注:本記事は新型コロナウイルス感染拡大後の情報を元にしています
【概要】
東京競馬場は、1933年開場、東京都府中市にある中央競馬の競馬場。競馬ファンの間では、その所在地から府中競馬場と呼ばれることも多い。
施設の概要などは前回の記事をご参照ください。
前回の記事では東京競馬場の歴史について触れていなかったので、ここで改めてまとめておきたい。
東京競馬場の前身は1907年に誕生した目黒競馬場。
同年阪神競馬場や中山競馬場も作られており、実質的な日本競馬元年と言ってもいいかもしれない(日本で最初に競馬が行われたのは1866年のこと)。
しかし目黒の都市化が進み、また敷地が手狭だったこともあって移転を余儀なくされる。
当初は羽田や世田谷なども候補になったが府中が熱心に誘致を進めたため、1933年現在の東京競馬場が作られ今に至る。
目黒競馬場の名前は今も目黒記念というレース名に遺されている。
東京競馬場の名物と言えば最後の直線に設けられた坂であるが、この勾配は多摩川沿いの土を使って作られた人為的なもの。
これは当時の陸軍が競走馬にスピードではなく強靭さを求めたことに由来するらしい。
こんなところに陸軍が関与してくるなんて、昔と今では競馬の意味合いも全く違っていたんだなあ。
実際第二次大戦中には東京競馬場は陸軍の施設となり、食糧難のためにサツマイモを作っていたらしい。
この勾配は今では実況に「高低差200mの坂!」と間違えられるほど、ドラマを生み出す要因となっている。
今回改めて訪れたのは、東京競馬場の中をよりちゃんと記録として残しておきたかったのが一つ。前回訪れた時はブログにするなんて思っていなかったので。
そしてもう一つは、グルメをしっかりと楽しみたかったため。このブログのためにいろんなスタジアムに行ったことで、改めて競馬場グルメのすばらしさを実感しているのです。
そんな日本の競馬場の中心地である東京競馬場にはきっとおいしいグルメがあるはず!
そう思って、改めて東京競馬場に行きたくなってうずうずしてしまい、行ってしまった次第です。
【アクセス】
最寄まで★★★☆☆
最寄はJR府中本町駅。南武線と武蔵野線が交差する駅だが、どこから行くにしてもなかなか遠い。
競馬場を作るには少し郊外じゃないと敷地がないんだろうけどね。
駅には臨時の改札口があり、競馬場まで直結している。
最寄から★★★★★
府中本町駅からはアーケードを通って5分ほど。ここをまっすぐ行くだけなので迷いようがない。
途中には幾多の名馬の写真が飾られており、否が応でもテンションが上がる。競馬ファンにはたまらない。
こういう数々のドラマが生まれた場所にこれから行くんだな、とワクワクドキドキ。
【観戦環境】★★★★☆
今回、途中で体力が尽きて400円の指定席を購入。結果、座って見れるし競馬場全体を見渡せるしいいことづくめ。
400円でこれだけ快適に過ごせるんだからお金出すべきですね。
ちなみに、場内にある席は現在ほとんどすべて有料指定席なので、勝手に座らないように。
こちらがスタンド全景。とにかくデカくて迫力がある。
多い時には10万人以上集まる東京競馬場だが、それでも十分入るほどのキャパシティがある。
間違いなく日本一の競馬場だ。
馬場の内側からもレースを見ることができる。
ただしビジョンが見えないので雰囲気を感じるだけになる。
でも純粋に競馬を楽しむにはここが一番いいかも。人も少ないし。
馬場の内側には遊具が充実していて、レジャー施設としても楽しめる。
子供は遊んで、大人は馬券で、一日中満喫できる。子供連れでバリバリ馬券買う人は少ないか。
こちらがパドック。ここも十分な大きさがある。
ここを名馬がぐるぐる歩いていったんだなあ。
中にはグッズショップが2店ある。こういうお店は競馬場でもなかなか珍しい。
せっかくなので世界初白毛のG1馬ソダシのぬいぐるみを買ってみた。かーいい。
