注:本記事は新型コロナウイルス感染拡大後の情報を元にしています
【概要】

青山学院記念館は、1964年完成、東京都渋谷区にあるサンロッカーズ渋谷のホームアリーナ。
前回観戦時の記事はこちら。
前回観戦したときからの大きな変化点と言えば、セガサミーがサンロッカーズ渋谷の経営権を日立製作所から買い取ったこと。
サンロッカーズ渋谷は1935年創部の日立製作所バスケットボール部を源流にしており、80年以上の時を経て次のステージへと移ることになった。
日本屈指のエンタメ企業が新たにBリーグに参画してくることはワクワクが止まらないが、その裏にはDeNAによる川崎ブレイブサンダース買収、そしてバンダイナムコによる島根スサノオマジック買収の影響も少なからずあるだろう。
それだけエンタメ業界からも成長目覚ましいBリーグは注目を集めている、ということの表れでもある。
この流れが拡大したら、そのうちソニーや任天堂、あるいはオリエンタルランドといった世界的大企業の参入もある…かもしれない。
ただその一方で、アルバルク東京の新アリーナであるTOYOTA ARENA TOKYOへサンロッカーズ渋谷も一緒に移転するという話も出てきた。
東京に新アリーナができるという嬉しいニュースである一方、せっかく渋谷に2つあったクラブが同時にいなくなるという残念なニュースにもなってしまった。
そんな激動のサンロッカーズ渋谷と青山学院記念館、その今を見ることにする。
【アクセス】
最寄まで★★★★★

最寄はJR、東急、京王、東京メトロ渋谷駅。
東京を代表するターミナルの一つで、駅前のスクランブル交差点は今や世界的に有名な観光スポットとなっている。
駅の利用者数も新宿に次ぐ世界2位を誇る。
最寄から★★★★☆

渋谷駅からは徒歩10分ほど。
出口が多くてわかりにくいが、宮益坂、あるいは青山学院を目指して歩けばよい。
渋谷は地名の通り谷底にあるのでどこに行くにも坂がある。

坂を上ると青山学院大学の門が見えてくる。
一般の人は入れないようになっていて閉鎖的だ。普通の大学はそうか…。

もちろん体育館のゲートは開けてくれている。
サンディーのバルーンがお出迎え。

狭い敷地ながらテントがあったりフォトブースがあったりする。
【観戦環境】★★★★☆

このアリーナの良いところはなんといっても選手の近さ。
一流選手のプレーをこれだけの近さで見られるアリーナはなかなかない。小さな青山学院記念館だからこそできること。

しかし得点が思いっきり見えないのが難点。
狭いなりに工夫はしているはずだが、やはりどうしようもないこともあるようだ。

スクリーンはこちら。以前と変わりなく。

アリーナ全体はこちら。
古い体育館のはずだが、それを感じさせないスタイリッシュな装飾になっている。

奥側にあるのが舞台。黄色い幕で見えないようになっている。
そして座席数が以前と比べて明らかに増えている。以前の記事と見比べてみればその差は歴然だ。

入り口側はこちら。こちらも以前来た時と比べて座席が大幅増加している。
Bリーグ人気の高まりを直に感じられるポイントだ。

その裏ではピザやポップコーン、そしてグッズが売られている。
グッズショップは大混雑で落ち着いて見ていられないほど。

2階の座席はこちら。後ろはたぶん実況席。
いわゆる体育館の座席。体育館だからしょうがない。

エントランスはこちら。ここもいわゆる体育館。
選手のパネルがあったりしてサンロッカーズ仕様になっている。

このドアとかも試合のたびに張り替えているんだろうか?
試合を準備するのも大変な作業だ。

選手のサイン入りユニフォームも飾られている。
こちらはセガサミー特製のソニックが駆け抜ける様子が描かれたユニフォーム。
半額で売られていたので買おうか迷ったが、半額でも5000円でちょっと手が伸びなかった…。
【雰囲気】★★★★★

