注:本記事は新型コロナウイルス感染拡大後の情報を元にしています
【概要】
富山市民球場アルペンスタジアムは、1992年開場、富山県富山市にある野球場。
富山県にはもともと県営富山野球場という球場があり(現在もあるが)、巨人軍初代オーナー正力松太郎が富山出身でもある縁でたびたび巨人戦が行われてきた。
しかし老朽化が避けられないこと、照明などの設備増設のスペースが足りないことから、改めてプロ野球を開催できる新球場が求められていた。
そこで富山市が市制100年の記念事業の一つとして市民球場の建設を掲げ、出来上がったのが北陸地方初の全面人工芝となるこのアルペンスタジアムであった。
その目論見通りNPBの公式戦はドラゴンズやカープを中心に主催されており、念願だった巨人戦も2008年に実現した。
一方パリーグの試合もセリーグに比べると少ないものの、2005年の千葉ロッテvs西武ライオンズや2017年の北海道日本ハムvs楽天イーグルスの試合などが行われている。
2007年から参戦した独立リーグの富山GRNサンダーバーズも主管試合を開催しているが、アルペンスタジアムがあまりに大きいためか年に1,2回行うのが限界のようだ。
もちろん富山の高校野球は当球場が決勝の舞台となっており、富山野球の聖地の立場は揺るがない。
変わったエピソードとしては、1992年に読売サッカークラブと日産自動車サッカー部のサッカーの試合が行われたことである。
これは当時富山県内にナイター設備のあるサッカースタジアムがなかったための措置であるが、急造のピッチにより3選手が怪我をするという波乱の試合となった。
やはり無理のある場所で無理な試合をしてはいけないのだ…。
【アクセス】
最寄まで★★★☆☆
最寄はあいの風とやま鉄道の東富山駅。いわゆる第三セクター。
ちゃんとSuicaも使えるし、1時間に2~3本あるし、便利とは言えないが不便でもない。
ちなみに富山の免許センターはスタジアムのすぐ近くにあるらしい。富山県民は年に1回はこの駅を使っている人が多いかも。
駅には眺めのいいガラス張りの部分があり、わずかながらスタジアムも見ることができる。
富山駅ではフレッシュオールスター開催のメッセージが流れてきた。
それだけ富山を上げてのイベントということだろう。
ただ富山駅からは臨時の直通バスも運行されていて、そちらの方が利用者が多いらしく鉄道の方はあまり混んでいなかった。
2両しかないしぎゅうぎゅう詰めで乗れなかったらどうしようと思っていたが、特に問題はなかったようだ。
最寄から★★★☆☆
駅からは徒歩25分ほど。
距離はあるが道は平たんなので、普段から歩きなれていればさほど厳しい道のりでもない。
あと道横に流れている用水路の水が冷たくて気持ちいい(絶対に落ちないように注意、そして飲まないように)。
ただしコンビニはちょっと離れたところにある。富山駅で買っておくべし。
周りに田園しかないので、帰りはこんな感じになる。
【観戦環境】★★★☆☆
防球ネットが低いのが少し怖いが、その分試合は見やすい。
程よく臨場感もあっていい感じ。人工芝だけあって芝目もキレイだね。
ブルペンが球場から見えるところにあるのが面白い。
ただし壁が高いので反対側のブルペンしか見えない。
基本的にはベンチシートだが、ところどころ背もたれ付きの席もあったり、
あるいはスタンドを拡張していった様子も見て取れたり(内野と外野の間に個別のスタンドがある)、細かく見ていくといろいろ面白いところもある。
ただし屋根は一切ない。雨や日差し対策は徹底のこと。
コンコースは狭いものの、なんとか物販を行うだけのスペースはある。
バックスクリーンの裏側から。
芝生になっている外野スタンドはここから入るらしい。ずいぶん面白いところに入口があるんだな。
照明塔は湾曲していて不思議な形状をしている。
でも球場全体に照明を届かせるにはこれが効率的なのか。他の球場でこの形状にしない理由もありそうだけど。
ビジョンは全面LEDで鮮やかだがやたら狭く、横に謎の無駄な部分がある。
おそらく昔はこの部分でスタメンを表示できるようになっていたのだろう。
昔のスクリーンを再利用できて効率的なんだか、無駄で非効率なんだかよく分からない感じである。面白いは面白い。
画像では見えづらいが、レフト側後方には山並みも見える。
さすがアルペンスタジアム。
もちろんグッズショップもある。12球団のグッズが買えるのは珍しいかも。
記念にTシャツとツインバットを買った。バットは試合中めっちゃ使った。
ボトルはチケットについてきたもの。いい記念になった。
【雰囲気】★★★★★
12球団のマスコットが集結。
でもよく見ると、各球団の「じゃない方」が集まっている。これはフレッシュなのか…?
どこにでも行くでおなじみ里崎智也も来ていた。これは特にフレッシュではない。
12球団のユニフォームがそろうのもまた珍しい光景。
選手紹介の順番をミスるハプニングもあったが、アナウンサーも2年目のフレッシュだということで許された。
フレッシュオールスターでよかったね。
もちろん応援団も集結。音が被ったりもせず、見事な応援を繰り広げる。
どうやって連携を取っているのかは分からないが、応援に関してはフレッシュならぬ熟練の技があるらしい。
コロナ禍以降のフレッシュオールスターでは最多となる12529人の観客が集まった。日常が戻ってきた感じだね。
ただ観客層は富山の人が集まってきたというより、全国の野球好きが富山に集ってきたという印象を受けた。
会話の内容がみんな玄人すぎるんよ。
時間ごとに景色は移り変わっていき、また試合もテンポよく進んでいく。
オールスターはみんな積極的に打ちにいくのでめちゃくちゃ見やすいのだ。普段からこれだったらいいのにな(緊張感はないけど)。
ラッキーセブンには全球団の歌が流れる。時間の関係でめちゃくちゃ端折っているためすごく歌いにくい。
しかしこの頃になるとお祭りは最高潮に達し、各球団チャンステーマのメドレーになる。超楽しい。
試合はウエスタンが勝利。いやもうどっちが勝ってもいいけど。
MVPは阪神の森下選手に。近いうちに一軍でも大暴れするだろう。
楽しかった富山。また来たい。
田園とスタジアム。
【グルメ】★★★★☆
飲食物は少数の団体が取り仕切っていて、球場近くのテントで作ったものを場外や場内の売店で販売するスタイルをとっているらしい。
つまりどこで買ってもおおよそ同じものが食べられる。
岐阜が近いこともあってか飛騨牛の焼き肉丼を売っていた。
ちょっと肉が少ない感じもあるが、お肉自体はそこそこおいしい。まあこういうのは雰囲気ものだからね。
ます寿司のおにぎりもあったが売り切れていたので、サバの押し寿司を購入。
関東では珍しい昆布で巻いたおにぎりで、これはこれでとてもおいしかった。災い転じて福となす。
ちなみに富山は昆布の消費量日本一とのこと。
【街との一体感】★★★★☆
富山駅にはめちゃくちゃ目立つフレッシュオールスターの垂れ幕があった。
本当に県を挙げてのイベントなのだ。
駅前にも垂れ幕がいっぱい。
富山市役所前のバス停にも大きなポスター。
直前には豪雨もあったけど、無事に試合開催できてよかったね。
そんな富山も楽しんだ旅の記録はこちら!
【満足度】★★★★★
オールスターゲームを観戦しに行くのは初めてだったが(侍ジャパンはあるけど)、やっぱりオールスターはお祭り感があってとても楽しかった。
いつかは一軍のオールスターも見に行ってみたいねえ(チケット取れないんだけどね)。
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