注:本記事は新型コロナウイルス感染拡大後の情報を元にしています
【概要】
新潟スタジアム(デンカビッグスワンスタジアム)は、2001年開場、新潟県新潟市にあるアルビレックス新潟のホームスタジアム。
「ビッグスワン」という名前は新潟に飛来する白鳥とこのスタジアムの形状にちなんでつけられた愛称で、新潟では「スワン」だけでも通じるぐらいなじんでいる。
元々2009年の国体に合わせて3万人規模で設計されていたのだが、2002FIFAワールドカップで使用されることが決まったため、4万人規模に改めて2001年に完成した。ずいぶん早まったけどその辺は大丈夫だったのかな?
ワールドカップでは日本における開幕戦となるアイルランドvsカメルーン、決勝トーナメント1回戦イングランドvsデンマークなど3試合が開催された。
そんなビッグスワンをホームとするアルビレックス新潟について。
クラブ名の「アルビレックス」という名前ははくちょう座の星「アルビレオ」とラテン語で「王」を意味する「レックス」を掛け合わせたもの。
もちろん元祖はアルビレックス新潟なのだが、新潟県内にはこの「アルビレックス」という名前を共有しているチームが無数にある。
バスケットボールの新潟アルビレックスBBもその一つ。
ただ、名前が同じというだけでそれぞれの運営は完全に別々である。でも名前が一緒なら変に対立することもないし、応援しやすくていいよね。
そしてアルビレックス新潟は、Jリーグの歴史上数少ない浦和レッズを上回りJリーグNo.1になったクラブとして有名である。
何で上回ったのかと言えば、観客動員数である。
浦和レッズと言えば、超熱狂的サポーターの多い言わずと知れた日本を代表する人気クラブ。
1996年にJリーグ観客動員数で首位に立つと、2000年に僅差で鹿島に負けた以外はほぼずっと首位を走り続けてきている。
その浦和から唯一3年連続で首位の座を奪ったのがアルビレックス新潟だ。しかも、最初に首位に立った2003年はなんとJ2だった。つまりアウェー動員にほとんど左右されず観客を集めたのである。
Jリーグの歴史上でも、シーズンで1試合当たりの観客動員数が4万人を超えたのは浦和レッズとアルビレックス新潟しかいない。
更に言うと、3万人を超えたのも浦和レッズとアルビレックス新潟しかいない。いかにこの2クラブの動員力がえげつないかよく分かるだろう。
ただこれには少し裏もあって、新潟にサッカー観戦文化を根付かせるべくとにかくタダ券をばらまいた、という事情がある。
もちろんタダでも興味がなければ見に行かないし、「空席はホットドッグを食べない」(≒とりあえず来てもらってお金を落としてもらおう)なんていう言葉もあるくらいだけど、タダ券のバラマキをほとんど行っていない今ジリジリと観客動員数が減ってしまっている。
それでもJ2ではいまだにトップだし、方向性としては間違っていなかったのだろう。今でも熱いサポーターが多いのは紛れもない事実だ。
【アクセス】
最寄まで★★★★☆
最寄はJR新潟駅。上越新幹線の終着駅。
東京駅から一本なので利便性は高い。さすが政令指定都市新潟の玄関口である。
ちなみに新潟空港からは車で30分弱。
こちらは反対側の万代口。いかにも国鉄風情が残っていて情緒があるが、残念ながら今は解体が始まっている。
今回の新潟観光記はこちら。新潟はうまいもんだらけ。
最寄から★★☆☆☆
新潟駅からはバスで20分ほど。決してアクセスがいいとは言えない。
バスの車体の色がなんとも言えない味があって良い。車内は普通だけど。
ちなみにSuica対応。嬉しい。
スタジアム側のバス停。新潟県最大の野球場ハードオフエコスタジアムのすぐ目の前にある。
【観戦環境】★★★★☆
とにかくデカい。日本海沿いでは最大のスタジアムらしいけど、これだけ大きいスタジアムに新潟で出会えるっていうだけでなんだか感動する。
もちろん屋根もついていて、非常に天気が変わりやすい新潟においても安心だ。ちなみに新潟には何度か行ったけど、今のところ新潟で太陽を見たことはない。
ただ、やっぱり陸上トラックがなあ…。こんなにデカいスタジアムに陸上トラックあっても客席埋まらないでしょ…。
国体のスタジアムは3万人規模の陸上競技場として作られるけれども、そろそろそういう時代も終わりつつあると思う。今のトレンドはコンパクトですよ。
左側。奥側にアウェーサポーター。しかし、これだけ画角をとってもピッチが映らない。
