注:本記事は新型コロナウイルス感染拡大後の情報を元にしています
【概要】
阪神甲子園球場は、1924年開場、兵庫県西宮市にある阪神タイガースの本拠地。
甲子園については以前も高校野球と阪神タイガースの試合観戦で訪れており、その模様はこちらの記事で。
また阪神甲子園球場の歴史については別個で記事を書いたのでそちらをどうぞ。
2023年阪神タイガース日本一を記念して記事を書きました!
今回の記事では甲子園のグルメなど以前抑えきれていなかった部分も含め、改めて甲子園という日本一の球場をじっくり味わっていきたいと思う。
甲子園は変わらない部分あり、変わっていく部分もあり、何度訪れても毎度新しい発見がある非常に奥の深い球場なのだ。
ただ古くて歴史があるというだけではなく、そこに人の手が適宜加わることで文化として定着し昇華していく。
そのバランスの良さが甲子園がずっと愛される球場たるゆえんなのだろう。
ただ歴史があるというだけでは古くなって汚くなるし、どんどん人も離れていってしまうのでね。
そんなこんなで99年の歴史を積み重ねてきた甲子園。
いよいよ2024年は開場100年を迎える節目となる。
【アクセス】
最寄まで★★★★★
最寄は阪神電鉄甲子園駅。
全列車が停車し、梅田、難波、そして三宮方面に行ける抜群のアクセスの良さを誇る。
なおJRにも名前の似た甲子園口という駅があるが、こちらは球場からかなり遠いため基本的にオススメされない。
駅のホームからも球場がチラ見できる。
最寄から★★★★★
先述の通りホームから見えるほどなので球場までの行きやすさも抜群。改札を出たらただまっすぐ歩けばよい。
それでも4万人以上集まる甲子園なので、帰りはとても混雑する。
改札からそのまま行くと高速道路の下に球場のゲートが見えてくる。
高速の下は道路になっており、それなりに車が通るので意外と危険。
もちろん混雑時は交通規制もかかるが、気を付けて渡ろう。
【観戦環境】★★★★☆
日本最大級の球場であるが、どの席からも見やすくなっている。
ただ今回座ったアルプススタンドあたりは、グラウンドに対して座席の角度がちょっとずれている気もする。
建設時にはそこまで考慮されてなかったのかもしれないが…。
甲子園のシンボルともいえる屋根は、通称「銀傘」と呼ばれている。
高校野球の季節は銀傘のおかげで、日差しによる体へのダメージをある程度抑えられる。
とはいえ内野席全てを覆うほどの大きさではないので、半分より前の席では日差しや雨風をもろに受けることになる。
そもそも座席全てを覆う屋根がある球場はドーム以外ではほとんどないが…(雨が降ったら中止になるし)。
球場全景。スタンド全体が本当に大きく、ベーブルースがびっくりしたのもうなずける。
アルプススタンドの座席はシンプルではあるが、荷物を置くスペースもあり見た目よりは狭く感じない。
しかし改めて見ると外野フェンスはかなり独特な形状をしているなあ。
アルプススタンドと外野スタンド。
一説には、アルプススタンドの名称は人気マンガ家であった岡本一平の息子がスタンドを見て「アルプスのようだ」とつぶやいたのが由来という話がある。
ちなみに岡本一平の息子とは、かの芸術家岡本太郎である。
一方外野スタンドにも一時期「ヒマラヤスタンド」という名前を付けようとしたが、定着しなかった。
まあなんか字面がダサいし…。
アルプススタンドと外野スタンドの間には隙間があり行き来することはできない。
この構造は神宮球場になんだか似ている。
スコアボードは全面LEDではあるが、スコア表示時には手書き時代のデザインを踏襲している(この日はこどもの日仕様)。
なおリプレイ検証時はなぜかエヴァンゲリオン風の演出になる。
タイガース攻撃時は応援歌の歌詞が表示される。初心者も安心。
そもそもタイガースの応援はメガホンを叩いていれば何とかなるが。
バックスクリーンの裏はこんな感じ。
アルプススタンドと内野スタンドは外からは行き来できないようになっている。中を通る分には問題ない。
座席にも背もたれの有無などそれなりに違いがある。
2階のコンコース。グルメやグッズショップなど充実。
3階コンコースは選手グルメが豊富だがかなり狭い。雨天時は大変なことになりそう。
コンコースには硬式ボールがありその危険性を伝える。この即物的な感じはなんだか関西っぽい感じもする。
知らんけど。
【雰囲気】★★★★★
