注:本記事は新型コロナウイルス感染拡大後の情報を元にしています
【概要】
盛岡南公園球技場(いわぎんスタジアム)は、1998年開場、岩手県盛岡市にあるいわてグルージャ盛岡のホームスタジアム。
元々は1999年のインターハイ誘致に合わせて作られたスタジアム。
2003年には、Jリーグを目指して創設されたグルージャ盛岡のホームスタジアムとなった。
グルージャは2005年に東北1部リーグに昇格すると、2013年まで毎年優勝か2位に入り、東北においては断トツで強いクラブとなっていた。
2013年には地域リーグの決勝大会で初優勝し、翌年から新しく開幕するJ3リーグへの参加が認められた。
更に2021年にはJ3で2位に入り、クラブ初のJ2昇格を果たすなどサッカー面では順風満帆と言える成績を残している。
一方、スタジアムについてはJリーグの基準を満たしておらず、課題が残っている。
照明設備についてはなんとか急ピッチで整備したものの、収容人数については全く足りていない。
クラブ自体は立派に成績を収めているものの、まだまだ施設がそれに追いついていない、というのが実情だ。
今後は盛岡駅周辺に新スタジアムを作る構想もあるが、現状では全くの白紙段階。
2029年に間に合わないとJ2ライセンスが取得できない可能性もあるため早急の対策が必要となるが、はてさてどうなることやら…。
さて、いわてグルージャ盛岡にはほかのクラブにはない強みが二つある。
一つは、2019年に筆頭株主になったNOVAホールディングス。上記の照明塔もNOVAがふるさと納税を活用したもので、大企業の資金力は今後も強力な武器となるはずだ。
もう一つは、マスコットのキヅール。その魅力は、姿かたちを見れば一発で分かる。
キヅールについてはあまりの魅力に記事を一本書いてしまったのでそちらもどうぞ。
というわけで、今回はキヅールに会いに盛岡に行ってきた。
【アクセス】
最寄まで★★★☆☆
最寄はJR岩手飯岡駅。
盛岡駅から10分ほど、本数も20分に1本ほどあり地方としてはかなり便利。
また電車より少し値段は高いが盛岡駅からスタジアムまでの直行バスもあり、アクセスはかなり恵まれている。
最寄から★★★☆☆
岩手飯岡駅からは徒歩20分弱。駅を出ると大きな看板がお出迎え。
駅から伸びる道をひたすらまっすぐ。
そうするとスタジアムが見えてくる。
ただし、入り口はここから反対側なのでちょっと面倒。バスならスタジアムの目の前に着くので、そういう意味では盛岡からバスの方が便利。
Suicaも使用可能。
【観戦環境】★★★★☆
球技場だけあり、試合はとても見やすい。ただ、もしかしたら手すりが邪魔で見えにくい席があるかも。
もちろん選手が近くに来た時の臨場感はバツグン。
ホームグルージャ側のゴール裏。かなりキチキチで、Jリーグでもトップクラスに狭そう。
J2リーグ戦を開催するにはなかなか無理がある感じ…。
アウェイ側のゴール裏も同じ状況。
このスタジアム唯一の座席があるメインスタンド。とはいえ、屋根もほとんどなく席もベンチで環境としてはそれほど良くはない。
おかげで、雨が降るとずぶぬれになる。
雨ニモマケズ 風ニモマケズ …にもほどがある(宮沢賢治は岩手出身)。
また大型ビジョンもなく、サッカー用のスコアボードがあるくらい。
全体的に設備としては物足りない感じはある。
写真では分かりづらいが、時折スタジアムの後ろを東北新幹線が駆け抜けていく。
新幹線を見ながらサッカー観戦できるなんてなかなかないロケーションだ。これが本当の銀河鉄道ってか。
またこのスタジアムには面白い特徴があって、それがこちら。
メインスタンドを挟んで反対側にもピッチがあるのである。
だから、やろうと思えば1スタジアムで2試合できる。
とはいえJリーグではそんなことをする意味がないので、やっぱりJリーグ向きのスタジアムではなさそう。
こちらも設備としては反対側のピッチとほとんど変わりはない。
面白いのが、スタンドに入るときに使ってない側のピッチの横を通っていくこと。ピッチをこんな近くで見られるのはある意味貴重。
フェンスを挟んだ反対側ではグッズなどを売っている。
スタンドのコンコースは地方球場のような雰囲気。
反対側には入れないようシャッターが閉まっている。
ちょっとした問題としては、シンプルな構造のスタジアムな割に導線がかなり複雑になっていること。
先ほどのスタンドに行く際にピッチの横を通る必要があるというのもそうだが、グッズやグルメを買うとなった時にも場合によってはかなり歩かされる。
設備面ではいろいろと問題も見られる。
【雰囲気】★★★★☆
ゴール裏スタンドが狭いので人数こそ少ないものの、サポーターは頑張って応援している。
サポーターはどんなに過酷な状況でも選手とともに戦う生き物である。
ビジョンはないものの、チアがいて華やかな雰囲気を作る。
またLEDの照明がチカチカ点灯して、少しでも試合を盛り上げようという努力を感じる。最近は照明演出をするスタジアムも増えてきた。
ビジョンがない代わりに、スタメン発表は顔写真入りのボードを使って行う。こういった創意工夫は随所にみられる。
いよいよ選手入場。
選手から少し距離を置いてしれっと立っているのが…
コイツである。
ファンと触れ合うキヅール。
手こそ使えないもののペコペコお辞儀をして返事をする。
PK対決に挑むキヅール。
でもどう考えても勝てるわけがなかった。
折り鶴神社としてとうとう祀られてしまったようだ。
イベントに参加するキヅール。
キヅール効果かどうかは分からないが、かなり若いお客さんが多かったのが印象的だった。高齢化が進むJリーグにおいては異例だ。
キヅールさまさま。
【グルメ】★★★★☆
グルメはスタジアム前の広場で一通り売られている。
盛岡三大麺の一つ、じゃじゃ麺。もちもちの麺と肉みそが良く絡んでうまい。
生姜もいいアクセントになっている。
岩手のお肉を使った豚串、300円。塩もよくきいててなかなかおいしい。
しかし、海の幸も畜産も盛んな岩手だけに、もっといろんなグルメが出せるんじゃないかな、と思う。今後に期待。
そもそも、岩手は美味しいものがいっぱいあるのになんか売り出し方があんまりうまくないなあ、とちょっと思ってはいる。サッカー関係ないけど。
そんな岩手の旅行記はこちら。
【街との一体感】★★★★☆
駅を降りるとまずキヅールが目に入る。
市内一の大通りにもバナーがずらっと並んでいる。
ところどころのぼりもたっている。
盛岡駅駅ビルのフェザンにも垂れ幕が下がっている。
盛岡とスタジアムを結ぶバスもグルージャのラッピングが施されている。
やはりJ2まで昇格した勢いは凄い。この勢いで新スタジアムまでこぎつけたい。
【満足度】★★★★☆
設備やグルメはまだまだこれからかな、という感じだが、試合を盛り上げたいという工夫は随所にみられるし、一気にJ2まで昇格してきた勢いも本物だ。
何より、若いお客さんが多いのは大きな強み。
このままキヅールとともに盛岡からJリーグに旋風を巻き起こしてほしい。
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