右側。1階席はオレンジ一色だ。
右下にはアルビレックス新潟のチャントの代名詞でもある「アイシテルニイガタ」の文字が。
ビジョン。Jリーグでは標準的なサイズ。
非常に大きいスタジアムなので、コンコースは2層式になっている。こっちは地上から階段を上った2階部分。ひろびろ。
こっちは2階部分から階段を上った3階部分。ひろびろ。
スタジアムの中には展示室があり、2002FIFAワールドカップに関する展示や、新潟県出身のスポーツ選手の展示がされている。酒井高徳とか。中村真衣とか。
コンコースからはキレイな紅葉とハードオフエコスタジアムが見える。あっちはあっちでプロ野球のオールスターゲームが開催できるほどのバカでかい球場だ。
【雰囲気】★★★★☆
そもそものお客さんの数が多い上、かなりのお客さんがユニフォームやタオルマフラーを身に着けていて熱い想いを感じた。
2017アルビレックス新潟ホーム開幕戦 入場「アイシテルニイガタ」
ただスタジアムがあまりに大きすぎる影響か分からないが、太鼓などを使った応援はなく、自然発生的な拍手や手拍子での応援スタイルだった。
そのため一体感を感じにくいのがちょっと残念。満員ならいいんだろうけど、トラックもあってこれだけ大きいと一体感はなかなか難しいよなあ…ましてや手拍子だけじゃ。
あとたまたま私の目についてしまっただけかもしれないが、マスクをつけていないとか、バスに強引に乗り込んできたりとか、マナーのよろしくないお客さんがちらほら見られたのがちょっと残念。
ご年配の方だったけど、スタジアムはあなたたちだけのものじゃないんですよ、とだけは言いたい。新潟全体のイメージにかかわるから、本当に気を付けた方がいいですよ。
そういう人だけじゃないことを強く信じてます。
【グルメ】★★★★★
グルメはスタジアム前の広場に出ているものと、スタジアム内に出ているものとがあるが、とにかくとにかくとにかくとにかく素晴らしい。
新潟グルメを食べたかったら、このスタジアムに行くのが一番手っ取り早い。
新潟に来て米を食わないなんて、新潟駅でホームから出ないでそのまま折り返しの新幹線で帰るくらい意味のない行為である。
…要は米を食わないと新潟に来た意味ないよってことなんだけど、このお弁当はなんと3種類のお米で作ったおにぎりの食べ比べができる。なんて幸せなんだ…。
ちなみに味の特徴を申し上げますと、左から「うまい」、「おいしい」、「デリシャス」である。バカ舌ですみません。
でも噛めば噛むほど甘くなってきていい米だってことくらいは私でもわかる。
もち豚串焼き。600円といいお値段だが、それに見合うおいしさ。とってもジューシー。肉なのにもっちもちなんですよ。もっちもち。肉感スゴイ。
そして新潟と言えば、蕎麦屋なのに誰も蕎麦を食べないで有名な万代バスセンターのカレーや、
みかづきのイタリアン(イタリアン料理でなく、「イタリアン」という名前の料理)もまた名物グルメである。
そしてなんと、これらもスタジアムで売っているのである!
スタジアムで売っているということは地元民にも愛されている証拠だし、遠征民にとってもこのスタジアムで新潟グルメがほとんど完結するというのはこれ以上嬉しいことはない。
私はスタジアムで直接食べたわけじゃないけど、もちろんどちらも非常においしい。食の宝庫新潟の名物グルメなんておいしいに決まっている。
【街との一体感】★★★★☆
至る所にアルビレックスのオレンジの旗や、
アルビレックス応援自販機、
そしてアルビレックス仕様のコンビニなんかがある。
ただ、浦和に比べると街が一体となって応援しているという感じはちょっと薄い気はする。
部外者がちょろっと見ただけなので断言はできないが…。
やっぱりアルビと言ったら「アイシテルニイガタ」なんだなあ。アルビサポだろうとそうでなかろうと、新潟に対する愛情だけは共通認識だろうということは街の雰囲気から十分に感じる。
【満足度】★★★★★
色々細かいところで気になる部分はあるけど、もうグルメだけで全部を補ってくれるくらい素晴らしい体験ができるスタジアムだ。
県民の熱い新潟愛も伝わったし、一時期とはいえ日本一多くのお客さんを集めていた理由を十二分に感じ取ることができた。
これだけいい体験をさせてもらったのだから、私も声高に言いたい。アイシテルニイガタ!
索引を作りました!
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