注:本記事は新型コロナウイルス感染拡大前の情報を元にしています
【概要】
川崎市とどろきアリーナは、1995年開場、神奈川県川崎市にある川崎ブレイブサンダースのホームアリーナ。
川崎ブレイブサンダースだけでなく、女子バスケWリーグの富士通レッドウェーブ、女子バレーのNECレッドロケッツも使用している。
これらのチームは「川崎市ホームタウンスポーツ推進パートナー」という協定のようなものを結んでいる。
川崎フロンターレ、川崎ブレイブサンダースを筆頭に、上記の2チーム、野球の東芝ブレイブアレウス、アメフトの富士通フロンティアーズの他、トランポリン選手の中田大輔が加入している。え、人?
この活動もあってか、フロンターレとブレイブサンダースは仲良くやっているようだ。同日に試合がある日はハシゴしている人も見受けられる。
フロンターレの記事はこちら。
ブレイブサンダースはBリーグ創設に伴う選手のプロ化に最後まで抵抗したチームである。実際B1参入の際にも「選手のセカンドキャリアを保障」する事を前提でやっとこさ全員プロ化したという歴史がある。
この日本特有のプロアマ問題は非常に難しい。実際選手側からしたら、引退後が保障されている方が安心だろう。が、競技レベルの引き上げ、集客力の向上といった面を考えれば、Bリーグのプロ化は大成功だったように思う。
そんなわけで渋々Bリーグへ移行したブレイブサンダースだったが、チームの成績は上々だったもののどうも観客動員が伸びない。
結局サジを投げてしまったのかは分からないが、2017年にはDeNAに売却。
が、その後の快進撃は目覚ましく、2020年には観客動員で千葉ジェッツに次ぐ堂々の2位。
今回は東芝とDeNAで何が変わったのか、についても着目していきたい。
同じくDeNAのベイスターズはこちら。演出もどことなく似ているような…?
またJリーグのSC相模原もDeNAが参画。神奈川のプロスポーツをDeNAがじわじわ侵食している。
【アクセス】
最寄まで★★★★★
最寄はJR及び東急東横線の武蔵小杉駅。等々力陸上競技場と同じ等々力緑地の中にある。
武蔵小杉駅はフロンターレとブレイブサンダースの共存共栄の体制だ。
いい関係を築けているなあ。
最寄から★★☆☆☆
武蔵小杉駅からは徒歩25分ほど。等々力陸上競技場よりも駅から遠い。場合によってはバスの方がいいかも。
【観戦環境】★★★★☆
見にくさもなく快適なのだが、2階席の通路が狭く、気軽に動けない。
特に辛いのが試合後で、混雑でなかなか出られない。時間的にギリギリになる人は早めに席を立った方がいいかもしれない。
【雰囲気】★★★★★
筆者は東芝の最終試合、およびDeNAの初試合を観に行っているので、その比較もしていきたい(もっと写真撮っとけばよかった!)。
東芝時代のアリーナ前
DeNA時代のアリーナ前
なんだかいかにもインスタ映えしそうなスポットが出来ている。なるほどなるほど。
ちなみに東芝最終試合では記念のタオル、DeNA初試合では升酒(ビール)とユニフォームの配布があった。どれも大切に保管しています。
DeNA時代のコンコース内のポスター
川崎と歩んでいこうという強い意志を感じる。なるほどなるほど。
東芝時代のアリーナ
レーザー光を使った演出もあり、なんだか普通にカッコいい。もう見れないけど。
また「KAWASAKI HEART」をスローガンに掲げ、試合前には川崎市歌を流すなど、川崎に対する愛情も感じる。まあ川崎市歌を川崎市民が誰も知らないという問題はあるが…。
正直、このまま東芝が運営し続けていたらどうなっていたのだろう、という興味が湧く。
DeNA時代のアリーナ
花火を使ったド派手な演出がある(火事とか大丈夫かな)。
4面ビジョンも増え、お金をかけてるなーという感じ。
チームカラーも真っ赤に近かった東芝からえんじ色に変更されていて、こっちの方が落ち着いてて好きかな。
またこの時代からやっていたかどうかは忘れてしまったが、音楽に合わせてタオルやハリセンを掲げる、フリースロー前にみんなでクラップする、といった会場が自然と一体になれる演出もある。
会場演出には川崎出身のスチャダラパーを起用していて、その辺も抜かりない感じ。
全体的な感想としては、東芝は色々努力は見えるけどあとちょっと届かなかったのに対し、DeNAはベイスターズでの経験を生かして勘所をよく掴んだ上手い演出をするな、という感じ。
ただ個人的には東芝のレーザーを使った演出はめちゃくちゃカッコ良かったので、ちょっと無骨な東芝演出の試合をもっと見てみたかった気がする。
あとDJの人やヘッドコーチはこの時点で変わっていない。こういう残すところは残すのもDeNAのうまさだなあ(ヘッドコーチは後にGMに昇格となった)。
【グルメ】★★★★☆
DeNA初試合では屋台が死ぬほど並んでいたので、平塚開催の時の写真となる事をお許しください。今は解消されてるかな?
こちらのバーガーは「川崎ホルモン劇場」というお店のタンメンチを使っている。普通にうまい。
またベイスターズエールで味をしめたのか、川崎の醸造所と組んで作った「サンダースビール」なるビールも販売始めた模様。儲かるんだろうなあ。
【街との一体感】★★★★☆
やはりフロンターレの方が規模が大きく、ブレイブサンダースの影が少し薄くなってしまうのは仕方ない。
が、上記の通りアリーナ内外で川崎を全面に打ち出しており、Bリーグとして出来る限りの事をやっている感じがする。
フロンターレとも相乗効果でどんどん盛り上がっていきたいところ。
武蔵小杉駅での存在感もどんどん増していっている気がする。
また川崎市の中心川崎駅周辺でも一カ所ブレイブサンダースの展示がしてある場所を発見した。ここ数年で一気に勢力図を拡大しているようである。
【満足度】★★★★★
DeNAがベイスターズで得た経験を存分に生かし、非常にレベルの高い運営をしていると感じる。
アリーナ内の演出、マスコットキャラクター、グルメやYouTubeの活用など変えるところは変える一方で、チーム名やDJをはじめとしたスタッフ、そして東芝時代の歴史を蔑ろにせずむしろ前面に押し出していくところなど、残すべきところはうまく残している。
千葉ジェッツや宇都宮ブレックスなどのライバルと、それぞれアプローチは違えど切磋琢磨しながら観客動員を競って欲しいなあ、と思う。
一方で東芝時代の延長はどうなってたのか、という世界線もちょっと見てみたかったなあ…。
更に先日、胸スポンサーから東芝が外れ、新たに川崎の測定機器メーカーであるミツトヨが入った。
東芝はスポンサーとしては残るものの、トップスポンサーからは離れることになった。一つの時代が終わり、新しい時代に入っていく。
生まれ故郷である東芝を離れた川崎ブレイブサンダースはどこへ行くのか。新生ブレイブサンダースが歩むその道を見守っていきたい。
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