注:本記事は新型コロナウイルス感染拡大前の情報を元にしています
【概要】
茨城県立カシマサッカースタジアム(カシマスタジアム)は、1993年開場、茨城県鹿嶋市にある、鹿島アントラーズのホームスタジアム。ややこしいが、「鹿嶋」市の「鹿島」アントラーズである。統一してくれ…。
ちなみに、「鹿島市」は佐賀にあり、こちらが鹿島町から市に移行する時に名前が被るので「鹿嶋市」にしたようだ。
カーナビで「鹿島市」に行こうとすると、気付いた時には九州に着いているので注意が必要。
Jリーグの歴史は、鹿島アントラーズなくして語れない。
Jリーグ優勝8回、Jリーグカップ優勝6回、天皇杯優勝5回、ACL優勝1回。胸に輝く大きな2つの星は、他クラブを圧倒する(2回しか優勝してないんじゃなくて2×10だから!)。
そして鹿島アントラーズが今Jリーグで戦うことができているのは、このカシマスタジアムのおかげなのだ。
1993年の開幕を控え、Jリーグに参戦する10チームの選抜が行われていた。9クラブまでは決定したが残る1チームが決まらない。
アントラーズ(当時まだ住友金属だが便宜上アントラーズとしておく)はこの時点で選ばれておらず、最後の一枠を争うこととなる。
候補は以下のチームである。
・ヤマハ(後のジュビロ磐田)
・ヤンマー(後のセレッソ大阪)
・日立(後の柏レイソル)
・フジタ(後の湘南ベルマーレ)
そう、鹿島アントラーズは候補にすら入っていなかったのである。
その頃のアントラーズといえば、JSLの2部に所属しており、天皇杯での優勝経験もなかった(上の4クラブは優勝経験あり)。候補に入らないのも当たり前である。
川淵キャプテンも4チームの中から選ぶことを考えており、アントラーズには「観客席に屋根の付いた1万5000人収容のサッカー専用競技場を建設できるなら考えましょう」と、かぐや姫並の無理難題を突きつける。
が、これが逆に火を付けてしまった。茨城県が本当に作ることを確約してしまったのである。これがカシマスタジアムであることはお察しの通りだ。
結果、晴れてオリジナル10入りを果たしたアントラーズは、ジーコによる意識改革もあり、栄光の歴史を辿ることになる。
【アクセス】
最寄まで★☆☆☆☆
最寄はJR東京駅。意味がわからないかもしれないが、東京駅である。
その答えはアントラーズのホームページを見ればわかる。
そう、電車よりも東京駅からのバスの方が上に掲載されているのだ。実際、電車で行くよりバスの方が本数も多く、圧倒的に快適だ。
ちなみに筆者は面白がって電車で鹿島サッカースタジアム駅まで行ったが、もう二度とやらないと誓った(上記の評価は最寄を鹿島サッカースタジアム駅としたものである)。
駅は臨時駅なのでホームがとても狭い。当然Suicaなど使えない。
帰りはホームに入るまでの行列が出来る。そして電車に乗れてもみんな同じ方向を目指すため、千葉県内の大きめの駅に着くまではぎゅうぎゅう詰めの状態が続く。本当に地獄。
最寄から★★★★★
鹿島サッカースタジアム駅にさえ着いてしまえば、さすがに近い。
が、やっぱりここまでがキツすぎるので、東京駅からバスが圧倒的にオススメ。まあ一度くらいは経験として乗ってみてもいいと思うけど…。
なお、お隣の鹿島神宮駅にはアントラーズのユニフォームが飾ってある。小さい街だが、鹿島神宮と鹿島アントラーズという東京から人を呼べるコンテンツが2つもある。
そのためか東京駅からのバスが非常に充実している。が、電車が貧弱である。
鹿島神宮は非常に自然豊かで、明治神宮の雰囲気と引けを取らない。
が、カシマスタジアムに行くついでに、と思うと徒歩で40分くらい離れてるのでなかなか難易度が高い。
中には鹿もいる。奈良と違ってちゃんと柵で囲われている。
ちなみにアントラーとは鹿の枝角のことであり、チーム名とエンブレムはこれに由来する。鹿島にとって鹿は神の使いとされる神聖な生き物である。
【観戦環境】★★★★★
2階席からの観戦となったが、角度がめちゃくちゃ急なので俯瞰みたいな感じである。気分は◯イイレだ。
その代償として階段は急だし、高所恐怖症の人は普通に怖いと思う。仕方ないけど。
【雰囲気】★★★★★
隣には他の競技も出来るフィールドがあり、その先には海が広がっている。
そしてサポーターはなんだか王者の余裕と風格を感じる。代表的なチャントの「ロール3」なんて、「オ・カ・シ・マ」の4文字しか使ってない。のに、圧倒される。すごい。
【グルメ】★★★★★
そしてこのカシマスタジアム最大のウリがスタグルである。そもそもチームがいやというほど強いというのにそれ以上のウリがあるのかという感じだが、ある。
名物ハム焼きは大行列だが、こんな屋台で美味しそうな匂いしたらずるいわ。行きと帰りで2本食っちまった。
このデカさで300円。もうこれダンピングだろ。
普通のもつ煮が売り切れたのでトマトもつ煮を。美味しいけどノーマル食べたかった…。
恐らく私はここへ来るたびにあれ食べたいこれ食べたいが増えていき、何回行っても終わることはないのだろう。罪なスタジアムだ。
ただし、これらのグルメはアウェイサポーターは食べられない。そのため密輸と呼ばれる、グルメを境界の部分で取引する行為が横行している。
せっかくこんなグルメがあるのに宝の持ち腐れだなあ…と傍目には見えてしまうのである。
【街との一体感】★★★☆☆
多分アントラーズもこの地に馴染むような努力はしてるのだろうけど、ちょっと街が小さいから難しいところもある。そもそも最寄は東京駅だしねえ…。
このクラブが人を集められるのは、その実績とスタグルの2つにあるのだと思う。
この2つは他クラブを圧倒できるレベルだし、それ目当てでわざわざ東京から来る人も多いのだろう。ちょっと特殊なクラブかもしれない。
【満足度】★★★★☆
サッカーに、スタジアムに、スタグルに、最高の環境が揃うスタジアムである。
ただアクセスがやはり…。もちろんどうしようもないことは分かっているのだが、さすがに評価に反映させないわけにもいかない。
しかしこの悪すぎるアクセスを乗り越えてもなお何度でも行く価値のあるスタジアムだと確信している。カシマは1日にしてならず、である。
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