注:本記事は新型コロナウイルス感染拡大後の情報を元にしています
【概要】
東大阪市花園ラグビー場は、1929年開場、大阪府東大阪市にあるラグビー専用球技場。
日本で初めてのラグビー専用スタジアムであり、東京の秩父宮ラグビー場と並び称される日本におけるラグビーの聖地。
どちらも秩父宮様のご進言がきっかけでできたスタジアムなので、秩父宮様が日本ラグビーに与えた影響は非常に大きいと言える。
東のラグビーの聖地、秩父宮ラグビー場はこちら。
ここで行われる全国高校ラグビー大会は大変な知名度があり、「花園」という言葉だけでこの大会だと通じる。「甲子園」だけで高校野球だと通じるようなものである。
高校ラグビーは高校野球、高校サッカーと並んで第100回を迎えた大変歴史のある大会であるが、逆転が起こりにくいというラグビーの特性や、そもそもの参加校数の少なさ(野球やサッカーの3分の1以下)などから、割と優勝チームが固定化される傾向にある。
ちなみに最多優勝校は秋田工業の15回であるが、1987年を最後に優勝がなく、近年では桐蔭学園、東海大仰星、東福岡あたりで優勝旗をグルグル回しているような状態である。
とはいえラグビーは元々上流階級のスポーツであり、現在でも高校→大学→社会人という流れが完璧に出来上がっていることから、その第一段階である高校ラグビーはラグビーファンにとって大変注目度の高い大会だ。
今回はそんな花園で行われたトップリーグ最終シーズンの試合を観戦したのでその模様をお伝えしたい。
【アクセス】
最寄まで★★★★☆
最寄は近鉄奈良線東花園駅。花園ラグビー場前の副駅名を持ち、そもそもラグビー運動場前駅として開業したれっきとしたラグビー場専用の駅。
駅舎にもラグビーボールのモニュメントがある(画像参照)。
大阪の中心部である難波方面から20分弱で来れるのでアクセスも良好。
またラグビー場の北にある吉田駅も徒歩圏内だ。
最寄から★★★★☆
東花園駅からは徒歩7~8分。
道中はスクラムロードという名前がついていて、ラグビー一色。天理スタミナラーメンなど数々の飲食店もあるので、ここで食べていくのもいいだろう。
一方の吉田駅からは15分ほどかかるうえ、道も狭く、ラグビー場の入り口とは反対なのでよほどのことがなければ東花園駅の方がよいだろう。
その分道は空いているかもしれないが。
【観戦環境】★★★★★
さすがラグビースタジアムというだけあり、ピッチと近く臨場感はバツグン!選手の迫力を肌で感じることができる。
角度もついているので後ろの方でも見やすそうだ。
しかしまあ、毎度毎度ラグビー選手の体の大きさには驚くばかりだ。なんか着ぐるみでも着てるのかと思ってしまう。
そんな巨体でぶつかりあったり、全力で走ったり、とんでもない距離をキックで蹴りだすので、全スポーツ中でも迫力はトップクラスだ。
ただ若干席が狭く、ドリンクホルダーがないのはちょっと困る。後ろにビールを持っている人がいるとこぼさないかヒヤヒヤする。
スタジアムのコーナーには立ち見用のスペースが残されている。おそらく改修前はもっと立ち見用のスペースが大きかったものと思われる(秩父宮では未だに立ち見用のスペースが大きく残っている)。
ラグビーワールドカップなんかの大きなイベントではここも開放したりしたのかなあ?
メインスタンド。屋根もついており、改修されて新しく非常に快適そうだ。
バックスタンド。屋根はないが、大きくHANAZONOの文字があり迫力満点。
トップリーグでは、このバックスタンドの左右に分かれてそれぞれのチームを応援するというのが流儀になっているようだ。
スクリーン。非常に大きくて見やすいが、ラグビーという競技の性質上どうしてもポールが邪魔になる。仕方ないが。
コンコース内。入り口は南のサイドスタンド側(スクリーンがない方のスタンド)にあって、このコンコースを通ってメインスタンド、バックスタンドに向かう構造になっている。
こういう鉄筋コンクリートがむき出しのスタジアムは個人的に結構好きだ。
【雰囲気】★★★★☆
基本的には住宅街の中にあるスタジアムだが、遠くには山並みも見え雰囲気はとてもいい。
ただ改修されて新しいので非常に快適ではあるが、秩父宮に比べると重厚さ、聖地としての威厳は感じにくくなっている。
その代わり、スタジアムに入ってすぐのところにミュージアムがあり、花園ラグビー場、日本ラグビーの歴史などを事細かに学べる。せっかく花園ラグビー場に来たら是非とも寄っておきたい場所だ。
中はこんな感じで、日本ラグビーのはじまりや発展などを分かりやすく学ぶことができる。
VR体験なんかもできるようだ。
なお周囲にはまた別の立派なラグビー場もある。高校ラグビーでもここを使ったりしているようだ。
更にその隣には広大な公園や野球場もあり、市民の憩いの場になっている。
ちなみに、かつてはラグビー場を取り囲むようにゴルフの打ちっぱなしやゴルフコースがあったらしい。
そういう点でも、秩父宮ラグビー場になんだか似ている部分がある(秩父宮ラグビー場の近くにある神宮第二球場はゴルフの打ちっぱなしができた)。
【グルメ】★★★★☆
コンコース内にはグルメを売っている場所もあるが、せっかくなら行っておきたい場所がある。
それがこの花園食堂。なんとスタジアム内に食堂があるのだ。
コンコースはぐるっと回れるので、チケットを持っていれば誰でも入れる。
ここで食べ物を買って自由に食べることができる。メニュー名もラガーメン(チャーシュー麺みたいなやつ)やラガーマンカレーなどラグビーに寄せている。
んで今回は一番の名物と思われるラガーマンカレー。ラガーマンらしく大きなカツとから揚げがのっていてボリュームはたっぷりだ。
味はメチャクチャおいしいというわけではないが、いかにも食堂のカレーという感じのなんだか素朴で安心するような味。
せっかく花園に来たらぜひ花園食堂へ。
【街との一体感】★★★★★
ラグビー場の横にはラグビーの森という敷地が設けられており、
歴代の高校ラグビー優勝校がずらっと並ぶ。私が行った時点ではちょうど第100回であり、それは壮観な光景だった。
また道中にはラグビーワールドカップのマンホールもあり、東大阪市全体でラグビーを使って町おこしをしようという意気込みが強く感じられる。
そういえば、そもそもラグビー場自体も近鉄から東大阪市に無償譲渡されている。その際、近鉄は命名権を買収しようとしたが、東大阪市が東大阪の名前を残すことにこだわり今の形になったのだそう。
ラグビーの街としてこれからも東大阪市は残っていくことだろう。
スタジアム横にはラグビー仕様の自販機なんかもある。
もちろん街中もラグビー一色。
今回の大阪旅行の模様を記事にしました。
【満足度】★★★★★
秩父宮ラグビー場が歴史と伝統を重んじながら使われているのに対し、こちらの花園ラグビー場は適宜改修や所有者の変更などを行いながら時代に合わせて発展しているような印象を受ける。
特に、自治体である東大阪市がこれだけ強力にバックアップしているというのは非常に心強い。
これからラグビーが新リーグに移行しても、未来にわたって愛されていくスタジアムになるだろう。
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