選手入場は割とさらっとした感じ。
サンロッカーズの演出はこってりよりさっぱりの方が似合うのかも。

サンロッカーズはスター選手ぞろい。
ネーミングバリューの強さはBリーグでもトップを争うほど。

試合中は渋谷の景色が背景になる。
なにせすぐそこで見られる景色だから渋谷に来ている実感がわく。正真正銘渋谷のアリーナだと胸を張って言える。

もちろん今日もサンディーは存在感バツグン。
このアリーナの空気はサンディーが作っていると言っても過言ではない。

選手ともハイタッチ。
もちろんファンともふれあい、アリーナ中を縦横無尽に動き回る。

ブレイクダンスなんかも踊っちゃう。

DJさんは端っこでスタンバイ。



試合演出自体は以前よりも見栄えはよくなったり全体的にブラッシュアップされた感じはあるが、それほど大きく変わったようには見られない。
親会社はエンタメを生業とするセガサミーに変わったが、元の完成度が高くあえて手を入れる必要はないという判断だろうか。

しかし大きく変わったのはお客さんの多さ。
立ち見までいっぱいとなり、小さいアリーナながら4000人が来るようになった。
かつて2000人台で低迷していたころを思い返すと隔世の感がある。
試合前には以前と同様写真のようにお客さん全員で立ち上がるが、この光景もまた迫力を増した。
ちなみに以前は初得点まで立ち上がっていたが、間延びすることもあってか試合開始とともに座るように変更されていた。
点が入らないまま2~3分立ちっぱなしのこともあったからね…。

見事渋谷が勝利。
そういえばガールズダンスチームに加えて、いつの間にか「428 ROCK CREW」と呼ばれるいかにも渋谷な感じの男女グループができていた。
ファッションはチャラいが、ちゃんとアリーナを盛り上げるべく仕事は全うしていた(写真でSUNROCKERS WINを持ってる人とか)。
お客さんが増えたのもあって渋谷という大都会にあってもバスケの存在感を出せていたし、渋谷という街になじみつつあるのを実感できた。

こうしてお客さんたちは夜の渋谷へと繰り出していくのであった…。
【グルメ】
前述の通り食べ物と言えばピザーラのピザかポップコーンしか売っていない。もちろんお酒は禁止(大学だから…)。
映画館と同じようなものと考えればよいだろう。
とはいえ渋谷だから、おいしいものも、おいしくないものも、いっぱいある。

タレカツとか。

家系ラーメンとか。

ミュウツーとか?
【街との一体感】★★★☆☆

渋谷センター街の入り口にはサンロッカーズ渋谷とアルバルク東京の大きな目立つ横断幕がある。
残念ながらバスケットボールストリートという名称こそ全く定着していないものの、アピールには十分か。

アリーナ横にはサンロッカーズの自販機が設置されている。
早速落書きされているのはさすがの渋谷スタイル。

もう一つ見つけた自販機はキレイなまま残っていた。
一口に渋谷と言っても、オシャレな場所とイケイケの場所と様々な顔を持つようだ。
ここ数年で何かが劇的に変わったような感じではないが、明らかにお客さんは増えてきたし、客層も若い人がかなり多くなってきた。
渋谷のサブカルチャーの一つとして、バスケットボール、そしてサンロッカーズ渋谷が受容されてきたような雰囲気を感じる。
ただその一方でアルバルク東京とともにお台場へ移転することもあり、渋谷で確立した文化が失われるのではという懸念も…。
【満足度】★★★★★
他の親会社が変わったチームと違い、日立からセガサミーへ変わったことによる大幅な変化は見られなかった。
それはきっと、サンロッカーズがそれだけ完成度の高い演出を積み上げてきた証でもある。
柏レイソルなんかもあるし、決して日立がプロスポーツに疎い会社ではないのも大きかっただろう。
それでも、これまで最高の立地がありながら伸び悩んでいた観客動員数が目に見えて増えてきたのも事実。
有明コロシアムで試合を行った影響もあるが、それに加えてサンロッカーズが渋谷の文化の一つとして受け入れられるようになったのも要因にはあるだろう。
これからセガサミーがもっと手を入れて、最高のエンタメ空間となることを期待したい。
そして新アリーナに移転しても、渋谷のバスケ文化を継続していけることを願いつつ…。
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