もちろん投票機もずらっと並んでいる。あまりに多いのでほとんど並ばずに済む。
ただし、鉛筆はコロナの影響か受付に行かないと置いていないようだ。家から持っていくのが無難かも。
場内は本当に広く開放的。建物だけでもとてもオシャレだ。
レースを終えた馬を近くで見ることができるスペースもある。ガラス越しではあるが競走馬の迫力を間近で感じることができる。
馬がびっくりしちゃうのでフラッシュ撮影は厳禁。
勝利した馬とジョッキーは場内のウィナーズサークルに戻ってきて記念写真を撮る。
ジョッキーのルメールさんとお馬さんのサイズの対比がすごい。
【雰囲気】★★★★★
本日は重賞開催デーとあって多くのお客さんが集まった。これだけ多くの人が集まる場所は日本でもそうはない。
レース中の盛り上がり、レース後のどよめきは日常生活でそう味わえるものではない経験だ。
こちらのスタンドはフジビュースタンドといい、文字通り富士山が見える(写真ではわかりにくいけど)。
基本的に中央競馬では17時までには全レースが終了するが、帰り際は夕焼けが楽しめる時間帯だ。
場内には至る所に馬のシルエットがあり、目でも楽しむことができる。
単なるギャンブル場とは一線を画していて、老若男女誰でも楽しめる雰囲気が作られている。
こちらはウオッカ像。2007年には牝馬ながら日本ダービーを制し、64年ぶり3頭目の牝馬のダービー馬となった。
天皇賞秋におけるダイワスカーレットとの牝馬ライバル対決は今なお語り継がれている(これも東京競馬場)。
競馬場の一角には競馬博物館がある。
無料で入ることができ、歴代の顕彰馬や競馬の歴史を学ぶことができる。
とはいえ、東京競馬場は他にも見るものが多すぎて時間はあまりないかもしれない。
入り口ではミニチュアホースがもさもさ草を食んでいた。めっちゃなでなでしたい…。
もちろんみんなが楽しめる競馬場ではあるが、一方で名馬のポスターや展示も随所に飾られており、しっかりと競馬のロマンも感じられる。
最近のJRAのキャッチコピー「HERO IS COMING.」とかもめちゃくちゃカッコいいし。
あらゆる角度から競馬を楽しめる、そんな場所である。
【グルメ】★★★★★
競馬場と言えばやっぱりグルメ。ここ東京競馬場も御多分に漏れずグルメ天国だ。
まずは府中名物馬そば深大寺。
深大寺そばは深大寺周辺の名物グルメであるが、そんな深大寺そばが東京競馬場で食べられる。
深みのあるスープとツルツルとした麺がベストマッチ。忙しい競馬場でさっと食べるにはちょうどいい。
フジビュースタンドで売っているのが鳥千のフライドチキン。揚げ物なのに割とさっぱりしていて食べやすい。
そしてやっぱり揚げたては美味しい。
パドック横で売られているのがG1焼き。馬のひづめの形していてかわいい。
東京競馬場で外せないのが耕一路のモカソフト。
ソフトクリームでありながらしっかりとコーヒーの深みも感じられて美味。
さらに馬場内では北海道グルメフェスもやっていた。行くしかないっしょ!
パッと目に着いたのが十勝名物豚丼。北海道には何度か行っているが、豚丼はまだ食べたことがなかったのだ。
炭の香ばしさも感じられてとてもおいしい。まさか府中で食べられるなんて。
家で食べる用にザンギも買ってみた。東京に行ったはずなのにいつの間にか北海道を満喫してしまった。
【満足度】★★★★★
旧来の競馬ファンも大事にしつつ、新しい競馬ファンを開拓しているという点でやはり日本一の競馬場だとつくづく感じた。
もはや競馬ファンでなくともグルメにレジャーに十分楽しめると言っていい。入場料200円で丸一日休日を満喫できる。
こういうみんなでにぎわう競馬場を見るとJRAはよっぽど先見の明があるんだな、と思わされる。
全国の地方競馬、そして公営ギャンブル場は是非とも参考にしてほしい。こんな施設を作ったら人は集まります。
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