注:本記事は新型コロナウイルス感染拡大後の情報を元にしています
【概要】
中京競馬場は、1953年開場、愛知県豊明市にある中央競馬の競馬場。
ちょうど名古屋市と豊明市の境目あたりにあり、所在地は豊明市であるものの電話番号の市外局番は名古屋市の052となっている。
日本競馬の歴史は古く、例えば有馬記念が行われる中山競馬場は1907年に開場したという歴史を持つ。
しかし名古屋地区においては構想こそあったものの、長らく競馬場建設の実現には至らなかった。
再び競馬場建設の気運が高まったのは第二次大戦後のこと。
政府収入増加のため、そして競馬の発展のためにも、名古屋に競馬場を開設することとなった。
とはいえ、当の名古屋財界は競馬場の開設に消極的であったという。
そこで立ち上がったのが、トヨタ自動車初代社長豊田利三郎だった。
利三郎自身は競馬には詳しくなかったので、愛知トヨタ自動車社長の山口昇にも協力を依頼。
更に名古屋財界も巻き込んで、いよいよ1953年に中京競馬場が完成した。たった1人で競馬場を作り上げるとは、すさまじい神通力である。
1996年には春のスプリンター最強決定戦、高松宮記念がG1に昇格。中京競馬場初のG1レースとなった。
優勝馬にはフラワーパーク、ロードカナロアなど稀代のスプリンターが並ぶ。
そんな中京競馬場で行われた中で伝説となっているレースが、第34回金鯱賞。
逃げ馬では歴代最強ともいわれるサイレンススズカが、その生涯で最高のパフォーマンスを発揮したレースである。
スタートから大逃げを打ったサイレンススズカは、そのまま影すら踏ませず、どころかその背中を負わせることすらなく、レコードタイムで圧勝。
ゴール前から拍手が巻き起こるほどのあまりに強すぎるレースぶりは、見るものの脳裏に強烈に焼き付いた。
そんな伝説的レースの主役となり、天皇賞(秋)では天国までも逃げていったサイレンススズカの生きた痕跡は、中京競馬場の至る所に今なお遺されている(後述)。
かつては地方競馬も開催されていた特殊な歴史も持つが、現在では中央競馬のみ。名古屋競馬場と並ぶ、愛知を代表する競馬場の一つだ。
【アクセス】
最寄まで★★★☆☆
最寄は名鉄中京競馬場駅。
名古屋から一本だが、それなりに時間もかかるし、急行以上は止まらないので少し不便(ただし競馬開催時には一部急行が停車)。
最寄から★★★★☆
駅からは徒歩10分ほど。アーケードになっているので多少の雨なら大丈夫。
道中は謎のおじさんが残り距離を教えてくれる。
200m=1ハロン、競馬では最後の600mを上り3ハロンと言って、その走破タイムは馬の能力を見るのに重要視されている。
指定席は上から、当日券は下から。お間違えのなきよう。
【観戦環境】★★★★☆
やはり芝を駆け抜けていく馬を見るのは楽しい。地方競馬は基本的にダートなので、芝を見られるのは中央競馬の特権。
ただし非常に人が多いので、いい場所から見るには場所取りをするなどの多少の工夫が必要。
スタンドも中央競馬らしくかなり大きい。じっくり見てまわるにはなかなかの時間がかかる。
ペガサス、ツインハットの2つのスタンドがある。
こちらがパドック。やはり人が多く見るのも一苦労。
ただビジョン横のスペースは人が少なく穴場らしい。
地下にはレースを終えた馬を見ることができるスペースもある。全国の競馬場にもなかなかない、珍しい施設だ。
馬を近くで見るにはここが一番良いかもしれない。
もちろん、至る所に投票所が設けられている。これこそが競馬のだいご味だからね。
ちなみにスタンド内には座席が多く設けられているが、そのほとんどが有料の指定席。
座ってじっくり競馬を楽しみたい人は、おとなしく追加料金を払うのがいいだろう。
こういうところではおなじみの無料飲み物コーナーも設けられている。なんでこんな便利なものがあるのかは分からないが、飲み物代も馬券購入に充ててくれってことか。
大量の紙コップゴミが出るので、世の中の流れとはまあまあ逆行している。
疲れた場合は、モニターでゆっくり競馬を楽しむこともできる。もはや競馬場でなくてもいい気もするけど…。
【雰囲気】★★★★★
中央競馬は人が多くていろいろ苦労もあるが、やっぱりレースの熱気はここでしか味わえないものだ。
人気馬が来た時の歓声、穴馬が来た時のどよめき、何万人もの人の感情が耳を通してダイレクトに伝わってくる。
こんな体験ができるのは日本でも中央競馬だけだと思っている。一度来たらハマってしまう。
この時は名勝負のパネル展示もされていた。
私が競馬ファンになったのは最近なので昔のレースは生で見ていないが、YouTubeのおかげでいろんな名勝負を見たので大体わかる。いい時代になったもんだ。
私の好きなナリタブライアンvsマヤノトップガン。
ウオッカvsダイワスカーレットとか。
オルフェーヴルvsジェンティルドンナなんかもすき。やばい止まらん…。
こちらにはダートG1のチャンピオンズカップ歴代優勝馬。ダート界の名馬たちが並んでいる。
そしてこちらがスプリンター最強決定戦高松宮記念。歴史が長いだけあってレリーフの数も多い。
こちらには神社、奥にはサイレンススズカの像も置かれている。それだけ金鯱賞でのインパクトが強かったということだろう。
思い出のベストホースにもサイレンススズカが選ばれている。場内には至る所にサイレンススズカの名前が残っている。
たった一度のレースで中京競馬場のシンボルになってしまう辺り、その存在感の大きさが分かる。
なぜか場内には名鉄の特急電車が保存されている。コロナ前は中に入って遊んだりできたらしい。
どうせならここに駅作っちゃえばいいのに。
【グルメ】★★★★★
ゲートをくぐると、すぐにおいしそうなにおいが漂ってきたのでふらっと購入。
犬山ローレライ麦酒というキッチンカーで、スペアリブを購入。だいぶ肉食べたい欲が満たされた。
場内にはいくつかフードコートや売店があるが、多くのお店で名古屋グルメを楽しむことができる。
こちらもやはり名古屋グルメのきしめんと味噌串カツ。
味や値段はもちろん、おじさんが「はい300万円ね~」「はい5000ペリカ!」と妙な単位でお金をやり取りするのがなんとも面白い。
てかペリカは客に伝わってるのか?やっぱり競馬場来てる人はみんなカイジ読んでるのかな…。
他にもドテ煮なんかもあるし、コスパも非常によく色々食べているだけで十分楽しいだろう。名古屋グルメは中京競馬場で決まり!
その他にも名古屋グルメをいろいろ楽しんだ愛知旅行記はこちら!
【満足度】★★★★★
東海地方唯一の中央競馬場ということもあってか人の賑わいもあり、中央競馬のだいご味を十分に味わうことができた。
なにより競馬場で味わう名古屋グルメは最高だ。
名古屋からは若干の距離があるが、それを差し引いても十分に行く価値はある。
また名古屋で時間が空いたらグルメを食べに行きたいなあ。
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