注:本記事は新型コロナウイルス感染拡大前の情報を元にしています
【概要】
町田市立陸上競技場(町田GIONスタジアム)は、1990年開場、東京都町田市にあるFC町田ゼルビアの本拠地。
相模原にもギオンスタジアムがあるが、あちらはカタカナ、こちらはローマ字表記。なにせ株式会社ギオンがどちらも命名権を取得してしまったので、こういった形になっている。何が何でも宣伝したかったんだなあ…
カタカナのギオンスタジアムはこちら。
元々は町田市の市政30周年を記念してプール、体育館とともに作られた競技場。
開設当初は東京ガスサッカー部(現FC東京)やコンサドーレ札幌、川崎フロンターレが主管試合を開催したことがある。
更に全日空横浜サッカークラブはJリーグ発足時にホームスタジアムとしようとしていた。断念して横浜フリューゲルスとなり三ツ沢へ移っていったが。
町田を断念した横浜フリューゲルスのその後の歴史はこちら。
その後は2009年にJFLに昇格したFC町田ゼルビアのホームスタジアムとなり、たびたび改修を行いながら使われている。
そんな町田ゼルビアの歴史を紐解いてみると非常に興味深い。
1977年、小学校の教諭が集まり「子供たちのバランス感覚を養うにはサッカーがよい」としてサッカーの指導を始めたのがきっかけ。その優秀な選手を選抜し「フットボールクラブ町田」が結成される。
当時は清水と並び「少年サッカーの盛んな地域」であったようだ。
少年サッカーの街の元祖である清水の聖地はこちら。
その後1989年にトップチームが結成され、それが現在のFC町田ゼルビアの原型となる。すなわち、もともとのきっかけは少年サッカーだったのだ。
ただ、JFLに加入したのは2009年と結構時間がかかっている。スタジアム問題も浮上しながら何とか解決、2012年からJ2に昇格、今に至る。
2018年にはJ2で4位となったが、スタジアムの関係でJ1ライセンスが取得できず、プレーオフに参加することすらできなかった。ゼルビアには常にスタジアム問題がついて回っているようだ。
ただ、スタジアムの改修を前提として2020年からはJ1ライセンスを取得している。あとは成績を残すだけだ。
【アクセス】
最寄まで★★★★★
最寄駅は…
ええっと、どれだ!?
とりあえず筆者は町田駅から行ったのでその前提とするが、小田急もJRも停まる交通の要所なので利便性はすごく良い。
一番上に書いてあるのは鶴川駅なのでクラブのイチオシなんだろうか。
試合当日は鶴川駅から直行バスもあるので便利なのかもしれないが、町田駅からもバスはあるようだしわざわざ二駅行くのも面倒なので、好みの問題?
とはいえ鶴川駅以外のバスには注釈で人数制限有りと書いてあるので、鶴川駅が無難だろう。
…しかし、セルフ男気コースって何なんだろう…。
最寄から★★☆☆☆
最寄駅はいっぱいあるが、そのどれもがバスが必須な距離だ。ありがたいことに無料のバスもあるようだが…。
ちなみに筆者は気合を入れて町田駅から歩いてみたので、その一部始終をご紹介する。うおーセルフ男気コースじゃー!!!
え、山道!?
うーん、東京とは思えない良い景色だ!
いやー綺麗だなあ!
お?
着いたー!ここならタダで観れる
ハイキングしたい人にはオススメ。なお暗くなったら確実に遭難するので、絶対バスで帰ること。
【観戦環境】★★☆☆☆
陸上競技場な上に角度がないので、お世辞にも見やすいとは言えない。
もちろん屋根も少ないので雨にも濡れる。
てか前に座ってる人ベイスターズのポンチョ着てるけどいいのか?相手が横浜FCなので尚更どっちの応援してるのか分からん。町田は神奈川だからいいか
【雰囲気】★★★☆☆
サポーターの多さは…うん…まあ…という感じ。
ただ本当に山奥でコンビニはおろかろくに建物もない状態なので、サッカーに集中出来る環境ではある。席も空いてるし。
【グルメ】★★★★★
こんな状況ならグルメも期待できないのでは…などと侮るなかれ。
種類は少ないながらも、粒揃いのグルメが揃っている。
まずはこちらの名物オブ名物、YASSカレー。お店自体は町田駅前にあるが、町田ゼルビアの試合時には欠かさず出店している。
角煮が入っていてボリュームたっぷり、ルーはスパイスが効いていて独特の風味でとてもおいしい。ちなみにYASSはKISSをもじったもので、お店も店員さんもなんだかロックな感じだ。
が、なんと2020年シーズンからは撤退してしまったらしい。ガーン…。
とはいえ閉店したわけではないので、どうしても食べたければ駅前で食べるしかないようだ。
恐らく試合前後には多くの町田ゼルビアサポーターが押しかけるだろう。町田の名物、というかアイデンティティとも言える存在なだけに、非常に残念だ。
気を取り直して、こちらはメロンソーダのフロート。見れば分かるが、メロンが突き刺さっている。非常に贅沢な一品だ。
こちらはスタグルではなく、町田駅前の小陽生煎饅頭屋というお店の小籠包。
中にスープが詰まっており、先にチューチュー吸ってから身を食べる、というもの。
実に美味しく、町田の名物となっており行列の絶えない人気店だ。スタグルにも最適なので合わせて紹介しておきます。
なお、町田にはゼルビアキッチンという食堂があり、ゼルビアのトップチーム並びに中学高校の選手、そして地域の人たちも誰でも利用できるようになっている。もちろんアスリートが食べるだけに栄養士が監修しており、栄養バランスも抜群だ。
が、このスタジアムから歩くにはかなり気合がいる距離なので、行きたい場合はうまいこと計画を立てて行こう。
【街との一体感】★★★☆☆
鶴川駅を訪れてみると、結構ゼルビアがプッシュされていた。やはり最寄り駅というだけはあるようだ。
とはいえ肝心の町田駅周辺ではゼルビアはほとんど存在感はなかった。上の画像は町田市役所前の広場で、ここでだけはオリンピックと同等の扱いを受けてはいるようだが…。
そもそも、町田に愛着を持っている人はどれほどいるのか?町田は東京なのか?神奈川なのか?
疑問は尽きないが、町田市民が東京でも神奈川でもなく町田市民である事を誇りに思っているなら、このクラブの行く末も明るいだろう。
逆に町田ゼルビアが町田にとってのアイデンティティになる、ってのもいいかもしれない。とにかく、好成績をあげてJ1に昇格するところからだ。
【満足度】★★★☆☆
町田という非常にニッチな、でも発展している場所にあるクラブ、というのがJリーグでもかなり特殊な存在だ。
2018年にはサイバーエージェントが経営に参入。チーム名の変更するだのしないだので色々揉めてしまったが、大きなスポンサーが付きにくそうな町田にとっては強力な味方と言えるだろう。
これからの町田ゼルビア、そして町田市立陸上競技場の発展がますます楽しみだ。
しかしYASSカレーの撤退が痛すぎる…。色々大人の事情があったようだが、クラブにとってはどんな選手よりも引き留めておく必要があったんじゃないかな…。
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