試合の前から何度も何度もバージョンの違う六甲おろしが流れ、そのたびに球場から大きな手拍子が巻き起こる。
六甲おろしは関西の国歌と言われるほど浸透しており、ましてやこの球場に来るものに六甲おろしを知らぬ者はいない。
下手な演出をしなくても六甲おろしを流しておけば阪神ファンは喜ぶのだ。
試合前には元祖代打の神様川藤幸三氏が登場。
典型的な浪速のおっちゃんというイメージだが、福井県出身らしい。
照明はLEDに置き換わったようで、三振を取ると「K」になったりラッキーセブンになると「7」に光ったりする。
古い球場だが、古臭い球場ではない。
時間の移り変わりとともに甲子園はさまざまな顔を見せる。
やっぱり甲子園は最高だ。
360度ぐるっと取り囲む阪神ファンの雰囲気もまた甲子園のだいご味。
4万人の大歓声、4万人のため息、4万人のヤジを楽しめる。
この空気感どこかで感じたことがあると思ったら、中央競馬の競馬場と非常によく似ている。
この大人数が一斉に同じ感情になるのは甲子園か競馬場くらいだ。
また方々から聞こえてくる会話もまさしく関西人という感じでいろいろ面白い。
自分の言いたいことはしっかり言いつつ、笑いも交えて空気を悪くしないようにもできる。
この環境にいたらそらコミュ力も鍛えられますわ。
リリーフカーは1964年甲子園で導入されたのが始まり。試合時間短縮のためというのがせっかちな関西人らしい。
ちなみに戻るときはバックで戻っていった。迅速な試合運営のためには意外と運転技術が必要。
甲子園名物のツタは2009年に張り替えられた。
完成には30年ほどかかるらしい。
球場周りには甲子園マンホールもある。
甲子園は2024年に100周年を迎える。伝統と進化を併せ持つ唯一無二の球場だ。
球場周りには歴史を感じさせるモニュメントやレリーフも並んでいる。
球場周りは結構道路も多い。
とはいえ球場がデカいので場外ホームランの心配はない。
甲子園に来たら一度は訪れるべきなのが隣接する甲子園歴史館。
最近リニューアルされたようで、より広くなりパワーアップした。
阪神タイガースの歴史を学んだり、
体験コーナーがあったり、
企画展をやっていたり、
タイガースのロゴが並んでいたり。
初代からほとんど変わっていないあたり、それだけ完成されたデザインなんだなあ。
甲子園と言えば高校野球。
高校野球コーナーに入るとまずは始まりの一球が展示されている。カッコいい。
松坂大輔のユニフォーム。
タッチに登場する明青学園のユニフォーム。
開場当初からの伝統の味甲子園カレー。
戦争の弾痕が残る鉄扉。
ラッキーゾーンの一部。
オーロラビジョンの下に行くこともできる。
練習中の選手も見られる。
甲子園を存分に楽しむならぜひ甲子園歴史館へ。
【グルメ】★★★★☆
先ほどの甲子園カレー、ジャンボ焼き鳥、焼きそばは合わせて甲子園三大グルメとされている。
甲子園カレーの歴史も書かれている。
特にカレーと焼き鳥は場内の至る所で販売されており、球場内のどこでも購入することができる。
せっかくなので三大グルメを購入。
正直、味は普通。でも甲子園の歴史と雰囲気こそ最高のスパイス。
甲子園にも銀だこがある。
関西人にとっても銀だこは美味しいらしい。
そんな大阪グルメをほかにもいろいろ楽しんだ旅の記録はこちら。
【街との一体感】★★★★★
甲子園駅には阪神ファン向けのいろんなメッセージが書かれている。アレ行きってどこやねん。
駅のコンコースにも常時阪神情報が垂れ流されている。
試合後にはスコアも表示される。
阪神タイガース仕様の吉野家もある。
球場周りのローソンではどこもタイガースグッズを売っている。
駅から球場までの通りにはいくつものグッズショップがある。違いはよく分からない。
球場周りには年季の入った老舗のグッズショップもある。もしかしたら非公認グッズを売っているのかもしれない。
もちろんテレビでは朝から晩までタイガース情報が垂れ流されているし、スポーツコメンテーターは阪神OBだらけ。
言うまでもないが、阪神タイガースは関西圏を代表する文化の一つである。
【満足度】★★★★★
いろいろ感想はあるが、やっぱり甲子園は最高だな、という一言に集約される。
野球ファンなら一度は絶対訪れるべき球場の一つ。高校野球の方が甲子園本来の姿なのかなという感じもするが。
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