注:本記事は新型コロナウイルス感染拡大後の情報を元にしています
【概要】
大田区総合体育館は、2012年竣工、東京都大田区にあるアースフレンズ東京Zのホームアリーナ。
施設自体は以前Vリーグの試合観戦でも訪れているので、そちらの記事もご参照ください。
今回観戦したアースフレンズ東京Zは、2014年に創設されたプロバスケチーム。
アースフレンズというチーム名には、バスケットを通じてグローバルなコミュニティを作りたいという願い、Zには究極のチームという意味合いが込められている。
将来はオリンピックに出場する選手を育て、金メダルを獲得することを目標にしているということで、非常に大きな夢を持つチームなのだ。
チームのきっかけは、平山譲さんのノンフィクション小説「ファイブ」を呼んだ山野勝行氏が感銘を受け、バスケットボールファンになったことに始まる。
証券会社や不動産業に就いていた山野氏が一念発起し、0から作り上げていったのがこのアースフレンズというチームである。
とはいえ年に200回もの地域イベント、学校訪問を行っているということで、夢は大きくとも地道な活動を続けている。
そんなわけで夢はでっかく!というビジョンは大きなチームなのだが、残念ながらなかなか成績が伴っていかない。
B2リーグに参入した初年度は27勝33敗とほぼ5割の成績を保っていたものの、それ以降は毎年ずるずると成績が落ちてしまう。
2020‐21シーズンにはとうとう13勝46敗でリーグ下から2番目の成績となってしまった。
コロナの影響もあってB3リーグへの降格は免れたものの、このままでは金メダルどころかB2リーグ残留も怪しくなっている。
何か浮上のきっかけをつかみたいところだが、果たして天から蜘蛛の糸は垂れてくるだろうか…?
【アクセス】
最寄まで★★★★★
最寄は京浜急行の京急蒲田駅。羽田空港や品川からも非常に近く、アクセスは良好。
JR蒲田駅も名前は似ているが、少し離れている。
最寄から★★★★☆
京急蒲田駅からは徒歩7~8分ほど。大通りをまっすぐ行けばよく、案内も出ているのでわかりやすい。
【観戦環境】★★★★☆
二階席のほぼ最前列に近いところからの観戦となったが、試合自体は非常に見やすい。
選手との距離も近く、迫力を十分に感じることができる。
入り口付近から見た全景。入り口は地上にあって、そこから地下に掘るようにアリーナが作られている。
収容人数はそれほど多くはないが、天井が高く広々とした空間になっている。
この上の部分が入り口で、グッズやグルメなどが売られている。その分少しスペースが削られ、ちょっと動きにくい。
こちらがコンコースの様子。お店を見ている人がいると少し通りにくい。
向かって左側。アースフレンズ東京Zの大きな幕が掲げられている。
このアリーナで大きな問題があるとすればこの座席である。何せ見た目通り硬いのだ。
腰痛もちの人はクッションが必須だろう。
また飲み物を置ける穴があるのだが、これもなかなか使いづらい…。
座席の裏にはトイレに向かうコンコースがあるのだが、これもまた狭くてすれ違うのも大変だ。
一つ悲しく思ったのは、天井近くに四面ビジョンが使われないまま吊り下げられていたこと。
お金がないのか何なのか分からないが、せっかくある設備を活用できていないのは非常にもったいない…。今のBリーグには欲しくても設置できないアリーナもあるだろうに。
これが活用できる頃にはアースフレンズ東京Zの成績も上向いているだろう。
もう一つビックリしたのが、24秒を示す時計(24秒以内にシュートを打たないと反則)がゴールのはるか後ろに設置されていたこと。
普通はゴールの真上にあるこの時計だが、これも設備が足りないためにここに設置されているのだろうか。いろいろ苦労が多いんだなあ…。
【雰囲気】★★★★☆
光や音を使った演出はさすがBリーグならでは。アリーナにはMCの他DJもいて、会場を様々に盛り上げる。
印象的だったのは、相手チームが入場してくるときに「ものすご~くゆるいダースベイダーのテーマ」を流したり、ディフェンスコールに思わず笑っちゃうような変なSEを入れるなどして相手チームの戦意をそぐような演出がなされていたこと。
私もそれなりにはBリーグの試合を見てきたつもりだが、ここまであからさまにホームアドバンテージを作ろうとする演出は初めて見た。
人によっては賛否もあるとは思うけど、ギリギリジョークで済む範囲…かな(笑)
もう一つ大きな特徴は、応援にメガホンやタオル、そしてZポーズを取り入れるなどかなり応援の敷居が高いこと。全体的に難易度が高いのだ。
しかし割と会場が全体的に応援にノっていて、コアなファンが多いように思えた。
なかなかに苦しい成績を残しているアースフレンズ東京Zだが、ちゃんとファンはついているのは安心しました。
ちなみにこの日は、来場者全員にユニフォームが配られるというイベントも行われた。
なかなか素材もよくちゃんと作られていて、2200円でユニフォームがついて試合を見られるのだから満足度はかなり高かった。
【グルメ】★★★☆☆
会場外には、写真のようにキッチンカーがいくつか並んでいる。基本的にはここで買うのがオススメだ。
こちらがキッチンカーで購入したハンバーガー。お肉たっぷり、食べごたえ十分で満足。
一方、アリーナの中で購入したこちらは…。
まず値札がついておらずこれはいくらですか?と聞くと、「すみません、値段書いていませんでした?」との答え。
おいおい、値段書き忘れって商売っ気なさすぎだろ…とその時点でかなり嫌な予感がしたのだが、実際食べてみるとお味もなかなかにアレで…。
これ以来、基本的にはグルメは信頼と安心のキッチンカーで購入することを決意した。
【街との一体感】★☆☆☆☆
以前蒲田を訪れた時、商店街にアースフレンズ東京Zの旗が並んでいてかなり頑張っているな、と感じた記憶があるのだが、今回改めていってみるとそのようなものは一つも見られなかった。
多分コロナもあってお金も無くなっちゃったんだろうな…と思うと非常に寂しくなった。
アースフレンズという非常に大きな名前を冠したチームだが、アースどころか蒲田の中でも生き残るのは大変なようだ。
まずは苦境を乗り越えてほしいが…。
【満足度】★★★★☆
試合も見やすくアクセスも良く、演出も面白くておまけにユニフォームまでいただき大変楽しかったのだが、その中でも随所に厳しい状況が見え隠れし寂しい気持ちにもなってしまった。
もちろんスポーツ業界全体がコロナの影響をもろに受けているだろうが、こと小さいチームになるとその影響がより大きくなってしまうのかもしれない。
東京にはお金持ちのチームがひしめく中、アースフレンズ東京Zが蒲田という土地でしぶとく生き残っていくことを願いたい。
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