか「どっから来たん?」「観光?」などなどいろいろ話しかけてくれ、楽しく会話させてもらいました。
中でも、「これからバスケ見に行こうと思って」という私に対し、「最近八村ケガしたもんなあ、大変やなあ」という返答がすぐさま返ってきたのにはびっくりしました。
きっとテレビや新聞で話のネタをたくさん拾ってるんでしょうね。
もちろん仕事のためというのはあるでしょうが、根底には大阪人の「人を楽しませたい」という気持ちがあるんだろうなと感じました。
そういった大阪文化の一端に触れ、楽しい気分になって私はお店を後にしました。
「おおきに!」と言おうかと思いましたが、恥ずかしかったのでやめました。そんな私は関東人。
また大阪駅に戻ってきました。ここではスケートリンクもオープンしているようでした。
都会には何でもあるんだなあ。
目の前を通りかかったので、梅田ミックスジュースを飲みました。冬でも見かけると飲みたくなります。
この近くには名物のイカ焼きもあるのですが、それはそれはとんでもない行列だったので諦めました。そこまで並んでも食べたいのか、イカ焼き…。
梅田から少し南下します。大阪と言えば道頓堀のイメージが強いですが、梅田から中之島にかけての大都市感も一種独特のものがあります。
ここは北新地と呼ばれるエリアで、東京で言えば銀座のような高級料理店が並ぶ場所です。
とはいえ銀座に比べるとゴミゴミしているような気がします。別に銀座もそんなに歩いたことはないのですが…。
もう少し南に行くと、中之島と言われる場所につきます。江戸時代ごろから大阪のビジネスの中心地とされていて、歴史的にも重要な建物が点在しています。
大阪市役所もここにあります。入り口の大阪という文字のハデっぷりがいかにも大阪です。
東京都庁では絶対無理でしょう。
ホテルに入る前に、梅田にあるスーパー「いかり」でお酒とコロッケを買ってきました。
いかりは尼崎に本社があるスーパーで、関西を代表する高級スーパーとして知られています。とはいえ、コロッケは常識的なお値段ですね。
横にあるのは先ほどの新梅田食堂街で売っていた御座候、そしてあんぱん。
御座候はいわゆる今川焼というか、大判焼というか、回転焼というか、それです。大阪では回転焼と呼ぶらしい。
関東の私はやっぱり今川焼がしっくりきますかねえ。一部おやきと呼ぶ地域もあるみたいですが、長野のおやきとごっちゃになりそう。
またあんぱんは、私が初めてスポーツ観戦のために甲子園に行ったときに買った思い出の味。
あの時が2016年とかなので、今まで残ってるってことはやっぱり人気があるお店なんですね。
実際御座候もあんぱんも行列ができていたので、地元の人にも人気があるようです。
そして舞洲に向かい、お好み焼き屋のおっちゃんとの約束通りバスケを見て盛り上がってきました。
お店出る時に応援頑張ってな、って逆に応援されてしまったもんで。大阪エヴェッサ負けたんやけどな。
夜の梅田はライトアップがキレイ。
2日目・大阪グルメ
ホテルで朝食バイキング。料理を入れる時は両手に手袋をはめるなど厳重にコロナ対策がされていて安心。
おかげでだいぶ久しぶりのバイキングを楽しみました。とはいえ、大阪グルメは健康的でないものが多いのでなるべく健康志向のメニュー。
でも美味しかったですね。
朝もまた梅田散歩。実はここ、東京の日本橋から続く国道1号の終点なのです。
左側の歩道橋までが国道1号で、右から国道2号線が始まります。日本橋の始まる感に比べると、特に何もないですね。
今日は朝からボートレースの聖地と呼ばれる住之江競艇場に来ました。
売り上げが日本一で、日本最大のレースであるグランプリも住之江でほとんど行われています。
地下鉄に乗って、新世界へ向かいます。道中、激安スーパーとして知られるスーパー玉出に来ました。
昨日のいかりとはえらい違いだ。
この写真があれば説明は不要でしょう。すぐお腹を壊しそうです。
そこから少し歩くと、日本三大ドヤ街として有名な西成に着きます。
ドヤというのは宿をひっくり返した言葉とされていて、日雇いで日々食いつなぐ人が多く暮らしている街です。
その中でもここ西成は日本屈指に治安が悪いとされている場所でしたが、ここ最近ではアクセスが良くて安く泊まれる街として外国人のバックパッカーに人気があるようです。
治安が悪いと言っても海外に比べればマシでしょうからね…。
