注:本記事は新型コロナウイルス感染拡大後の情報を元にしています
【概要】
国立代々木競技場第一体育館は、1964年竣工、東京都渋谷区にあるアルバルク東京のホームアリーナ。
施設としての代々木第一体育館は以前記事を書いているので、そちらを参照されたい。
今回観戦したのは、Bリーグアルバルク東京が2022‐23シーズンにホームとして使用した試合。
アルバルク東京はここにたどり着くまで代々木第二体育館、アリーナ立川立飛とホームを転々としてきたが、これまではおよそ3000人規模のどちらかというと小規模なアリーナをホームとしていた。
しかしここにきて、ついに都心の一等地にある1万人規模の代々木第一体育館に居を構えることとなった。
Bリーグ開幕戦を実施したのもここであるが、ついに6年の時を経て帰ってくることができたのだから感慨深いものがある。しかもホームアリーナとして。
Bリーグの開幕戦は新時代の幕開けを予感させるものであったが、今回のホームアリーナ化でいよいよ新時代が具現化されてきた印象だ。
2022‐23シーズン開幕戦、千葉ジェッツを迎えて行われた開幕戦ではクラブ主管試合として最多となる9167人の観客動員を記録。
その後も安定して集客し、観客動員数では現状Bリーグのトップクラスに位置している。
2023‐24シーズン以降の動向は不明だが、将来的にはお台場に新アリーナを作りそちらに移転することが濃厚だ。
代々木第一体育館ですらアルバルク東京にとっては通過点に過ぎない、という状況である。
Bリーグはどこまで大きくなるのだろうか…。
【アクセス】
最寄まで★★★★★
最寄はJR原宿駅。 若人行きかう竹下通りはすぐそば。
駅舎もいつの間にかすごくキレイになったが、なんだか味気なくなった気もする。
最寄から★★★★★
原宿駅からは歩道橋を渡って2~3分ほど。非常に至近である。
ただ歩道橋が狭いうえ、原宿駅が狭く、明治神宮の参拝客、竹下通りから帰る人などとかち合うので帰りは結構大変。
なお、渋谷駅からも徒歩15分で行ける。渋谷の方が何かと便利かもしれない。
ただ人通りが極めて多いのでどっちにしろ大変は大変。
【観戦環境】★★★★★
施設の詳細については体操バージョンの記事も併せてどうぞ。
大きなアリーナなのでコートまでの距離は少し遠いものの、柱がないように設計されているだけあり見やすさはなかなかのもの。
今の時代アリーナに柱がないのは当たり前だが、当時としては特に画期的だったのだろう。つり屋根式は今でも珍しいが。
引きで見たところ。バスケに最適かと言われれば微妙なところではあるが、全く時の流れを感じさせない優れたデザインであることが分かる。
いいものは古くならないね。
便宜的に渋谷口、原宿口と名前の付けられた出口が二つ。それぞれの出口からはそれぞれの駅に歩いて行ける。
渋谷口側には大型ビジョンの他子供が遊べるスペースがある。立川時代はスペース的に不可能だったが、ここではこういう大きなものを置けるようになった。
原宿口から見た全景。ここからだとアリーナの大きさが一番わかりやすい。
手前側にはテーブル席やグッズショップなどが配置されている。
四面ビジョンも立川時代よりも大きくなったかな?各選手の得点数やファウル数なども見られるようになった。
入り口にはインフォメーションブースなどがありイベントスペースとなっている。
マスコットのルークのうねうね動くロボットとかも置いてあった。シュール。
入り口から入ったところのコンコース。構造的に非常にわかりやすく、洗練された設計になっている。
トイレなどはそこから一段下がったスペースにある。
人が少なく結構穴場スポットだ。満席であってもここならのんびりできそう。
そして岡本太郎の芸術作品。バクハツしてますなあ。
【雰囲気】★★★★☆
演出等は基本的に立川時代に培ったものを踏襲しているほか、イベントも増やして正統進化している印象を受けた。
選手やチアが客席にグッズを投げ込む様子はコロナ前を思い出して少しグッと来た。日常がようやく戻ってきつつあるんだな。
またハーフタイムには今売り出し中の歌手を呼んだり、全国大会に出るような高校のダンス部を呼んだりしていた。
どうやらアリーナの立地の良さ、キャパシティを生かしてパフォーマー(ダンス部は学生だけど)にも来てもらえるようになったようだ。
そりゃこんな場所で数千人相手に名前売れるとなったらタダでも来たいよなあ。
この日の入場客数は4500人ほど。Bリーグでは現状これでも上位の客入りではあるが、アリーナが大きすぎるゆえに一見空席が目立つ状態となってしまっている。
すなわち、まだまだ伸びしろはあるってわけ。これからも日本の首都東京、そしてBリーグのトップランナーとしてできることはいっぱいあるはず。
Jリーグですらかなわなかった東京のど真ん中にあるクラブとして、その利点を大いに生かした極上のエンタメ空間を作り上げてほしい。
それだけアルバルク東京には期待してるんです!
【グルメ】★★★★☆
なぜかキッチンカーは別々の場所に配置されている。
どこの席からでもグルメが近くなるようにとの配慮かもしれないが、個人的には入り口の前にずらっと並んでる方がテンション上がるし、道行く人もなんか面白そうなことやってるぞ?と興味を持ってくれる気がする。
運営上の都合があるのかもしれないが。
ポークとトマトなどが入ったホットサンドみたいなやつ。
見た目は地味だが焼きたてで外はカリッと中はいろんな味でなかなかにおいしい。これはいいね。
選手とコラボしたグルメで、揚げタコ焼きにネギやジュレをかけてさっぱりと。銀だこみたいだあ。
お値段は少々張るが、それを差し引いてもかなり上質なグルメがそろうようになった印象。グルメに関しては立川時代に比べて確実に進化してる。
東京のど真ん中だし、レベルの高いキッチンカーがいっぱい来てくれるんだろな。すぐ近くの代々木公園とかにも来てたし(めっちゃおいしそうだった)。
【街との一体感】★☆☆☆☆
一応、渋谷にはバスケットボールストリートという道があるが、ここをその名前で呼ぶ人はいない。
全員が全員、「渋谷センター街」と呼ぶ。残念ながら渋谷においてバスケの存在感はほとんどない。アルバルク東京とサンロッカーズ渋谷があるのに…。
それだけ、東京でエンタメが生き残るのは大変ってことです。
【満足度】★★★★☆
純粋にキャパシティが大きくなり立地が格段に良くなったおかげで、お客さんは今までの倍以上入るようになった。
演出面でも立川時代よりも少しずつ進化しているし、グルメなんかはめちゃくちゃ良くなった。もっとアピールしていいポイントだと思う。
とはいえ、千葉ジェッツのド派手感、宇都宮ブレックスの一体感のような、絶対的に人を惹きつけるようなアイデンティティーが欲しいなあ…。
アルバルク東京はこういった点でまだまだこれから、もう一皮も二皮もむける余地は十分あると思う。
ここが将来的な本アリーナではないにしても、その種を今のうちにまいておきたいところ。
そういう意味では、グルメにめちゃくちゃ力を入れて超グルメアリーナにするっていうのは面白そうだなぁ。そこがまだBリーグは弱いので。
いずれにせよ、これからがまだまだ楽しみだ。
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