治安が良くなったと言っても、やっぱりどことなく鬱屈とした空気が流れています。これらの写真からでも十分に伝わるのではないでしょうか。
どこからともなくアルコールのにおいが漂い、コロナなどどこ吹く風でマスクもせず大声で話す人が目立ちます。冬だというのに、空気もずっとジメジメしていました。
やっぱり、ここは普通の場所ではないことを実感させられます。
ここの通りの終わりにホルモンで有名なやまきがあります。この日も多くの人で混みあっていました。
また、このお隣には遊郭として有名な飛田新地があります。
建前上は「料亭」で、仲居さんと「自由恋愛」をする、ということになっているのですが、出てくる料理は大体「お菓子」だけだそうです。
1万円以上もする「柿ピー」を求めて、多くの男性が吸い込まれていくのです。
撮影は厳禁なのですが、実際ものすごい雰囲気をまとっていて、まさしく千と千尋の神隠しはここをモデルにしてるんだろうな、と思わされます。
そこからあびこ筋を挟んで反対側にわたると、いわゆる新世界のジャンジャン横丁があります。
こちらは串カツのお店が多く並んでいて、観光客も多くきわめて健全な大阪旅行を楽しむことができます。
しかし個人的には、西成の異世界感の方が興味をそそられましたね。とはいえ普通の人はこっちの方が楽しいでしょう。
まともな大阪感。こっちも楽しいんですけどね、もちろん。
更に少し歩くと、東の秋葉原と並ぶ電気街、日本橋(にっぽんばし)に着きます。にほんばしではないので注意。
表の通りはこのように電気街ですが、一本裏に入ると「オタロード」と呼ばれるオタクの集まる通りがあります。
10メートルにひとりくらいメイド喫茶の呼び込みのお姉さんがいて、凄いことになっていました。
これはまさしく「現代版遊郭」だな、と思ってしまいました。飛田新地も現代なんですけど。
更に歩くと、吉本新喜劇で有名なNGKことなんばグランド花月に着きます。お笑いも見てみたいのですが、今回はここでおやつを頂きます。
それがこちらの肉吸い。いわゆる肉うどんのうどん抜きといった感じで、おだしをたっぷり吸ったお肉が実にうまい。
もともと吉本新喜劇の俳優が軽く食事をしたいがために肉うどんの肉抜きを頼んだのが発祥なので、NGKで食べるのはまさに王道と言えるでしょう。
とはいえ個人的には、やっぱりうどんがあった方が食べ応えがあって好きかなあと思いました。味はもちろんおいしいですけどね。
なんばのアーケード。西成から新世界、日本橋を通ってここに来ると、なんだか異世界からワープしてきたような気分になります。
あんまり人が多い場所は好きではありませんが、今回ばかりはほっとした気分になりました。
なんばの中心を見学して、今回の旅は終わりです。
JR難波駅は地下にあります。
難波から新大阪に行く場合は地下鉄御堂筋線の方が圧倒的に便利ですが、新幹線で帰る場合大阪市内のどこから乗っても料金が同じなので難波から帰る場合はここから乗るのが便利です。
とはいえ、この駅を使う人はそれほど多くはありません。
大阪駅はコンコース内もかなり特徴的な構造をしています。
大阪の建物は本当にビジュアル的に面白いですね。こういうとこにも面白いもんが好きな大阪人の性格が反映されているようです。
帰りの新幹線ではN700Sでした。全席にコンセントがついていて快適快適。
お土産は551の豚まんとりくろーおじさんのチーズケーキ。
どちらも新大阪駅の構内で売っていて、個人的に2大大阪土産と思っています。
どっちも安くておいしい、間違いのないお土産です。
夕飯は横浜家系ラーメン。いろいろ旅行した挙句、やっぱり地元の名物である家系ラーメンをすするとほっとするんですよね。
まとめ
おいしい大阪のグルメはもちろんですが、今回の旅では大阪という地に生きる人の人間性を垣間見ることができました。
お好み焼き屋のおっちゃん、梅田スカイビルやJR大阪駅などの面白い建物、西成や飛田新地、そして日本橋といった極めてディープな世界…。
そのどれもが、大阪という地の「おもろいもんが好き」という特性を表しているんじゃないかな、と感じました。
もちろん住まないと分からないでしょうが、今回の1泊2日という短い中でも大阪という地のことをちょっとは理解できたのではないかと思います。
こうなってくると、ますます大阪という地に興味がわいてきますね!
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